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できれば術後化学療法・全摘同時再建をしたいのです

[管理番号:2921]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生初めまして。
自身が乳がんである可能性が高まってから不安な毎日で
すが、こちらのQ&Aを拝見して、乳がんは必要な手術と治療をしっかりと行えば、完治を目指せると知り、手術・治療に前向きに取り組もうという気持ちになれました。
いつも本当にありがとうございます。
3月下旬に左胸左下のしこりに気づき、4月前半に最寄りのクリニックを受診、エコーでしこりの形が怪しいとのことで、最寄りの大学病院を紹介され、
エコー・マンモでのチェック・後日針生検、5/(上旬)に針生検の結果が出て、
浸潤性乳管癌との診断がおりました。
しこりは左胸に2個あり、エコーでの大きさはそれぞれ23×16mmと11×4mmだそうです。
また、針生検の病理組織診断は、大部分の乳癌細胞は
ER(+) , PgR(+) , HER2 2+ , Ki67陽性細胞は20%前後とのことです。
5/(上旬)に血液・尿・胸部レントゲン・造影CTの検査を行いました。
今後2週間で骨シンチ・MRI・心電図・肺機能の検査を行い、ステージの確定・今後の方針が決まるそうです。
大まかな手術や治療の流れについて、5/(上旬)に説明がありました。
手術は早ければ6月中とのことです。
ただし術前術後どちらに化学療法を行うかは、まだ決まっていません。
エコー検査では、腫瘍の大きい方が23mmとなっているが、角度によっては30mmを超えているように見えるところがあるそうです。
今後のMIRの検査結果と併せて30mm以上という判断となった場合、この病院では全摘・温存の術式にかかわらず、しこりの大きさが30mmを超えたら術前化学療法となるとのことです。
また、全摘同時再建について、病院の方針として推奨していないとのことです。
理由は摘出したしこりの病理結果が出るのに2週間程度必要で、同時再建後に取り残し等がわかった場合、治療が困難になることと、術後に化学療法をすることになった場合、傷の治りが悪くなるおそれがあるからとのことです。
再建するなら早くて術後半年後だが、病院として推奨するのは術後1年が経過して、再発転移がないことを確認してからが安心とのことでした。
私としては、可能であれば全摘同時再建・術後化学療法をお願いしたいと考えていたので、とても残念な気持ちになりました。
術後化学療法と全摘同時再建については、病院の方針として勧めないが、患者さん本人がどうしてもと言うなら対応する場合もあるので、術前検査結果が揃ったら相談しましょうとのことでした。
とはいえ希望を通してもらうのは、かなり困難なように感じました。
話し合いの結果、術後化学療法や全摘同時再建が可能となったとしても、病院の方針に反した手術・治療を無理を言ってやってもらう形になることと、病院の方針として同時再建を推奨していないということは、医師の同時再建手術の経験数も少ないと考えられるので、とても不安です。
それならば、条件が揃えば術後化学療法も全摘同時再建も積極的にやってますよという病院へ転院した方が、安心して手術・治療に臨めるのではと考えています。
また、同時再建手術にも積極的に取り組んでいる医師から見て、私の病状からすると同時再建は勧められないということであれば、納得して二次再建しようという気持ちになれると思います。
浸潤性で私くらいのしこりの大きさの場合、今から転院するというのは危険でしょうか?
今月(下旬)日に治療・手術の方針が決まります。
治療または手術が始まってしまう前に、できれば田澤先生に一度診察していただきたいと考えております。
またその上で江戸川病院へ転院し田澤先生の手術・治療を受けることは可能でしょうか?
可能であれば、どのような手順を踏めばよいかご教示いただければと思います。
大変ご多忙の中誠に恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「30mm以上という判断となった場合、この病院では全摘・温存の術式にかかわらず、しこりの大きさが30mmを超えたら術前化学療法となるとのこと」
⇒「全く根拠のない」ひどい治療方針です。
 それ以上のコメントは控えます。
 
「理由は摘出したしこりの病理結果が出るのに2週間程度必要で、同時再建後に取り残し等がわかった場合、治療が困難」
⇒全摘後に「取り残し」となる可能性は「通常はゼロ」であり、そんなことを問題にすることは(通常は)決してありません。
 全摘後でも「取り残しを考えなくてはならない程度の手術レベル?」と思われても仕方がないと思います。(そんな理由、初めて聞きました)
 
「術後に化学療法をすることになった場合、傷の治りが悪くなるおそれがあるからとのことです。」
⇒術後の抗ガン剤は(同時再建したとしても)「手術後の創傷治癒には全く影響」ありません。(余程、創傷治癒に自信がないと思われても仕方がありません)
 ♯同時再建後の抗ガン剤は禁忌でも何でもありません。
「浸潤性で私くらいのしこりの大きさの場合、今から転院するというのは危険でしょうか?」
⇒リンパ節についての記載がありませんが…
 それ程問題はないと思います。
「江戸川病院へ転院し田澤先生の手術・治療を受けることは可能でしょうか?」
⇒可能です。
 ただし、現状では(日程的には)「同時再建するのであれば、7月以降」となってしまいます。
 それを承知の上であれば、秘書へご連絡ください。
 
 
「可能であれば、どのような手順を踏めばよいかご教示いただければと思います。」
⇒上記で案内します。