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脇の下のしこり

[管理番号:64]
性別:女性
年齢:37
先月、右脇の下(腕側ではなく体側)に2~3センチくらいのしこりがある事に気づきました。
(触ると硬く皮膚とくっ付いた感じではありません。)
その少し前に違和感があるなとは思ったのですがちょうど凹んでる部分にできたしこりで最近まで気づきませんでした。
強い痛みはなく、押しても痛くはありませんが、腕を上げたり、下げて体とくっ付けた時に若干弱い痛みを感じる時はあります。
 
現在1歳の子に頻繁に授乳していますが、右胸は母乳の出が悪く、左の方を沢山飲んでいて、見た目も左より右が小さいです。
 
今、東南アジアに住んでいて、病院でエコー、マンモグラフィーを受けたあと、抗生物質の薬を一週間飲むように言われ飲みましたが、全く効きませんでした。
当地の医療は日本ほど良いとは思えませんし、乳がんではないかと不安です。抗生物質が効かない場合、乳がんの可能性が高いでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 東南アジア在住との事で、遠いところからご質問ありがとうございます。
 医療水準など、ご心配される気持ちは良く解ります。
 私の臨床経験から回答します。

回答

 乳癌の可能性を十分に考えなくてはなりません。
 必ず確定診断が必要です。
 原因不明のままでは絶対にいけません。 
 
 「腋の下の2~3cmの硬いしこり」は「腋窩リンパ節の腫大」だと思います。
 腋窩リンパ節腫大の原因は以下の3つに大きく分けられます。

  1. 乳癌の転移
  2. 炎症による腫脹:風邪で喉のリンパ節が腫れたり、足を怪我して付け根のリンパ節がぐりぐりする事と同等
  3. 他の癌や、全身的な「リンパ腫などリンパ系疾患」

 今回、現地の病院ではまず、1.乳癌の転移 を疑い、エコー及びマンモグラフィーを行った。
 しかし、「乳腺に明らかな異常所見を認めなかった」ため、2.炎症による腫脹 も考え、まずは抗生剤で1週間様子を見た。というところでしょう。
 それで、「効果が無かった=炎症ではない」とは決めつけられません。炎症に全ての抗生剤が有効とは限らないのです。別の系統の抗生剤で効果がでる可能性があります。
 
●ただし、「腋の下の2~3cmの硬いしこり」というのは、炎症というよりは腫瘍(つまり、癌の転移か、リンパ腫など)を強く疑う所見です。
 
 おそらく(記載がないことから)腕に怪我もないのでしょう。
 それで炎症性というのは、実際は可能性は低そうです。
 もし、両脇のリンパ節が腫れているようであれば、リンパ腫などがむしろ疑われます。
 

私であれば(参考にしてください)

 乳腺の超音波をきっちり行います。
 「リンパ節転移を起こすような病変=大きな病変」として小さな病変が見逃されている可能性があります。
 私であれば、どんな小さな病変でも必ず針生検を行い確認します。
 
 次に全身検索を行います。
 PETが理想的ですが、無ければCTでも構いません。
 腋窩以外に病変があれば、そこが原発巣の可能性があります。
 
 更に、「腋の下のしこり」を摘出生検します。
 画像診断では不明であっても摘出生検をすれば必ず診断はつきます。

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