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脇の腫れ、しこりについて

[管理番号:1507]
性別:女性
年齢:48歳
いつも参考にさせていただいております。
田澤先生から「脇のしこりを心配しすぎです」とのコメントがアップされたばかりで大変恐縮ですが、相談させてください。
今年の5月くらいから、左脇の窪んでいる真ん中あたりがジンジンと痛くてコリコリとしたしこりを摘むことが出来ることに気付きました。
赤くはなっていませんが、うっすら盛り上がっていて、何をしていてもとにかく痛かったのです。
いつも乳がん検診に伺っている病院に相談したところ(遠距離なので電話で相談しました)、乳腺ではなくリンパの腫れだろうからしばらく様
子を見てみるように言われました。
毎年乳がん検診には行っていて、今のところ異常はありません。
胸にも自分でわかるようなしこりは感じません。
6月になっても改善しなかったので、近くの乳腺外科でエコーをしてもらったところ、触ってもエコーでも何もないと言われました。
しこりは常にありますが、脇が痛むには周期があって、そんなに気にならないときもあります。
痛むとき、腫れているときは腕を閉じたときに、左と右の脇の厚みに差が出ているのがはっきりわかります。
しこりのある脇の窪んだところも全体的に盛り上がっていて、右とは全く様子が違います。
しこりの具合は小豆とかピンポン玉というようなゴロっとしたものではなく、脇の窪みが数センチが盛り上がって、固くコリコリしているという様子です。
上手く表現出来なくて済みません。
8月にまた痛くなって腫れたときに、もしかしたら皮膚の病気かもしれないと思い、皮膚科に行きました。
粉瘤かな、良性のものだと思うと先生はおっしゃって、別にこのままにしても問題ないけど、痛くて気になるなら切ることも出来るよとおっしゃいました。
切ったらしばらくお風呂に入れないから、夏が終わってからにしようと言われて帰ってきました。
それからも腫れたりおさまったりを繰り返しています。
そろそろ切ることが出来る季節になったのですが、粉瘤は腫れたりおさまったりするものなのか疑問を感じ始めて躊躇しています。
本当にリンパの病気ではないのか、不安になってご相談させていただきました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容から解る事は「転移性のリンパ節ではない」と断言できます。
「シコリが何であるかの特定はメール内容からは困難」ですが、
①転移性リンパ節ではない理由 
②それでは何が候補となるか 
に分けて解説しましょう。
○まず(電話相談での)「乳腺ではなくリンパの腫れだろうから」というコメントは忘れてください。
 電話だけで(実際の診察が無い状態での)コメントであり、却って質問者を混乱させる(リンパ節かも?)原因の一つのようです。
①転移性リンパ節ではない理由
・うっすら盛り上がっていて、何をしていてもとにかく痛かった
⇒「転移性リンパ節では決して痛くはなりません」
 通常、「炎症」もしくは「ホルモンによる刺激」を考えます。
⇒また「腋窩リンパ節は窪みの奥深くにある」ので「うっすらと盛り上がる」こ
とはありません。
 逆にいうと「うっすらと盛り上がるようなリンパ節が存在していたら、とんでもない大きさのリンパ節ということ」になり、ガチガチに硬くて誰がどう考えても解ります。
 それを「乳腺外科医や皮膚科医が見逃す」などと考えたら「誰も信じられない」状況となってしまいます。(幾らなんでもありえません)
 
・近くの乳腺外科でエコーをしてもらったところ、触ってもエコーでも何もない
⇒これが最大の「転移性リンパ節を否定する」根拠となります。
 転移性リンパ節であれば、「大きくなったり、小さくなったりすることは決してなく」如何なる時でも『エコーで見逃される事などありえない』ことは断言できます。
 
②それでは何が候補となるか?
 副乳か粉瘤のどちらかでしょう。
 「ジンジンと痛くてコリコリとしたしこりを摘むことが出来ることに気付きました。赤くはなっていませんが、うっすら盛り上がっていて」
  ⇒この表現からは「感染性粉瘤よりはむしろ副乳を疑う」所見と言えます。(粉瘤が痛みを伴うとしたら、相当真っ赤になります)
 「痛むとき、腫れているときは腕を閉じたときに、左と右の脇の厚みに差が出ているのがはっきりわかります」「しこりのある脇の窪んだところも全体的に盛り上がっていて、右とは全く様子が違います」
 ⇒これは副乳を示唆しています。
 粉瘤は「脇の厚みには無関係」です。
 全体的に腫大となると、副乳と思います。
 
 「しこりの具合は小豆とかピンポン玉というようなゴロっとしたものではなく、脇の窪みが数センチが盛り上がって、固くコリコリしているという様子」
 ⇒この所見は「副乳」でしょう。
 粉瘤の場合は「大きくなれば、ゴロっと」します。
 
 「しこりは常にありますが、脇が痛むには周期があって、そんなに気にならないときもあります」
 ⇒粉瘤ではないようです。
 粉瘤は「腫れてしこりになる時には痛い」し、「シコリになっていない時には痛くない」のです。
 「周期性」からも「女性ホルモンの分泌周期と関連」を疑わせ、「副乳」を疑わせます。
 
「本当にリンパの病気ではないのか」
⇒リンパ節ではありません。
 ご本人が「リンパの病気」と考えるのは何故でしょうか?
 「大きくなったり小さくなったりして」乳腺外科医が診ても「診断できない」リンパの病気(リンパ腫など)はありえません。
○全体から判断すると「副乳」と思います
  
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、お忙しいところご丁寧に詳しくご回答いただきまして、有り難うございます。
とてもわかりやすく納得の出来るご説明で、不安を持って構えている身には本当に有り難いです。
私が駆け回った病院はひとつもここまできちんと詳しい説明をしてくださることはありませんでした。
問題ないからいいじゃないか、気の所為じゃないか…と言われても、心配に思っている身としては、こういうことだから問題ないという説明が
欲しいのです。
是非、一度田澤先生に診ていただきたいと思っています。
予約を入れさせていただこうと思っています。
私は今のところ毎年の検診で問題なしと言われておりますが、万一罹患した際に自分がどうしたいかをいつも考えています。
田澤先生が色んな方にお答えになっていらっしゃることや先生の方針にいつも納得するのです。
私のまわりには乳がん罹患者が増えています。
全員が有名な大学病院で手術治療をしています。
お話を聞いていると、自分はこういうところでは嫌だな…とずっと思っていました。
ちゃんと話の出来る医師の方でないと私は自分を任せられないと思っています。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「是非、一度田澤先生に診ていただきたいと思っています。予約を入れさせていただこうと思っています」
⇒是非、そうしてください。