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トリプルネガティブについて

[管理番号:2092]
性別:女性
年齢:50歳
こんにちは。
先月初旬に乳がんと告知されてから、こちらで色々同じ病気で悩んでる方の不安に、誠実に答えていらっしゃる先生に、ぜひ相談したいと思いました。
その前に今までの経緯を長々とすみませんが書かせていただきます。
私の場合、ある日急に大きなしこりに気付きました。
この1年の間、10年前位から治療している高プロラクチン血症の薬をやめた影響で、ずっと胸が張ったり、プロラクチンの値が100を超えて母乳が出たり、
その結果を受けて、また薬を始めたり(まだコントロールしきれていなくて、
絞れば母乳が滲みますが少しずつ減ってきました)変化が多かったから、しこりはそれ関係かな?とか、
よく言われる乳がんのリスクにあまり当てはまらないので、変に自信を持っていた事、1年経たない前に、
市の検診でマンモグラフィーと触診はうけていて、その時は自分でしこりがわからなかった事、
異常なしだった事から、まさかこのしこりは乳がんではないだろうなと思い数ヶ月経ってしまいました。
でもやはりしこりが気になり、11月初旬にとりあえず近くの総合病院で
マンモグラフィーとエコーをしてもらいました。
マンモグラフィーに写ったしこりは、画面ギリギリの位置で、しこりがここだと言って撮っても苦労していたので、去年とのマンモグラフィーでは、しこりが小さければうつらなかったんだろうと言われました(泣)
しこりはエコーにもうつっていました。
境界不明瞭?
だから怪しいし、悪性も覚悟した方がいいと言われ、その日の内に針生検をする事になりました。
大きな音がするけど、驚いて動かないでと注意され、技師の方がエコーをして、それをみながら、先生が針を刺したのですが、3回取るはずが、2回目に先生が、「血腫?血腫がみえたよね?」←そう聞こえました と言って、2回で止めて止血しました。
何だかとんでもない事が起きてるんじゃないかと思い、怖くて先生に聞けなかったのですが、診察室に戻ると、今まででこんな事は初めてだが、
出血がすごくて太い血管に刺したかもしれない、心配だから、明日、診療時間前に診せにきてとの事でした。
しこりの部分に針が刺さってるエコーの写真を見せられ、取れたとは思うけどねとは言われました。
痛み止めを飲むほどでもないけど、その晩は不安でいっぱいでした。
翌日診せに行くと結局大丈夫だったみたいですが、
「これなら来週、また同じ検査が出来る」
と言ったので、アクシデントで十分取れなかったから、またとるのかな?
と思ったのですが、さすがにもう1回は怖いなと思ったのですが、
その後、検査するには足りていたのか、やらなくて済みました。
←癌がとれたという事だと理解しました。
その後、どんどん血液検査、骨密度、心肺機能、CT、MRI、等の検査が進み、
2週間で全部の資料が揃い、治療方針の説明となったのですが、主人と一緒に行って聞いたのは、
腫瘍は、エコーでは2センチだと思っていたが、CTやMRIでみると2つくっつくようになっているので、3センチ。
ホルモンマイナスなので、抗ガン剤の治療しかない。
術前で抗ガン剤をやってから手術にしようと思う。
術前にするのは、小さくなれば温存できそうな事、効果が見える事との事でした。
血液検査や心肺機能の検査等で問題なくて、コレステロールも糖尿もない事も聞きました。
リンパは、CTでは少し腫れてみえる部分もあるが、あきらかに転移とは言えない。
抗ガン剤をやって小さくなれば転移という事、術前の抗ガン剤で小さくなっても、元の腫瘍の大きさの大きめはとる。
抗ガン剤は、2週間に1度、約7カ月との事で、2種類やるとの事で、効く場合が多いが、効かない時点で手術する。
それだけ言うと、4日後から抗ガン剤の予約を入れようとしました。
素人の私ですが、温存なら放射線やらなくていいのかな?とその時思いました。
←先生のQ&Aを読んでてそう思っていたのです。
私が主治医を信頼しきれてない事は主人に伝えていたので、主人が大きな病気なので、治療法ももう少し考えたいから、セカンドオピニオンを受けたいと言ってくれました。
渋い顔をしましたが了承してくれました。
大変失礼なのですが、針生検の一件も私の腫瘍が悪かったのかわかりませんが、先生が驚いた事に私が驚き、
経験的に大丈夫かなあと少し不安になったのと、その病院には、外科の中に乳腺外科の認定医であるその先生しかいないのですが、
乳がん手術の治療実績をみたら、その年は年間19件、翌年は30件とあったので、少ないのでは?と思ったので、手術してもらうなら、もう少し治療実績がある先生がいいかなと思ったのです。
市内では圧倒的に多い症例数の病院があるので、後でよくみたら、他と比べるとそれほど少ないわけではなかったですが、針生検で私みたいなのは初めてと言われると、私みたいなものでも経験した可能性のある方に診ていただきたいと思いました。
とにかくしこりが大きいので、急がねばとも思ったのですが、先に抗ガン剤を術前にしても、結局同じ大きさを切るなら、先に手術でもいいかなと思ったり、
もう少し考える時間も欲しかったし、私が先生から検査結果として紙でもらったのが骨密度の結果だけで、
ここで質問してる皆さんのように、自分の癌の事を知らない不安もあったし、とにかく先生の中では結論が出ているのですが、あまりに私への説明が足りない気がして、これから長い付き合いをしていけるのか不安になりました。
その後、少し自宅から遠くなるけど、市内の別の総合病院が癌拠点病院で、乳腺外科の専門医、指導医の先生が複数いらしたので、1度相談しようとセカンドオピニオンを受けました。
←少し時間がかかりましたが
セカンドオピニオンの時に、主治医からの説明の紙には、私の癌がトリプルネガティブである事、腫瘍は4.5センチである事、浸潤癌で乳頭腺管がん(硬癌)←ちらっとみえた時にそう書いてあったようにみえました。
ki67が8.7である事などが書かれてたみたいです。
どういう抗ガン剤を使うとかの情報はなかったみたいです。
まず私が聞いてた3センチが違ってた事、抗ガン剤は、2種類を2週間に
1回を約7ヶ月と聞いたけど、だいたい期間、種類は決まっているのか?とか、温存だと放射線が必要だと思っていたのですが、主治医は全く言ってなかった事を聞いてみると、温存したら必須だと思うよと言ってました。
腫瘍の大きさも、エコーやCTやMRIの画像をみながら測っていましたが、やはりエコーだと2センチ位、CTやMRIでも1番長くとっても3センチ位との事でした。
抗ガン剤も、2週間に1度というのは、よくわからないけど、ki67が低い値だから、抗ガン剤がもしかしたら効きにくいかもしれないから、少し間隔を詰めてやるのかなあ、よくわからないけどとおっしゃってました。
同じ地域の、それも主治医はその総合病院の院長だという事もあり、遠慮がちに意見を言ってたようにも思いました。
(と私は感じました)
主治医を信頼しきれてないのに、転院ではなくセカンドオピニオンにしたのは、その先生を全く知らなかったので、話してみて決めたいと思ったからです。
初めて会った私に、セカンドオピニオンの先生は、あなたは、今とてもショックだろうけど、今治療するにはいい時期で、10年でも30年でも100年でも再発しない治療をやりきる頑張りどきだよと言われ、大きい癌と言われたけど諦めなくていいのかなとどん底から救われたような気がしました。
このQ&Aで、不安な患者の気持ちに寄り添うコメントの田澤先生に通じるものを感じたのです。
温存の手術は、手術経験で違ってくるという話もされていたので、出来たらたくさん手術してる先生に切って欲しいと思いました。
ただ、その県内でも症例数が多い病院でも1番患者の多い先生なので、
手術待ちが長く、セカンドオピニオンの時点で2ヶ月先までうまっていたのですが、その日に転院を決意して、すぐに行動に移しました。
セカンドオピニオンでかなりの時間をいただき話したので、転院してからはスムーズで、マンモグラフィーとエコーは撮り直しましたが、
MRI、CTはそのまま使うとのでした。
撮り直したエコーは、16mm13mm13mmとの事でした。
何やら私の胸を定規ではかり、温存でいけそうだとの事で、少し先になるけど、手術先行で行こうかとおっしゃったので、やりますと即答しました。
温存で、センチネルリンパ節生検でいきますとの事でした。
手術は、来年2月早々に決まりましたが、それまでは何もないので、普段通りに仕事して、家事をして、大掃除をして過ごしています。
しこりをみつけて7か月、告知されてから手術まで3か月、無治療で長く待つ事に、進行したらどうしようとか思わないわけではないですが、どっちにしても、焦っても先生の手術を待ってるのは私だけでないから早まる事はないので、余計な事は考えないようにしてます。
先生にお聞きしたいのは、今通院してなくて、次回が入院なので聞きそびれたのですが、CTやMRIでは2つにみえたと思うのですが、どちらの病院でもエコーでは1つにみえたと思うのですが、どういう事が考えられますか?
同じ癌でも見る角度により見え方や大きさが違うのでしょうか?
やはり、CTやMRIの大きさで考えた方が実際に近いのでしょうか?
造影剤でうつってるのは全部癌なのでしょうか?
それと、自分では最初に気付いた半年位前、座って胸を張る形で触ると、ピンポン球のようにつるっとして、3センチよりもっと大きいように感じていて、実際今でも姿勢によっては、大きく感じたり小さいしこりと感じたりするのですが、癌全てが同じような感触?というものではないのですか?
私自身、短期間でしこりに触れたと思っていたので、増殖スピードがゆっくりというのがピンとこないのです。
それと、ki67が低い事で抗ガン剤が効きにくいかもとセカンドオピニオンの時に話されて、その後は、特にこの事には触れず、その後の治療はまず手術してからの話でしょうが、トリプルネガティブでは抗ガン剤しかないと思うのですが、その場合でも決まった抗ガン剤をやる事になるのでしょうか?術前の生検と癌のタイプやki67の値が大きく変わる事はあるのでしょうか?
先生が手術時期がずっと先なのに先行したのは、抗ガン剤が効かない可能性があるからなのかなと思ったりして、術後に放射線以外にさらに打つ手はあるのかな?と思ったりします。
ステージが大事というのはよくわかるのですが、やはりトリプルネガティブという事で、かなり落ち込み、それでも抗ガン剤が効けばいいかと思っていた所に、効きにくいとなると早く効く薬が出来ないかなあとか現実的でない事を思ってしまいます。
先生はどうお考えですか?
全てが説明つくものばかりでないとは思うのですが、疑問に思う事をお聞きしたくていくつも質問してすみませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「先生にお聞きしたいのは、今通院してなくて、次回が入院なので聞きそびれたので
すが、CTやMRIでは2つにみえたと思うのですが、どちらの病院でもエコーでは1つ
にみえたと思うのですが、どういう事が考えられますか?同じ癌でも見る角度により
見え方や大きさが違うのでしょうか?」

⇒これを読んでの私の感想は「2つの腫瘍が重なるようになっていて」エコーでは
「1つの断面に2つの腫瘍を同時に描出できない」のかな?と思いました。
「やはり、CTやMRIの大きさで考えた方が実際に近いのでしょうか?造影剤でうつっ
てるのは全部癌なのでしょうか?」
⇒癌の拡がりとしては「MRIでの拡がり」を全て癌と考えて「手術すべき」です。
 
「実際今でも姿勢によっては、大きく感じたり小さいしこりと感じたりするのです
が、癌全てが同じような感触?というものではないのですか?」

⇒乳腺の中に腫瘍はあるので、「姿勢によって」触れかたは変わるのです。
 

「それと、ki67が低い事で抗ガン剤が効きにくいかもとセカンドオピニオンの時に話
されて、その後は、特にこの事には触れず、その後の治療はまず手術してからの話で
しょうが、トリプルネガティブでは抗ガン剤しかないと思うのですが、その場合でも
決まった抗ガン剤をやる事になるのでしょうか?」

⇒その通りです。
 (術前術後に)適応の有る抗がん剤は決まっているのです。
 
「術前の生検と癌のタイプやki67の値が大きく変わる事はあるのでしょうか?」
⇒サブタイプ(トリプルネガティブであること)が変わる事は殆どありません。
 ただ「Ki67」は病変の部分によって異なるので「病変全体で評価すべき」なので
す。
 
「先生が手術時期がずっと先なのに先行したのは、抗ガン剤が効かない可能性がある
からなのかなと思ったりして、術後に放射線以外にさらに打つ手はあるのかな?と
思ったりします。」

⇒術後には「抗がん剤を使用すべき」です。
 「術前抗がん剤」として「効果が期待できない」からといっても、「術後の再発予
防としての抗がん剤が無意味」という訳ではないのです。
 
「ステージが大事というのはよくわかるのですが、やはりトリプルネガティブという
事で、かなり落ち込み、それでも抗ガン剤が効けばいいかと思っていた所に、効きに
くいとなると早く効く薬が出来ないかなあとか現実的でない事を思ってしまいます。
先生はどうお考えですか?」

⇒「術前抗癌剤が劇的に効果が無い」ことと「予後が悪い」こととは無関係です。
 ○やるべきことをしっかりやることが大事なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おはようございます。
以前、2092で質問させていただき、その節はあり
がとうございました。
その後、2月3日に手術を終え、病理結果が出たのですが、わからない事があったので質問させて下さい。
手術は、部分切除、センチネルリンパ節生検を行いました。
術後の結果
組織型 特殊型 アポクリン癌
病理学的浸潤径 1.8cm
癌全体の径 4.5cm
リンパ転移個数 0
脈管浸潤 なし
組織的グレード 2
Ki67 20%
ホルモン感受性 ER 0% PgR 0%
HER2 3+
術前と違うのは、組織型が特殊型だった事、ki67が8%が20%になった事などありますが、1番驚いたのが今までトリプルネガティブとの事でそれは変わらないと思っていたのに、HER2陽性になった事です。
術後、2週間で病理の結果を聞きに行った時に、その時点でわかっている事は、組織型は特殊型のアポクリン癌、ステージ1との事だけ伝えられて、2週間待っての結果がこれだったのですが、サブタイプが変わる事はあるのでしょうか?
針生検でHER2は陰性だったので、全くどういうものかわかってなかったのですが、受診時に主治医に聞きたい事は?と言われて聞けたのが、トリプルネガティブじゃなくて、HER2陽性って事ですが、これはどう捉えればいいですか?と聞くと、いい情報だと思うよ、だってハーセプチンが使えるからねと言われました。
自分に当てはまる事しか知らなかったのですが、HER2陽性は再発のリスクでもあると思うのですが、サブタイプは今後の補助治療の違いだけだと思ってても良いのでしょうか。
今後の治療予定ですが、来週木曜日からTC+ハーセプチン3ヶ月→放射線→ハーセプチン(トータル1年)ですが、どうですか?と言われてもお願いしますしか言えなかったのですが、私の場合、先生ならどんな治療が考えられますか?
それと、アポクリン癌と言う特殊型の癌と言う事ですが、これは特に気にしなくても大丈夫ですか?
すみません、トリプルネガティブで不安になり先生にお聞きしたのに
HER2陽性になればなったで不安になり、組織型もホルモンもHER2も少数派にばかり行くので、また質問してしまいました。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT1c(18mm), pN0, HER2 type, NG2、アポクリン癌
「サブタイプが変わる事はあるのでしょうか?」
⇒珍しい事ですが…
 最初の「針生検の信頼性」の問題があります。
 ただ、一つ確実なことは、「間違って陰性とでることはあっても、間違って陽性とでることはない」ということです。
 しかも「手術標本全体での評価で陽性」であれば「そちらを信じるのが妥当」で
す。
 
「サブタイプは今後の補助治療の違いだけだと思ってても良いのでしょうか。」
⇒その通りです。
 抗HER2療法は現時点で「最も効果が有る治療」であることは間違いありませ
ん。
 再発率を「半分」にします。
 
「今後の治療予定ですが、来週木曜日からTC+ハーセプチン3ヶ月→放射線→ハーセプチン(トータル1年)ですが、どうですか?と言われてもお願いしますしか言えなかったのですが、私の場合、先生ならどんな治療が考えられますか?」
⇒全く、この通りです。
 
 
「それと、アポクリン癌と言う特殊型の癌と言う事ですが、これは特に気にしなくても大丈夫ですか?」
⇒「いい材料」であることは間違いありません。
 「予後良好」であり、更に「治療効果が期待できる」 
 治療のモチベーションを上げて、頑張りましょう。