[管理番号:620]
性別:女性
年齢:44歳
はじめまして。お忙しいところ恐れ入りますが、お答えいただければ幸いです。
先日、触診、マンモ、超音波の検査をしたところ、8ミリの腫瘍が見つかりました。触診、マンモは異常なしでした。
嚢胞ではなく、念のためにということで、針生検しました。形は楕円形のようでした。
家に帰り心配になり、いろいろ調べてみたところ、良性の楕円形の腫瘍は線維腺腫で、40代ではほとんど出来ない、とのこと。
ものすごく心配です。
40代で新たに出来る嚢胞以外の腫瘍は癌の可能性が高いですか?念のためにと言っていましたが、その言葉を信じていいのか、不安です。
超音波での診断は、どのくらいわかりますか?
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「超音波で8mmの楕円形の腫瘍」⇒(嚢胞ではないので)針生検
とても、いい診療です。
私がこのQandAをして初めて、このような「正しい診療」に出会った気がします。
とてもうれしいです。
皆さんが「きちんと針生検」を受けていれば、「様々な不運に合わずに済む」のです。
回答
「40代で新たに出来る嚢胞以外の腫瘍は癌の可能性が高いですか?」
⇒『本当に』40代で新たにできたものであれば、癌の可能性は高くなります。
ただし、問題なのはまさに『本当に新しくできたものなのか?』という点です。
(私が常日頃から言っている様に)超音波検査は「技術の差が大きく」驚くほど「見落としが多い」ことに注意が必要です。
勿論「明らかな癌の所見」の見落としは少ないとは思いますが(それでも時々目にします)「扁平な楕円形」であれば「過去に見落とされていた可能性」を十分に考えなくてはなりません。
○私も診療の中でしばしば「新しい所見」として「40代で線維腺腫を疑う楕円形腫瘍」を紹介され、全て針生検(殆どマンモトーム生検にしていますが)していますが、実際はどうかと言うと…
「扁平楕円形腫瘍」は線維腺腫のことが圧倒的に多いです。 私は「過去には見逃されていた」と解釈しています。
○楕円形ではなく、「円型に近い=縦横比が大きい=張りがある(と表現します)」となると、やはり癌の可能性が一気にあがります。
◎私の膨大な針生検の経験上、『扁平楕円形であれば(過去には見落とされていただけで)通常の「線維腺腫の可能性」が高い』と思います。
「超音波での診断は、どのくらいわかりますか?」
⇒かなり解ります。
○質問者が、どの位の頻度で「過去に超音波検査を受けていたか?」不明ではありますが、
担当医が「念のためと言っている」「楕円形」からは、「線維腺腫の可能性」の方が高いと思います。
質問者様から 【質問2 細胞診と針生検】
先日はお答えありがとうございました。
本日結果が出まして、問題なしと言われました。
しかし、針生検だと思っていた ( 麻酔をしたようだったので) 検査が細胞診でした。
半年後にまた受診するようにとのこと。
こちらの他の方の質問などを拝見して、細胞診の結果が不安になりました。
先生のところで、検査は可能ですか?
心配し過ぎでしょうか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「細胞診で、問題無し」というのは、どうしても「本当にそうなのか?」という問題を生じます。
回答
「先生のところで、検査は可能ですか?」
⇒是非、当院で検査(マンモトーム)してください。
マンモトームでの検査結果ならば「100%安心」できます。
「心配し過ぎでしょうか?」
⇒万が一を考えるのは重要なことです。
「楕円形」「主治医の反応」「細胞診」からは、「良性の可能性が高い」とは思いますが、40歳代以降での「新しい、しこり」には注意が必要なのです。
○良性を良性と診断することは、大事なことなのです。