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両側小葉がん、骨転移ありでステージ4.根治を行わず生存期間を延ばす方向でと言われました

[管理番号:8119]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳がん (小葉がん)
症状:

両側の乳房の脇に小豆くらいのしこりを複数見つけたため、乳腺で有名な開業医さんに受診したところ、マンモグラフィー、超音波で乳がんは考えにくいとのことでしたので、大学病院の皮膚科を紹介され、そこで生検したところ、乳がんの皮膚転位が考えられるとのことで、逆側も急生検してホルモン陽性、HER2陰性の小葉がんの診断でした。
PET、MRIを行い腰椎と骨盤への転位があり、ステージ4なので、根治は目指さず、
ホルモン療法と分子標的薬(イブランス)での治療が先月末から開始となりました。
その後、このページを知り、質問させていただきます。

転位は骨だけなのですが、手術はやはりすすめられないのでしょうか?
手術して、化学療法で骨のがんを治療するなど根治は難しいのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「乳腺で有名な開業医さんに受診したところ、マンモグラフィー、超音波で乳がんは考えにくいとのことでしたので、大学病院の皮膚科を紹介され、そこで生検したところ、乳がんの皮膚転位が考えられるとのことで、逆側も急生検してホルモン陽性、HER2陰性の小葉がんの診断」
→皮膚転移?なのかは不明ですが…

 結果として乳癌の診断ができなかったのですから、その「有名な開業医」さんにも困ったものですね。

「転位は骨だけなのですが、手術はやはりすすめられないのでしょうか?」
→骨転移のコントロールが得られていれば、(治療の一つとして)手術は選択しても問題ありません。

 ここでいう「骨転移のコントロール」とは…
 「優先順位」と言い変わることもできます。
 つまり、「腰椎と骨盤の骨転移」をまずは全身治療で改善させ、そののちに(局所治療である)「手術を選択する」ということです。(骨転移が極々軽微ならば、手術先行で構いませんが、複数個所なら「まずは全身療法」が優先されます)

「手術して、化学療法で骨のがんを治療するなど根治は難しいのでしょうか?」
→遠隔転移がある以上、いきなり根治を狙うということはできません。
 とは、いえ数パーセントは根治もあるので、まずは長期コントロールを狙うことです。(長期コントロールの先に、根治があるかもしれません)

 長期コントロールの手段の一つとして「局所治療である手術は重要」と思います。

 ★たとえば…
  抗がん剤(半年?)→骨転移のコントロール(画像上、縮小あるいは消失)→手術→ホルモン療法+分子標的薬