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ステージ3A 術後抗がん剤について

[管理番号:6091]
性別:女性
年齢:46歳
はじめまして。
2月(下旬)日に右胸全摘、自家組織での同時再建の手術をうけたものです。
今後、抗がん剤をやるかどうかで悩んでいます。
お忙しい中恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。
30代後半、人間ドックで何度かマンモグラフィーをうけ異常なし。
40歳の乳がん検診で触診で左胸が引っかかって、エコーをうけ良性のシコリでした。
その後も大きめのシコリが両胸に何個もでき、
43歳から乳腺科でマンモグラフィー、エコーをし、石灰化や嚢胞とのことで経過観察を続けてきました。
昨年11月の定期検診で、エコーで右胸に今までなかった新たなシコリがみつかりMRI.針生検後、1.5センチの硬ガンが発見されました。
その後、何も説明しようとしない主治医に不信感を抱き、転院しました。
新しい病院で、当初部分切除の予定でしたが前病院でのMR Iと、術前検査の為新たに行ったCTで広範囲にごく薄く映った場所(右胸)を、現在の主治医がマンモトーム生検をした所、今度は5センチくらいの小葉がんがみつかり、全摘手術となりました。
術前病理検査ではどちらもホルモン陽性。
ki値硬がんが10% 小葉がんが1%で、術前からホルモン療法を始めていました。
昨日術後の病理結果がでたところ、
この2つのガンは繋がっていて同じものであることが分かり、全体の大きさは8センチになりました。
センチネルリンパ節1つに転移1個(1ミリ)
グレード2
ki値15%
ホルモン受容体陽性
her2陰性
ステージ3Aになってしまいました。
長年検診を受けていたにもかかわらず早期に発見できなかったことを残念に思います。
また、術前検査よりki値がかなり上がったことと腫瘍の大きさにショックをうけています。
これからの治療は胸とリンパに放射線治療
ホルモン療法継続の予定です。
この結果での抗がん剤の上乗せ効果は5年生存率はごくわずか(パーセンテージを忘れてしましましたが2.3%?)10年生存率で6%
この数字をどう捉えるか、やるかやらないか考えてと主治医に言われました。
主治医は、医者の立場からいえば、助けられる人が100人中6人増えるのだからやる。
自分自身ならやらないかな。
との事でした。
これだけ腫瘍が大きいことはすでに微小転移している可能性も大きく、
抗がん剤に関係なく再発するのではと考えてしまいます。
私としては抗がん剤はやらず、ホルモン治療をしながら転移再発までの時間を大切に過ごそうと考え中ですが、
田澤先生のご意見を聞いてみたく質問いたしました。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
小葉癌で(画像で捉えられない)拡がりが大きい事は「しばしばあること」であり、
それと「誰が見ても、ごろっとした8cmのしこり」とは同一視する必要は全くありません。
「これだけ腫瘍が大きいことはすでに微小転移している可能性も大きく、抗がん剤に関係なく再発するのでは」
⇒考え過ぎです。(冒頭のコメント)
「私としては抗がん剤はやらず、ホルモン治療をしながら転移再発までの時間を大切に過ごそうと考え中ですが、田澤先生のご意見を聞いてみたく」
⇒物事はシンプルに…
 Ki67=15%は明らかに「low risk」です。
 だからホルモン療法単独でいいのです。(抗癌剤による上乗せは殆どない」でしょう。
★おそらく(質問者が悲観的に考えている程)再発率は高くはありません。
 OncotypeDXすれば安心されることでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2 ステージ3A術後抗がん剤について】

性別:女性
年齢:46歳
先日はお忙しい中、早々にご返答いただきありがとうございました。
田澤先生のご返答の内容をうけ、かなり気持ちが落ち着きました。
腫瘍について補足した上で、今一度質問させて下さい。
先生のご回答で、小葉がんの拡がりの8センチと、ゴロッとしたシコリの8センチとは同一視する必要はないということでしたが、
当初見つかった私の2つめ(と思われていた)のガンは3年前から経過観察していたシコリのうちの一つであり、
1年前の検診から比べてここ数ヶ月で大きくなったなと感じていたシコリです。
感覚としてはゴロッとゴルフボールより少し小さめくらいです。
その事を昨年11月の検診で当時の主治医に話すと、嚢胞です。
問題なし。
と相手にされませんでした。
転院後、今の主治医も最初はエコーの画像から良性であろうと思っていたようです。
針生検でグレー、マンモトーム生検でやっと小葉ガンと診断がでました。
質問1
この経緯から私の小葉ガンは先生の言うゴロッとしたシコリを形成していましたが、この事を考慮した上でも、抗ガン剤は不要という認識でよろしいのでしょうか?
また、シコリを形成していた方が拡がりが大きい場合より予後が悪い可能性は大きいのでしょうか?
質問2
術後病理結果で、ひとつの大きなガンに硬ガンと小葉がんが混在していたわけですが、この様なことはよくあるのでしょうか?
素人目からするとよく理解できません。
また、術後病理結果のki値15%という値は、
術前生検で出た10%の場所も、1%の場所もあり、8センチの腫瘍の平均値と理解してよろしいのでしょうか?
質問3
ルミナルAの場合でも、リンパに転移が4つ以上の場合、抗がん剤を追加
することがあるようですが、
私の場合、センチネル1本しか取っておらず
リンパ郭清はしていません。
センチネルリンパに1ミリの微小転移があったのですが
この場合は、リンパ転移1つと考えてよいのですか?
度々の質問でお時間をいただき、すいませんがご回答、よろしくお願いいたします。
自分の腫瘍を理解したら、後は治療に効果があると信じて一つ一つ、やっていくつもりです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「この経緯から私の小葉ガンは先生の言うゴロッとしたシコリを形成していましたが、この事を考慮した上でも、抗ガン剤は不要という認識でよろしいのでしょうか?」
⇒「ごろっとしたシコリ」以前の問題です。
 腫瘍の大きさと抗癌剤(術後治療)とは無関係です。
 物事はシンプルに考えましょう。(術後治療はサブタイプとのみ関係するのです)
「また、シコリを形成していた方が拡がりが大きい場合より予後が悪い可能性は大きいのでしょうか?」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
 私が言っているのは、「誰が見ても、ごろっとした8cmのしこり」の場合と(手術してみたら)「顕微鏡的には意外と広かった」では同一ではないということです。
「この様なことはよくあるのでしょうか? 」
⇒珍しくはありません。
「8センチの腫瘍の平均値と理解してよろしいのでしょうか?」
⇒病理医が、病変全体で「代表的な部位で判断した」ということです。
 病理医を信用しましょう。
「センチネルリンパに1ミリの微小転移があったのですがこの場合は、リンパ転移1つと考えてよいのですか?」
⇒規約上はリンパ節転移1個にカウントされますが、予後には影響しない(実質リンパ節転移無しという事)です。