[管理番号:505]
性別:女性
年齢:40歳
質問させて下さい。宜しくお願いします。
ステージ2bとは、どちらかといえば2aよりも3aの方に状況が近いように思うので
すが、田澤先生はどうお考えでしょうか。(リンパ節転移が3つだと2b、4つだと3aに
なるのでしょうか)
先生のご回答を見ると、「2aは十分根治を狙える」というコメントを多く見ます
が、やはり2bから再発率が割と上がるのでしょうか。
ステージ2のおよその生存率を見ると、10年生存率が80%くらいかと思うのですが、これは2aとの平均なので、同じステージでも2aは85%、2bは75%くらいの差があるのではないでしょうか。
また、実際に2bの再発率はどれ位なものなのでしょうか。
「リンパ節転移があった」という事は、ある程度の覚悟をして生きていくべきなの
でしょうか。
また、充実腺管癌とはどのような特徴を持っているのですか。
転移しやすいタイプなのでしょか。
すみませんが、お返事どうぞ宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ステージを気にされる方は多いと思います。
それでは状況確認の上、回答します。
状況確認
ステージ2BということはpT2(2cm<浸潤径≦5cm), pN1(リンパ節転移1~3個)か、 pT3(5cm<浸潤径), pN0(リンパ節転移無)のどちらかですが、質問者は「リンパ節転移が3つだと2b、4つだと3aになるのでしょうか」とのコメントより前者(pT2, pN1)なのだと思います。
回答
「ステージ2bとは、どちらかといえば2aよりも3aの方に状況が近いように思うのです
が、田澤先生はどうお考えでしょうか」
⇒一概にそうとは言えません。
ステージ3Aにはかなりの幅があるのです。
(リンパ節転移4~9個であれば)腫瘍の大きさに「大きな幅」があります。
つまりpT1~pT3「つまり腫瘍の大きさが10cmでも15cmでも(皮膚や胸壁浸潤が無けれ
ば)」でも、全てステージ3Aとなります。
↓
実際に「腫瘍径(浸潤径)が10cmでリンパ節転移9個」でもステージ3Aだし、
「腫瘍径2cm、リンパ節転移4個」でも同じステージ3Aとなるのです。
すれに比べるとステージ2BはpT2, pN1(もしくはpT3, pN0)という「手術するにし
ろ、薬物療法するにしろ」臨床的には殆どステージ2A(pT2, pN0)と殆ど変りませ
ん。
そういう意味ではステージ2Bはステージ2Aの方に近いと思います。
♯ステージ3Aの幅が広すぎ、「軽いものからシビアなものまで含まれてしまいま
す」
「リンパ節転移が3つだと2b、4つだと3aになるのでしょうか」
⇒pT2であれば、そうなります。(前述の通り)
「実際に2bの再発率はどれ位なものなのでしょうか。」
⇒ステージ2を2Aと2Bに分けてのデータは無いと思います。
10%もの差は無いと思います。(私の感覚では)
『「リンパ節転移があった」という事は、ある程度の覚悟をして生きていくべきなの
でしょうか。』
⇒そんなことはありません。
リンパ節転移は「あくまでも、局所」であり、手術及び放射線で制御できるのです。
(サブタイプに合った)全身療法で「血行性転移」に対して「しっかりとした治療」
をする事が大事です。
「充実腺管癌とはどのような特徴を持っているのですか。転移しやすいタイプなので
しょか。」
⇒比較的、増殖の強いタイプ(Ki67が高い)ものが多いとは思います。(勿論例外も
あります)
トリプルネガティブやHER2タイプなども多いです。
「転移し易い」とのデータはありません。
「組織型」はあくまでも「形態分類」であり、それ自体を気にする必要はありませ
ん。