[管理番号:451]
性別:女性
年齢:45歳
5年前にたまたまエコーでみつかった7ミリほどのしこりを、毎年乳腺外科でフォローしていただいております。
そろそろ前回から一年経つので、定期健診に行きました。
相変わらず、同じ大きさのしこりはエコーで見つかります。
マンモでは、毎回異常なしです。
先生は、また一年後でいいでしょう、とおっしゃられたのですが、しこりの周りにちょっと血流があるねえ(しこりの中にはない)・・・という先生の一言がひっかかり、しこりの状態も、綺麗な楕円の形かというと、ちょっといびつな気もするが・・・と毎年おっしゃっていたこともあり、こちらからお願いして精密検査をしてもらうことになりました。
後日、MRI検査と組織診をしてくださることになったのですが、5年ほど経っても大きさが変わらない癌という可能性もあるのでしょうか。
ちなみに、3年前に主人の赴任先の中国で検診した時に、同じ個所のしこりをしらべるため、造影MRIをしたことがあります。
異常なしでした。
自分から検査をお願いしときながら、急に不安になってしまって、ご質問させていただきます。
ご多用の中、大変恐縮ですが、よろしくおねがいいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「5年前から経過をみている7mmのしこり」ですね。
回答
「MRI検査と組織診をしてくださることになったのですが、5年ほど経っても大きさが変わらない癌という可能性もあるのでしょうか。」
⇒そもそも診断にMRIは不要と思いますが…
5年間も(組織診もせずに)経過をみていて「今更、実は癌でした」と言う事は許されるべきものではありません。
さすがに、「癌ではない」でしょう。
質問者様から 【質問2 MRIが苦手】
きっと私達の想像を遥かに超えた忙しさの中、迅速なお返事に、ただただ、頭が下がります。
5年間、大きさも変わっていないからということで、経過観察中だったのですが、しこり周りに血流があるという先生の言葉が気になり、自ら組織診をお願いいたしました。
そしたらついでにMRIもやっておきましょうと言われ、私は極度の閉所恐怖症のため、MRIを躊躇していると、針生検の後に、やっぱり癌がみつかり、MRIを撮ることになると、胸に針を刺した後の炎症で正確に撮れないから、組織診の前にMRIはするべきだということでした。
でも、田澤先生のお話で、MRIは確定診断に不要ということを知り、とってもとっても嫌なMRIを、閉所恐怖症だという理由でお断りしたいなあ、と思っておりますが、もし、悪性となった場合、針生検を行う前と後で、MRIの画像に違いは出てくるものでしょうか。
先生のおっしゃるとおり、5年間も組織診断もせずに今さらなのすが、形がとっても綺麗な楕円でないことと、しこりの周りに血流があることが気になり、この度の精密検査になりました。
自ら精密検査をお願いしときながら、不安で仕方なく、最悪なことばかり考えてしまっています。
先生も、ご多忙極まりないと思いますので、くれぐれもご自愛頂いて、いつまでも迷える女性の光であってくださいませ。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
正直、私は「診断目的でMRIを取る事は無い」ので担当医の「胸に針を刺した後の炎症で正確に撮れないから、組織診の前にMRIはするべきだ」というコメントには全く同意できません。
回答
「悪性となった場合、針生検を行う前と後で、MRIの画像に違いは出てくるものでしょうか。」
⇒そんなことはありません。
実際に私は、「針生検後、乳がんと確定してから」MRIを撮影していますが、全く問題はありません。
◎針生検前にMRIを撮るなんて考えたこともありません。
◎担当医が「変化が無いから、癌ではない」と判断して経過観察を選択しておきながら、今更『針生検をしたら癌がみつかるかもしれない』と言うようなコメントをしているのが理解できません。
もしも「癌の可能性」があるのであれば、「患者さんに指摘される前に」自ら「組織診」をするべきです。
★『患者さんに言われて、針生検をしてみたら癌だった』などと言う事では、とても信頼できる乳腺外科医とは言えません。