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3、3のしこり

[管理番号:1957]
性別:女性
年齢:58歳
初めてご相談させて頂きます。宜しくお願い致します。
12月○日針生検を受けて○○日に結果が出るのですが3.3cmのしこりでおおよそ癌であると告げられました。
今後の予定で1月○○曰に
子供が海外で結婚式を上げるのに参列したいのですが
先生は後2ヶ月弱放ったらかして置くのはどうか?
先に手術を受けるのであれば
12月は手術が一杯だが何とか手配するし
帰ってからの手術を希望するのであれば
抗がん治療を受ける方が良いが髪が無くなりますよと・・・
どちらにするかを来週の結果を聞きに行く迄に決めなければなりませんが
術後1ヶ月程で1週間の旅行は大丈夫なのか?
抗がん治療中で体調が持つのか心配です。
田澤先生のご意見をお伺いしたくお邪魔しました。
何分昨日の事ですので文章が支離滅裂ですが
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私も度々経験しますが、最初は「用事があるから、その日程はどうも…」と言っていても、少し考えて「やっぱり早めにやってしまいたい」と(本人も周りも)思う様になります。
「12月に手術ができる」のであれば、手術した方がいいでしょう。
○手術後1カ月の旅行? 全く問題ありません。術後1週間でも可能です。
「手術先行」⇒「海外での参列」⇒「術後の治療」
どう考えても、これしかありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生お世話になります宜しくお願い致します。
先日No1957で質問させて頂いた者です。
その節は大変お世話になり有難うございました。
お礼で質問の枠を取るのはと思い今日まで言えず
遅くなり申し訳ございません。
田澤先生の「どう考えてもこれしかありません」との力強いお返事を頂き、
直ぐに手続きをして年末に全摘をし無事に参列する事が出来ました。
本当にありがとうございました。
 
 
今回は術後の治療についてお伺いさせて頂きたく
お邪魔しました。
宜しくお願い致します。
術後の結果は
硬癌 22mm
リンパ節 0個
核グレード 3/3
Ki67 60%
ER +
PR +
ハーツタンパク ー でした。
これからの治療として主治医から、私の場合これでも早期発見だったのだが進行の早い?育ちの早い癌で大きくなるのが早いそうです。
手術直後、抗がん治療は必要ないとの事でしたが核グレードとki67が高くもう少し低ければ抗がん治療はしなくても良かったのだが顔つきの悪い癌なのでする方がいいとの事でした
まず3週間毎に4回アンスラサイクリン系
+5FUと+シクロフォスファミド
その後、毎週1回×12回 タキソール
終了後ホルモン療法(飲み薬)との事でした。
治療が辛ければ途中で中止も可と言われました
出来るだけ辛抱して頑張る方が宜しいでしょうか?
田澤先生なら私の結果で抗がん治療を必要だと判断されますでしょうか?
この方法が最適なのでしょうか?
お忙しい中を申し訳ございませんが宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
無事に手術をして、参列できたという事。
大変良かったです。
pT2(22mm), pN0, luminalB, NG3ですね。
「核グレードとki67が高くもう少し低ければ抗がん治療はしなくても良かったのだが顔つきの悪い癌なのでする方がいい」
⇒「顔つきが悪い」という表現も何ですが…
 Ki67=60%だから「luminal B」となります。
 これは基準としては(ホルモン療法に)「抗がん剤を上乗せするべき」基準にあてはまります。(下記「サブタイプとは」の中の「luminalB」を参照してください。)
 
 と、いうことで私も(担当医同様)「化学療法の追加」を推奨します。
 
 ◎サブタイプとは?
  組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
   エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
     ●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
       ♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、★luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い★
     ● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
     ●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
     ● トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
 
「まず3週間毎に4回アンスラサイクリン系+5FUと+シクロフォスファミドその後、毎週1回×12回 タキソール終了後ホルモン療法(飲み薬)との事でした。」
⇒このレジメンは「アンスラサイクリン+タキサン」であり、「最強の治療」と言えます。
 ただし、質問者はあくまでも「ルミナールタイプでしかもリンパ節転移無」なのだから、私であれば「TC療法」をお勧めします。
 
「出来るだけ辛抱して頑張る方が宜しいでしょうか?田澤先生なら私の結果で抗がん治療を必要だと判断されますでしょうか?」
⇒抗がん剤の適応である以上、推奨します。
 
「この方法が最適なのでしょうか?」
⇒但し「TC療法」」とします