[管理番号:8136]
性別:女性
年齢:28歳
病名:
症状:
宜しくお願い致します。
◯今年2月に検診で線維腺腫を指摘
カテゴリー2
◯8月に再度エコー→変化なし
大きさは5ミリ 血流なし
境界明瞭
医師には生検はしなくていいと言われました。
こんなんで生検していたらキリがないと。
ネットでは線維腺腫が実は癌だったなど、
生検しないと100%癌でないと否定出来ないとか書いてあり自分は画像診断だけだしと、不安になってきました。
ネットで書かれていたことを一部抜き取りました。
その方は私と同じく画像上、線維腺腫と言われた方でその方に寄せられていた第3者の素人意見です。
『医師が診ての診断はそもそも100%はないんですよ
「明らかに良性」と言うのも 100%ではありません
もし100%大丈夫と言う医師がいても信じない方が良いですよ
それで命を落としても その医師は責任取ってくれませんから。
◯私は、最初「良性」言われ、経過観察になったのですが、
経過観察せず1年くらい経ってしまい、
「なんとなく大きくなってきたみたい」と思って病院に行くと、「気になるようでしたら切除しましょうか?」と言うことになり、日帰り手術しました。
(線維腺腫のつもりでした。)
で、切ってみると、癌でした。
急きょ、乳がんとしての手術と治療が始まりました。
最初に日帰りで切り取ったのは
直径2cmくらい有りましたが、私の癌はクセが良くて転移しにくいタイプだったので良かったのですが、これがクセが悪くて転移しやすいタイプなのだったら、1年間も放置していたらもうダメですよねえ。』
と、画像上の診断に対する忠告?
みたいな感じでした。
田澤先生なら色々な患者さんを知っているから分かるかなと思い質問しました。
画像上、良性の場合でも必ず生検をしなくてはいけないのでしょうか?しなくてはいけないというより、やはり生検しないと確定診断ではないのでしょうか?
先生のとこへ来た方で画像上、線維腺腫で生検しなかった方っていますか?
セカンドオピニオンもしていてやはり線維腺腫だったので(そちらの医師にも生検しなくてよいと言われました。)大丈夫だとは思いますが
プラザを見ていると線維腺腫が最初から誤診で実は癌だったという方のを読んで自分は大丈夫なのか?と不安になってきました。
アドバイス頂けたら幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
画像所見は大きく分けて「しこり(腫瘤)」と「腫瘤非形成性病変」に分けられます。
腫瘤非形成性病変である「乳腺症」に対しては「本当に乳腺症?(癌でないの?)」というQに対して回答してきました。(今週のコラム212を参照ください)
今週のコラム 212回目 「良性を良性と診断するためにMMTEを積極的に用いることでのみ 乳腺症を「100%癌ではないと断言できる」ようになるのです。
今回は、「本当に癌でないの?(しこりver.)」とも言えます。
乳腺症が以下のように分類されるように
(以下、抜粋)
1.100%癌ではないと断言できる。
2.良性の可能性が高いが「癌ではない」とは言い切れない (これが、「乳腺症だと思うけど、経過観察」と言われるケース)
3.癌との鑑別が難しい(癌の可能性もありそう)
★★(画像所見の)線維腺腫にも
1.癌との鑑別が不要(100%線維腺腫と断言できる) 「生検も定期健診も不要」
2.線維腺腫の可能性が高いが癌の可能性も少しはある。 「生検するか、経過観察どちらかが必要」
3.(線維腺腫と思うが)癌の可能性もある。 「是非、生検したほうがよい」
と区別できます。
質問者は「カテゴリー2」「再度エコー→変化なし」「大きさは5ミリ 血流なし境界明瞭」「医師には生検はしなくていい」
→1に近い2のようです。
「画像上、良性の場合でも必ず生検をしなくてはいけないのでしょうか?」
→上記★★参照
上記1の場合には生検(も経過観察も)不要です。
「やはり生検しないと確定診断ではないのでしょうか?」
→1の場合には生検は不要(2,3の場合には、「生検しないと確定診断ではない」と言えます)
「先生のとこへ来た方で画像上、線維腺腫で生検しなかった方っていますか?」
→1のケースは沢山いらっしゃいます。(患者さん本人が強い希望でない限り生検しません)
私の場合には(3は勿論)2でも基本的に生検勧めます。(良性を経過観察するのが嫌いだから)