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再発乳がんの今後が心配です

[管理番号:3083]
性別:女性
年齢:54歳
こんにちは
初めてメールをさせていただきます。
いつもQ&Aを拝見させていただいております。
親身になって回答してくださっている先生に頭の下がる思いです。
4月(中旬)日、右乳房を全摘いたしました。
再発乳がんでした、
腫瘍の大きさは1.0×0.8×0.7センチメートルでした。
実はこの乳がんは昨年6月にしこりとして発見されていましたが
主治医はいまやっても何も出ないとその時は細胞診を行いませんでした。
三ヶ月後にまた見ましょう、と。
その後痛みを感じ、二ヶ月後の8月に同じクリニックの別の医師の診察を受けました。
その医師は心配ないと言い、次回は12月に来るように、と言うので、その通り12月に行くと、最初1.0×0.8で見つかっていたものが0.5センチ厚みが出てきている、と。
細胞診の予約をしましたが、行えたのは一ヶ月先でした。
結果は疑陽性。
医師は局所麻酔で患部をくりぬくと言い、2月(中旬)日に一泊入院で手術を受けました。
その結果結局ガンで、4月(中旬)日に全摘手術を受けたのです。
1度めのガンは7年前でした。
ホルモンの感受性が高く、悪性度も1と低かったため、ゾラデックスを月に一度ずつ2年間行いました。
her2は2プラスでしたがfish法はしませんでした。
その後わたしの希望により、ノルバデックスを半年服用しましたが、ノルバデックスを飲み始めてから不正出血等の症状があり、
しかし医師もわたしのホルモンの値の高さから、もうしばらくホルモン剤を続けたほうがいいとの判断から、再びゾラデックスの注射を打ち始めましたが、
その矢先脳梗塞を患いました。
ショックで立ち直れないくらい落ち込みました。
それでもしばらく半年間ぐらいゾラデックスを続けましたが、脳梗塞のショックからの鬱のような症状が続き、ゾラデックスは終了にしてもらいました。
再発した乳がんの病理検査結果
・浸潤性乳管ガン 乳頭腺管ガン
・腫瘍の大きさ 1.0×0.8×0.7センチメートル
・リンパ節は医師の判断で転移なしとされ、この度は切除していません。
でも今回の画像上は緩やかに腫れているがこれは手を動かしたりする日常の動きによる、と医師は言っていました。
そんなことで腫れるのでしょうか?
・腫瘍の悪性度2
・ER陰性0%
・PgR陰性0%
・her2 3プラス
・脈管の侵襲なし 血管なし
わたしとしては今回リンパを1つもとらずに転移なしとしているのが気になります。
大丈夫でしょうか?
腫瘍が割と小さくても再発乳がんなのだから完治は見込めないのでは。
もっと早く治療ができたのでは。
6月(上旬)日から治療が始まります。
TC療法×4サイクル+ハーセプチン×17サイクルです。
TCは辛いのでしょうか?
医師は副作用が辛ければ、TCではなく、Tだけとハーセプチンだけでもいいと言いました。
副作用はかなり楽なのでしょうか?
でもその場合、再発の可能性は高まりますか?どの程度違うのでしょうか?
再発の場合ステージなどもないのでしょうか?言われていません。
今後のわたしの人生は一体どうなるのか。
また乳がん が出るのではないかと心配で心配でたまりません。
いくら治療してもダメなのではないかと落ち込んでいる毎日です。
もう手遅れなんじゃないかと思ったりしています。
あと、臓器への転移はありませんでした。
先生のご見解をお聞かせいただけたら幸いです。
お忙しいところ申し訳有りませんがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
温存術後7年での「局所再発」ですね。
それにしても「半年以上も前から」ある腫瘍を「当然、局所再発を疑うべき」なのに「細胞診もしない」
「いまやっても何も出ない」
⇒たとえ「非蝕知の3mm程度でも細胞診できる」というのに、全く情けない限りです。
 しかも、結局細胞診をしても「偽陽性しか出せない」
 こんな診療をしていては、「早期発見など、夢のまた夢」となってしまいます。
 本当に「その程度の診療でいいのか?」担当医には猛省を願います。
 
「再発乳がんでした、腫瘍の大きさは1.0×0.8×0.7センチメートル」
⇒ここで重要なのは、再発といっても「局所再発」というだけだということです。
 「その他の臓器に転移はなかった」ことでも「手術時に残っていた癌細胞が7年かけて増殖」しただけであり、「遠隔転移再発とは全く意味合いが異なり」ます。
 
「her2は2プラスでしたがfish法はしませんでした。」
⇒本来行うべきでした。
 ハーセプチンの術後補助用法は8年前(2008/2月)に適応承認されています。
 7年前であれば「浸潤径が5mm以上であれば」当然「抗HER2療法すべきだった」のです。
 ○再発腫瘍がHER2 3+からは「FISH陽性だった」可能性が高いと思います。
 
「今回の画像上は緩やかに腫れているがこれは手を動かしたりする日常の動きによる、と医師は言っていました。そんなことで腫れるのでしょうか?」
⇒「反応性腫大」といいます。
 画像所見次第ですが…
 その可能性はあります。
 
「今回リンパを1つもとらずに転移なしとしているのが気になります。大丈夫でしょうか?」
⇒初回手術時に「センチネルリンパ節生検や腋窩郭清」していますよね?
 それであれば、「単なる局所再発(乳房内再発)」として「乳房切除で大丈夫」です。(画像所見でリンパ節転移が疑われない限り)
 
「腫瘍が割と小さくても再発乳がんなのだから完治は見込めないのでは。」
⇒勘違いされています。
 あくまでも「局所再発(温存乳房内再発)」です。
 ○遠隔転移再発とは「明確に区別」が必要です。
 
「もっと早く治療ができたのでは。」
⇒まさにその通りです。
 担当医の猛省を願います。
 
「TC療法×4サイクル+ハーセプチン×17サイクルです。」
⇒通常、「温存乳房内再発だけ」であれば「術後全身補助療法が必要なのか?」と考えるところですが…
 この場合には「初回、(本来行われるべきであったと思われる)抗HER2療法がなさ れなかった」ことや、「抗HER2療法そのものの信頼性」から、私も賛成します。
 
「TCは辛いのでしょうか?」
⇒勿論個人差はありますが…
 きつくて「できない」というものではありません。(標準治療ですから)
 
「医師は副作用が辛ければ、TCではなく、Tだけとハーセプチンだけでもいい」
⇒weeklyPTX+HERでもいいでしょう。
 
「副作用はかなり楽なのでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「でもその場合、再発の可能性は高まりますか?どの程度違うのでしょうか?」
⇒直接比較などありません。
 
「再発の場合ステージ などもないのでしょうか?言われていません。」
⇒局所再発(温存乳房内再発)です。 ステージ4ではありません。
 
「今後のわたしの人生は一体どうなるのか。また乳がんが出るのではないかと心配で心配でたまりません。いくら治療してもダメなのではないかと落ち込んでいる毎日です。もう手遅れなんじゃないかと思ったりしています。」
⇒遠隔転移再発ではありません。
 単なる「温存乳房内再発」です。
 ○初回手術時(7年前)に温存手術をする際に担当医から「もしも乳房内再発しても、それを摘出すれば、最初から全摘したのと全く同じ」と聞いた覚えがないのですか?
 全く問題ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
こんなにも早く回答して下さいまして本当に本当にありがとうございます。
感激いたしました。
わたしは来週には一回目のTC療法を控えているため、急ぎ再度質問させていただきますことをお許しください。
リンパに転移があるかどうか他病院で確かめるべきでしょうか?
もし転移がありそうなら抗がん剤治療をのばしてでも手術してもらうべきでしょうか?
わたしは脳梗塞のためワーファリンを飲んでおります。
4月の手術時もヘパリンの点滴をしての手術でかなり大変でした。
その時取って見て欲しかったです。
もし残っていても抗がん剤でやっつけることは可能でしょうか?
何度も大丈夫でしょうか?と確認し、大丈夫と言っていましたが、猛省すべき医師であるようですので全部疑ってしまいます。
三月上旬に行った腫瘍マーカーの値はCEAが0.5以下、CA15-3が5.9(たしか)。
それを以ってしてリンパ節転移なしと判断できますでしょうか?
それからステージですが遠隔転移ならステージ4、
しかし局所再発だから心配いらないと解釈してよろしいでしょうか?
わたしは今後どうするのがベストなのか先生のご助言をお聞かせください。
お忙しいところ申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
いたってシンプルな話です。
ワーファリン内服していても私は一切「抗凝固薬の休薬」はしません。
手術時に出血させないように手術をすればいいだけの話です。
「リンパに転移があるかどうか他病院で確かめるべきでしょうか?
もし転移がありそうなら抗がん剤治療をのばしてでも手術してもらうべきでしょうか?」
⇒たぶん、今回の「局所再発」時に「PET」撮影していますよね?(もし撮影していないなら、この場合にはしてもいいと思います)
 PETで全くの陰性であれば(超音波でも疑われない限り)追加で切除する必要はないと思います。(純粋な「乳房内再発」であれば、リンパ節は本来無関係だからです)
 
「もし残っていても抗がん剤でやっつけることは可能でしょうか?」
⇒その可能性はありますが(抗HER2療法は強力だから)
 ただし、(術前抗がん剤の際も同様ですが)「抗ガン剤では一見死滅してしまった様に見えても生き残っている癌細胞がありえる」ので、(もしもリンパ節転移があれば)摘出すべきです。
 
「三月上旬に行った腫瘍マーカーの値はCEAが0.5以下、CA15-3が5.9(たしか)。」
「それを以ってしてリンパ節転移なしと判断できますでしょうか?」
⇒無関係です。
 (画像で明らかでない程度のリンパ節転移があったとしても)腫瘍マーカーには決して反映されません(余程、全身のリンパ節にゴロゴロと転移が無い限り腫瘍マーカーは上がりません)
 
「それからステージですが遠隔転移ならステージ4、しかし局所再発だから心配いらないと解釈してよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
 ステージは「7年前と全く同じ」です。
 
「わたしは今後どうするのがベストなのか先生のご助言をお聞かせください。」
⇒PETを撮影して「腋窩リンパ節に取り込みがない」のであれば「抗HER2療法」でいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生本当にありがとうございます。
そして、度重なる質問をどうぞお許しください。
局所再発の際、PETは行っていません。
レントゲン画像だけの判断です。
とても心配になってきました。
しかしわたしは一回目の手術後、放射線を25回受けましたが、その後から白血球が低めです。
2500から3000の間くらいです。
PETをしたとしたら、抗がん剤はPETの後になりますよね?
どのくらい伸ばしてもいいものでしょうか?
PETの被曝のあとの抗ガン剤の骨髄抑制は大丈夫でしょうか?
何度と何度も本当にすみません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「しかしわたしは一回目の手術後、放射線を25回受けましたが、その後から白血球が低めです。2500から3000の間くらいです。」「PETの被曝のあとの抗ガン剤の骨髄抑制は大丈夫でしょうか?」
⇒全く問題ありません。
 第1に「PETの被爆」で白血球(正確には骨髄ですが)は影響を受けません。
 第2に抗ガン剤による「骨髄抑制」も、其の程度(白血球が2500~3000)であれば
全く気になりません。(もともと2200位の人だと、weekly PTXなどにしますが…
 ♯weeklyPTXであれば、殆ど骨髄抑制はありません)
 
「PETをしたとしたら、抗がん剤はPETの後になりますよね?どのくらい伸ばしてもいいものでしょうか?」
⇒抗HER2療法をする意義について考えてみてください。
 今回はあくまでも「温存乳房内再発」であって、「治療は(乳房全摘したことで)終了」しています。
 単に「初回の手術時に抗HER2療法すべきだった」ということもあり、せっかくの(優れた治療である)「抗HER2療法を行うチャンスだから」という理由です。
 
 ○全く急ぐ必要はありません。
 「抗HER2療法の開始」は3カ月後でも半年後でもいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

以前、右乳房の局所再発で手術の際、リンパ節転移有り無しを画像のみにて判断されたことについて質問させていただいた者です。
その節は本当にありがとうございました。
その後も毎日Q&Aを拝見しております。
よろしくお願いします。
あの後病院にPETをして、とお願いしましたが画像上全く問題ないし、
あってもだからそのために抗がん剤をするのだからと言ってしてもらえず、他クリニックも受診してみたのですが、やはりエコーで問題無しなのでしてもらえず、そのほかPETのある病院にやってもらえないかと問い合わせましたがそれも無理でした。
結局PETで陰性だと確認せずに、超音波での疑いはないのだからと自分に言い聞かせてTC療法を受けました。
同時にハーセプチンも行なっておりまして、それは今年の五月くらいまでです。
わたしの病院ももう一つ行ったクリニックもエコーは残念ながら技師さんです。
わたしの周りに田澤先生のような責任を持ってみてくださる先生はいないように思います。
2月中旬に術後一年の検診をするそうです。
全摘は四月でしたが、腫瘍をくりぬいた二月を手術した日としたそうです。
担当医にその際にPETをしてもらえないかと伺ったところ、普通はCTだけどもどうしても希望ならしますか、とのことです。
受けてみたほうがいいでしょうか?
今更PETをしても、リンパの本当の姿はわからないかもしれないし、無意味でしょうか?
以前のメールを読み返してみて書き忘れていたことがありました。
わたしの初回の癌はホルモン陽性で、HER2の値が2(FISHせず)、アポクリン癌です。
1センチでステージは1、センチネルリンパは一つ取り、転移無しでした。
腋下郭清はしていません。
しかし今回の再発の癌は、ホルモンは全く反応なしでHER2タイプで、
アポクリン癌でもないようです。
全く違う変わった癌なんだよなぁと言っていました。
これは新しい癌なのでしょうか?
それとも先生がおっしゃっていた、癌の取り残しが育ったものなのでしょうか?
ホルモンとHER2が混ざった癌で、ホルモン剤によってホルモン部分は
良くなり、結果HER2が残ったとシンプルに考えることはできますか?
新しいものと昔の取り残しでは予後が違いますか?
それから、ハーセプチンは私は17回と言われていますが、ここの質問者の方々は18回と書いている方が多いように思います。
17回で大丈夫でしょうか?
2月の一年検診が本当に怖いです。
抗がん剤をして以来コレステロールが下がっています。
いつも善玉も高く(90~100)、総コレステロールも250くらいあったのですが、どちらもすんなりと基準値内に収まっています。
抗がん剤はコレステロールを下げますか?
最近よく口唇ヘルペスができます。
ハーセプチンの影響ということはありますか?
長くなりました本当にすみません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「これは新しい癌なのでしょうか?」
「それとも先生がおっしゃっていた、癌の取り残しが育ったものなのでしょうか?」

⇒取り残しです。
「ホルモンとHER2が混ざった癌で、ホルモン剤によってホルモン部分は良くなり、結果HER2が残ったとシンプルに考えることはできますか?」
⇒その通りです。
 担当医にも、それくらいの想像力が働くといいのですが…
「新しいものと昔の取り残しでは予後が違いますか?」
⇒変わりません。
「それから、ハーセプチンは私は17回と言われていますが、ここの質問者の方々は18回と書いている方が多いように思います。17回で大丈夫でしょうか?」
⇒ハーセプチンは1年が標準です。
 17回もしくは18回となります。 
 21x17=357
 21x18=378
 1年=365日なので17の方が(18より)近いですが、どちらでも構いません。
 
「抗がん剤はコレステロールを下げますか?」
⇒直接の影響ではなく、食生活の変化などでしょう。
「最近よく口唇ヘルペスができます。ハーセプチンの影響ということはありますか?」
⇒違います。
 ストレスでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生
先日はお忙しい中回答してくださいまして、本当にありがとうございました。
心から感謝しております。
今日はお願いがあってメールしました。
一度わたしを診察していただけますでしょうか。
PETなどをするよりも何よりも、先生に診ていただくことが何より安心できることだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お忙しいので難しいかもしれませんが、3月中で予約させていただくことは可能ですか。
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
事情は了解しました。
秘書メールから予約するといいでしょう(水曜日の予約外受診はお勧めしません)

秘書室へメールは、
各ページの右上にある 「秘書室へメール」からご相談ください。
もしくは、こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生、先日は診察していただきまして本当にありがとうございました。
一年前に局所再発のため全摘し、リンパに転移がないのかが本当に気がかりでした。
悶々とした中で田澤先生の診察が一番自分を安心させてくれると思い、はるばる伺いました。
「全く問題ありません。」
先生がそのようにおっしゃってくださって本当に心から安心いたしました。
行ってよかった!!本当にそう思います。
帰りは娘と2人、小岩の街を歩き幸せな安心感でいっぱいでした。
浅草やスカイツリーを見物し、次の日成田空港から帰路につきました。
江戸川病院の診察券はお守りです。
本当にありがとうございました。
心から感謝しています。
今日メールを書かせていただきましたのは、診察時に質問しなかったことをお聞きしたいと思ったからです。
診察時には少し緊張してしまい、今になってあれも聞けばよかったこれも聞けばよかったと思っています。
またお時間をとっていただくことを申し訳なく思います。
すみません。
どうぞよろしくお願いします。
①リンパが全く問題なかったということは、最初からリンパには転移がなかったということでよろしいのでしょうか?
②her2タイプのための術後補助療法をやったのですから、今後はあまり心配しないで楽観的に過ごして良いでしょうか?
③わたしは局所再発でしたが、初発の方と同じようにハーセプチンは再発率を半分にしてくれるのでしょうか?
再発率、生存率もステージ1の初発の方と一緒ですか?
④わたしの叔母が乳がんで亡くなっております。
他に乳がん、卵巣癌のものはおりませんが家族性は考えられるでしょうか?
⑤ハーセプチンを初めて点滴したのち、4、5日後にものすごく顔中にニキビが出ました。
ニキビが出るのはハーセプチンがよく効く証拠だと皮膚科の先生から聞いたのですがそれは本当ですか?
お忙しい中本当に申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
温存乳房内再発の方が(一般的に)勘違いされていることが多いことは悲しいことです。
重要なことは(前回、回答したように)
『○初回手術時(7年前)に温存手術をする際に担当医から「もしも乳房内再発しても、それを摘出すれば、最初から全摘したのと全く同じ」と聞いた覚えがないのですか? 全く問題ありません。』
ということです。
(この大原則があるから、温存術が治療として正当化されていると言っても過言ではありません)
○本来、「この大原則に守られて、温存術を行っている筈の医師」が、いざ温存乳房内再発した際に(患者さんに対して)「今回全摘すれば、いいのです。(初回手術時に)そう言ったでしょ?」と言えないことは悲しむべき現実のようです。
「①リンパが全く問題なかったということは、最初からリンパには転移がなかったということでよろしいのでしょうか?」
⇒その通りです。
 そもそも「純粋な乳房内再発」なのです。
 「腋窩」に関しては「初回手術時に解決済み」なのです。
「②her2タイプのための術後補助療法をやったのですから、今後はあまり心配しないで楽観的に過ごして良いでしょうか?」
⇒その通りです。
「③わたしは局所再発でしたが、初発の方と同じようにハーセプチンは再発率を半分にしてくれるのでしょうか?再発率、生存率もステージ1の初発の方と一緒ですか?」
⇒同じです。
「④わたしの叔母が乳がんで亡くなっております。他に乳がん、卵巣癌のものはおりませんが家族性は考えられるでしょうか?」
⇒可能性は低いと思います。
「⑤ハーセプチンを初めて点滴したのち、4、5日後にものすごく顔中にニキビが出ました。」「ニキビが出るのはハーセプチンがよく効く証拠だと皮膚科の先生から聞いたのですがそれは本当ですか?」
⇒関係なさそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問7 再発乳がんの今後が心配です】

性別:女性
年齢:56歳
ID番号 38〇〇〇4 〇〇と申します。
田澤先生、その節は大変お世話になりました、ありがとうございました。
その後病状は落ち着いていますが、毎日先生のQ&Aは拝見して、勉強させていただいています。
実は少し気になることがあり、質問させていただきました。
1週間ほど前から、術側の脇の下のリンパのあたりが痛いです。
センチネルリンパ節をとったあたりを中心に手を動かした時などにじわーんと痛みが広がることがあります。
センチネルリンパ節をとったのは約9年前ですし、今までにこのようなことは感じたことはなかったです。
脇の下はホルモンの刺激症状とのことですが、私は閉経しております。
術側ということで、もしかしたら転移したのではないかと心配しております。
先生のお考えをお聞かせいただければと思います。
ちなみに前回の検診は3月の下旬でした。
お忙しい中大変恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
「1週間ほど前から、術側の脇の下のリンパのあたりが痛い」「術側ということで、もしかしたら転移したのではないかと心配」
⇒そもそも…
 リンパ節転移に症状はありません。
 「脇が痛いから、腋窩リンパ節転移ではないか?」とか「鎖骨辺りが痛いから、鎖骨下リンパ節転移ではないか?」と皆さん心配されますが…
 ☆そもそもリンパ節転移に痛みなど全くありません。(100000%無関係なのです)
「脇の下はホルモンの刺激症状とのことですが、私は閉経」
⇒閉経とは無関係。
 痛みが出るとしたら…
 それは(腋窩リンパ節転移とは無関係であり)ホルモンの刺激症状です。(閉経は無関係)
「ちなみに前回の検診は3月の下旬」
⇒カルテを調べましたが…
 2017年の3月(1年3カ月前)ですね。
 (疼痛とは1000%無関係ですが)もしも1年以上検診を(地元で)していないのなら、(疼痛とは無関係に)検診して確認すると安心です。