Site Overlay

手術の延期に伴う悪化の心配

[管理番号:13048]
性別:女性
年齢:52
病名:浸潤性乳管癌
症状:左胸しこり リンパ所見なし
投稿日:2025年09月07日

今年6月に左胸にしこりを発見し、乳腺クリニックにてエコー、マンモを受けました。

一昨年のマンモ、昨年8月のエコーでは見つからなかったのですが、1.3センチほどの腫瘤があり、針生検の結果、浸潤性乳管癌という診断でした。

核グレード1
組織グレード1
Ki67 10%
ER、PR 陽性90%以上
HER2 2+ →追加検査で陰性
で、大人しいタイプと言われています。

提携している〇〇〇病院を紹介していただいたところ、9/(上旬)に温存手術が決まり、CT、MRIなど術前検査も全て終了しています。

ところが入院前日に、家族がコロナ陽性と判明したため、手術が1ヶ月ほど延期になると言われました。(もし感染していた場合、全身麻酔が危険があるとのことです。
また混み合っていて、すぐに再予約がとれないとのこと)

1.発見からもうすでに3ヶ月ほど経過しているのに、さらに1ヶ月手術が延びることにとてもショックを受けています。他のところで手術を受けることは、現実的ではないでしょうか。

2.今全てのデータは揃っている状態なのですが、もし今から江戸川病院に予約をとると、どのくらいの期間で手術が可能でしょうか。
仕事をしているので、できたら放射線治療やホルモン治療は、もとの近くの病院で受けたいと思うのですが、このようなケースはありますか?

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

1.発見からもうすでに3ヶ月ほど経過しているのに、さらに1ヶ月手術が延びることにとてもショックを受けています。他のところで手術を受けることは、現実的ではないでしょうか。
→質のよい手術であれば、その病院の方がいいとは思います。

2.今全てのデータは揃っている状態なのですが、もし今から江戸川病院に予約をとると、どのくらいの期間で手術が可能でしょうか。
→仮に、現時点では10月6日が仮押さえ可能な最短となります。
ただ、9月11日午後0時の時点で土曜日手術申し込みが入らなければ9月20日(土曜日)に別枠で申し込み可能となります。

仕事をしているので、できたら放射線治療やホルモン治療は、もとの近くの病院で受けたいと思うのですが、このようなケースはありますか?
→それは「あるある」ですね。
一番多いケースは放射線だけ地元。(抗がん剤する場合には)放射線と抗がん剤だけ地元

3か月に1回のホルモン療法は当院だったり、(ホルモン療法も地元で)半年に1回の診察エコーだけが当院などバリエーションは様々です。

「江戸川病院での手術」はこちら。

「手術相談」メールはこちら。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/23
***

  

質問者様から 【質問2】

閉経前リンパ節微小転移ありの治療方針
性別:女性
年齢:52
病名:左浸潤性乳管癌 温存手術後
症状:
投稿日:2025年11月28日

先日は丁寧なご回答ありがとうございました。
とても心強かったです。
家族のコロナ感染で手術が延びましたが、結局3週間後にもとの病院で温存手術(リンパ郭清なし)を受けました。
放射線治療も終了し、これからホルモン療法に入るところなのですが、薬剤の選択について迷っています。

病理検査の結果
pT1c N1mi M0 ステージⅡA ルミナルB
浸潤性乳管癌
浸潤径 14×13×12 ㎜
非浸潤径 23×21×12㎜
組織グレード1 脈管侵襲あり v1 ly0
HER2(2+) FISH=1.0(平均コピー数2.2) →陰性
E=8 PgR=8いずれも強陽性
切除断端陰性
Ki67=20-30%
センチネルリンパ節4個中1個微小転移あり(1㎜)

ki67が20-30だったこと、リンパ節に微小転移があったことから、抗がん剤の要不要を検討するため、オンコタイプdxを勧められました。(52歳 閉経前 リンパ節転移1)

先日結果が出て、RS12 AIまたはTAM単独5年遠隔再発率5% 化学療法の上乗せ効果2.3%でした。

この結果を受け、主治医からは、「抗がん剤は(強い希望がなければ)不要と考えられる」「タモキシフェン単独でいいのでは」と言われました。
2.3%の上乗せ効果と、副作用や仕事を長期間休むことを天秤にかけると、自分も抗がん剤は不要と思っています。
しかし、こちらのオンコタイプに関するQ &Aや、

今週のコラム 269回目 Rx PONDER (中間解析) その解釈

「pN1
閉経前では RS -25 TAM+LH-RHagonist RS26- 抗癌剤推奨」

から、リュープリンは必要なのでは?と思い、主治医に尋ねたところ、「57歳までやることになるので、あまり意味がないと思う」とのことでした。

そこで
①52歳という年齢だと、閉経前でもリュープリンは必要ないのか。
②もし実施するなら、(普通に閉経するであろう)2年ではなく、5年がよいのか田澤先生のご意見を教えていただけると助かります。

もう一つ、病理検査の結果から、カミゼストラントというホルモン治療薬の治験を提案されて、興味を持っています。
(CAMBRIA-2)
③第Ⅲ相の治験というのは、「ある程度効果がある」ことを前提に有効性や安全性を比較検討するものだと理解しているのですが、合っているでしょうか。

私自身が今回適切な治療や検査を受けられるのは、先人たちの治験の積み重ねがあってこそだと思います。
せっかく?がんになったのだから、この先の誰かの役に立ちたいという気持ちはあります。
(全く未知の新薬や、プラセボはちょっと怖いですが…)
治験のことについては、失礼にあたりましたら回答不要です。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

①52歳という年齢だと、閉経前でもリュープリンは必要ないのか。
→tamoxifen+LH-RHagonist

②もし実施するなら、(普通に閉経するであろう)2年ではなく、5年がよいのか田澤先生のご意見を教えていただけると助かります。
→無論、5年です。
♯主治医は思い違いしているようですが…
現在の閉経年齢はとっくに「55 years over」となっています。

もう一つ、病理検査の結果から、カミゼストラントというホルモン治療薬の治験を提案されて、興味を持っています。
(CAMBRIA-2)
③第Ⅲ相の治験というのは、「ある程度効果がある」ことを前提に有効性や安全性を比較検討するものだと理解しているのですが、合っているでしょうか。

→安全性が確認された薬剤の有意差を見るためのものです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/12/24
***