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浸潤径について

[管理番号:12888]
性別:女性
年齢:57歳
病名:右乳房浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2025年07月13日

大変お忙しいなか、ご相談の機会を与えていただき誠にありがとうございます。

以下、これまでの経過です。
2024年9月 右胸の張りに気づく
2024年9月 MG、エコー
MG 乳房の下半分に石灰化が広範囲に広がっており、FADはありましたが、明らかな腫瘤はありませんでした。
エコー所見
AB領域に低エコー腫瘤性病変2個。NT17mm。腫瘤間距離4mm。大きさ9×8×5m
mと14×14×8mm
境界明瞭平滑、やや不整形。内部エコー均一。後方エコーやや増強。外側陰影なし。
ハローなし、前方境界線の断裂なし。大胸筋との可動性あり
A領域に低エコー腫瘤数個あり。NT39mm。
大きさ17×9×10mm、径2mmの乳管像と連続している。
乳頭側へ7mmほどの位置に8×8×4mm。背側に径5mmと径8mm。
境界明瞭、分葉状。内部エコー不均一。内部にストロングエコーあり。後方エコーわずかに増強。ハローなし。前方境界線の断裂なし。大胸筋の可動性なし。BD領域に同じ性状の径4mm低エコー腫瘤あり。
2024年10月 手術先行希望のため転院
2024年11月上旬 右胸全摘出術→オンコタイプRS47にて化学療法(EC-T)終了しています。

病理結果
ER70 % PGR陰性、HER2陰性、Ki67 50%
組織型Solid~Scirrhous type主体。DCIS巣はComedo type優位で、全乳癌の60%を占める。大きさ(肉眼的38×30mm)顕微鏡的(全体56×45mm、浸潤巣32×35mm)
切除標本の割面所見F、割面肉眼分類は中間型、脈管侵襲なし、リンパ節転移提出なし(Osna0/2)、
核異形度Grade1(NA2、MI1)組織学的異形度Ⅱ(TF3、NA2、MI1)
病理レポートは以上です。腫瘍の数やそれぞれの大きさについては記載がありませんでした。
病理検体割面の写真について
JからPまで7つの割面。Kに辺縁が滲んだ腫瘍1個あり、L大豆のような形の腫瘍が縦に密着して並ぶ。上の腫瘍は形は違うがKの腫瘍と連続しているとのこと。すべての写真にDCIS部分あり、JからNにかけて腫瘍とちいさな浸潤が点在(マジックで描いてありました)

質問1 病理結果に浸潤径の記載がないことについて尋ねると、エコーでは別々の腫瘍に見えるが2個密着しており顕微鏡レベルだとつながっているので、32×35mmが浸潤径になると言われました。もし2つの腫瘍がDCISでつながっており、離れていたらステージが違った可能性があるということでしょうか。

質問2
最初に診てもらった医師の説明では、MGとエコーの所見から「乳管内進展し広範囲に広がった。(一番大きな腫瘍を見ながら)乳管につながっている、中心の白い粒のようなものは石灰化部分、しこりは複数あるけど0期の可能性もある」という説明されました。針生検の結果にも乳管内成分あり、転院先でもin situという記載があったことから、腫瘍はまず乳管内で増大し浸潤したと考えていたのですが、浸潤巣が32×35mmということは2個の腫瘍全体が浸潤していたということでしょうか。

質問3
浸潤径は乳管外に浸潤した部分を計測。浸潤巣は浸潤径と周辺に散在する癌細胞を含む範囲だと理解しておりました。
具体的に浸潤巣とはどのようなものなのでしょうか。

ステージは2Aと言われておりますが、オンコタイプdxの結果がRS47とかなり高かったため、ずっと気になっていた浸潤径について質問させて頂きました。よろしくお願い申し上げます。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

質問1 
病理結果に浸潤径の記載がないことについて尋ねると、エコーでは別々の腫瘍に見えるが2個密着しており顕微鏡レベルだとつながっているので、32×35mmが
浸潤径になると言われました。もし2つの腫瘍がDCISでつながっており、離れていたらステージが違った可能性があるということでしょうか。

⇒「浸潤巣32×35mm」と記載があるように最大浸潤径は35mmとなります。

質問2
最初に診てもらった医師の説明では、MGとエコーの所見から「乳管内進展し広範囲に広がった。(一番大きな腫瘍を見ながら)乳管につながっている、中心の白い粒のようなものは石灰化部分、しこりは複数あるけど0期の可能性もある」という説明されました。針生検の結果にも乳管内成分あり、転院先でもin situという記載があったことから、腫瘍はまず乳管内で増大し浸潤したと考えていたのですが、浸潤巣が32×35mmということは2個の腫瘍全体が浸潤していたということでしょうか。

⇒「2024年9月 MG、エコー MG 乳房の下半分に石灰化が広範囲に広がっており、
FADはありましたが、明らかな腫瘤はありませんでした。」という記載から、非浸潤癌が拡がる過程で所々浸潤し始めていたという至極通常のことです。

質問3
浸潤径は乳管外に浸潤した部分を計測。浸潤巣は浸潤径と周辺に散在する癌細胞を含む範囲だと理解しておりました。
具体的に浸潤巣とはどのようなものなのでしょうか。

⇒「浸潤している部分」のことです。 この場合にはそれが「最大浸潤系」となります。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/7/29
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