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乳癌術後の後遺症

[管理番号:12751]
性別:女性
年齢:57才
病名:左乳房上外側部乳癌
症状:
投稿日:2025年05月24日

乳がん術後の突っ張りについての質問です。
今年の4月(中旬)日 左乳房全摘手術+センチネルリンパ生検を受けました。
結果は非浸潤性乳管癌でlow typeとの結果を受けその後の治療はありません。傷口は順調に回復していると思います。
ただ、傷口から下腹部へ1本、脇から腕の内側を通り手首の少し上まで1本筋のようなものが突っ張り、触るとピーンと張っているのがわかります。目視でも皮膚がへっこみわかります。脇の部分は腕を上げると筋が浮いています。
先生のQ&Aにあります静脈の炎症によるものとは少し違う気がします。
手術により、筋が短くなってしまったのか、徐々に治るのか不安で仕方がありません。
固まるといけないのでリハビリをするようにと言われていますが、腕のその1本の筋の痛みと切れるのではないかとの思いがあり思うようにできません。また、無理にでもする方が良いのかあるいはしない方が良いのかもわかりません。
この筋の正体は何なのか、また今後どうすれば治るのかを教えていただきたくご質問をしました。どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

傷口から下腹部へ1本、脇から腕の内側を通り手首の少し上まで1本筋のようなものが突っ張り、触るとピーンと張っているのがわかります。目視でも皮膚がへっこみわかります
⇒典型的な「モンドール」です。

「傷口から下腹部へ1本」
⇒胸部から腹部にかけて皮下の浅い血管が(頭⇒足方向へ)走っているので、それが「乳腺全摘の傷」により分断されるため、(分断された、その傷から)必ず足の方向(下方へ)血管が炎症を起こしてピーンと硬くなるのです。

「脇から腕の内側を通り手首の少し上まで1本筋」
⇒腋窩から指先まで走っている静脈が「センチネルリンパ節生検の傷」により分断されるため、(分断された、その傷から)必ず指先の方向へ血管が炎症を起こしてピーンと硬くなるのです。

♯これら2つは極めて典型的なモンドールです。 皮膚のへっこみも「典型的」です。
皆さんの参考のために典型的なモンドールとして掲示することとしました。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/16
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