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病理検査の読み方と術後治療について

[管理番号:12695]
性別:女性
年齢:52
病名:
症状:
投稿日:2025年05月07日

今年1月に両側乳がんの告知を受けてから、乳がんプラザの内容から勉強させていただき、安心したり勇気をいただいたり、医師への質問を整理させていただいています。告知後、わからないことが多く不安に押しつぶされそうな日々の中、この場を設けていただき救われています。心から感謝します。

術後の治療やその他で質問させてください。

52歳両側乳がん
左右全摘一次一期インプラント再建済み

1月告知後検査を経て
3月(下旬)日手術
病理検査の結果は以下のとおりです。

[右]ステージ2a
◯リンパ節転移 あり
センチネルリンパ節生検で1つとり
半分にしてオスナー法でマクロ転移を確認。
レベル1郭清9個。

病理検査では、
センチネルリンパの残り半分と郭清した9個いずれにも転移確認なし。
0/10

◯浸潤径 14mm×12mm
◯断端陰性
◯核グレード1 組織学的グレード2
◯ly 0 v0
◯ハーツー0陰性
◯ER 75% PgR 85%
◯Ki67 8%

乳管内進展はみられません。
組織学的には小胞巣状に増殖する硬性型の浸潤性乳管癌。脂肪織への浸潤を認めます。リンパ管侵襲、血管侵襲は明らかではありません。OSNA1/1とのことだが、提出されたOSNA残り、レベル1リンパ節に転移を認めません。

[左]ステージ1

◯リンパ節転移なし
センチネルリンパ節生検で1つとり
半分にしてオスナー法で転移なし。
郭清なし。
◯浸潤径 1.1mm
◯断端陰性 全体15mm×7mm
◯核グレード1 組織学的グレード1
◯ly 0 v0
◯ハーツー3陽性
◯ER 90% PgR 75%
◯Ki67 10%

乳管内癌が大部分で15mm×7mmの範囲にみられ、その一部1.1mmの範囲に浸潤癌がみられます。組織学的に非浸潤癌は細胞異型の高度な腫瘍細胞が乳管内に乳頭状、ふるい状に増殖しており、一部にcomedo necrosisを認めます。浸潤癌は小胞巣を形成する浸潤性乳管癌です。脂肪組織への浸潤なし。リンパ管侵襲、血管侵襲なし。リンパ節に転移を認めません。

ご質問です。

①右は術中のセンチネルの1個の半分がオスナーでマクロ転移あり、
病理検査では、残り半分のリンパにも郭清リンパにもなし、ということでした。

所見で
「リンパ管侵襲、血管侵襲は明らかではありません。」とあり、
「侵襲なし」ではなく「明らかではない」という表現が気になります。

左胸の所見は「リンパ管侵襲、血管侵襲なし」と明言されています。

リンパ管を通ってセンチネルに転移したことを考えると、「侵襲なし」とは明言できないということでしょうか?

リンパ節転移があったことがかなりショックで、一時鬱状態になりました。

最良の術後補助治療は取り組みたいですが、
自己免疫疾患の持病があり、
抗がん剤をするのが怖くて、
それでも抗がん剤は必要か迷っていて細かな表現の違いが気になっています。

「明らかではありません」とされる場合、どんな内容をさすのでしょうか?

②右はリンパ節郭清したレベル1の中に転移がなく、
インプラント再建していることもあり、放射線はしないこととなりましたが
放射線なしでよいものでしょうか。

③ 右は「脂肪織への浸潤を認めます」とあります。脂肪への浸潤は予後への影響や術後治療への影響はありますか?

④右の術後治療としてタモキシフェンを飲み始めています。LH-RHagonistはしていません。

抗がん剤が必要か迷うのでオンコタイプDXに出しており結果待ちです。

乳がんがわかるまでは
更年期で生理がみだれ月2回きて
PMSが辛くて過去2年くらいジエノゲストで生理を止める治療をしながら閉経を待っていました。
手術後はジエノゲストはやめています。術後1ヶ月経ちますが生理はきていません。

手術後に血液検査をしたら、
閉経移行期でまだ完全閉経とは言えないホルモン値とのことでした。
LH58.4 、FSH84.3、エストラジオール45

手術までジエノゲストで生理を2年止めていたので
閉経前か閉経後かはっきり判断ができない今の状態ですが、田澤先生のコラムでは閉経前後いずれにしても、オンコタイプDXのRS26がカットオフとあります。

オンコタイプDXの結果、抗がん剤をした方がよいとなれば
主治医は飲み薬のタイプもあるとTS1を仰ってるように感じました。

田澤先生は、コラムで術後の補助療法としてTS1は勧めないと書かれております。

私の場合、RS26以上で、
抗がん剤適用なら何の抗がん剤を選択をされますか?

⑤左は浸潤が1.1ミリと小さいため
無治療となりました。
ハーツーなので心配です。
乳がんプラザでも過去のQAで5ミリ以下はハーツーだろうと無治療、とお答えになっていますが、いつ頃のQAか分からなくて、
改めて伺わせてください。
ハーツーでも5ミリ以下は無治療でしょうか。

⑥また左胸のような無治療ケースで、不幸にも腋窩や胸膜に再発したケースをご経験上ご存知でしょうか?

遠隔転移はありえないでしょうか?

治療なしで安心な気持ちと裏腹に
心配な気持ちが抑えられずにいます。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

所見で
「リンパ管侵襲、血管侵襲は明らかではありません。」とあり、
「侵襲なし」ではなく「明らかではない」という表現が気になります。
リンパ管を通ってセンチネルに転移したことを考えると、「侵襲なし」とは明言できないということでしょうか?

⇒完全な考えすぎです。

シンプルに「そのような病理所見はなし」ということであり、(リンパ節転移があったからといっても、リンパ管侵襲の所見がなくても何ら矛盾ではありません)「リンパ節転移があったので、そのような表現になった」様です。
所見としては左右とも「無し」で同様です。

②右はリンパ節郭清したレベル1の中に転移がなく、
インプラント再建していることもあり、放射線はしないこととなりましたが放射線なしでよいものでしょうか。

⇒そもそも全摘後の放射線照射の適応は「4個以上」なので必要がありません。

③ 右は「脂肪織への浸潤を認めます」とあります。脂肪への浸潤は予後への影響や術後治療への影響はありますか?
⇒完全な勘違いですね。
浸潤癌なのだから、乳腺の外にある脂肪浸潤が「寧ろ普通」ですよ。

④右の術後治療としてタモキシフェンを飲み始めています。LH-RHagonistはしていません。

抗がん剤が必要か迷うのでオンコタイプDXに出しており結果待ちです。

閉経前か閉経後かはっきり判断ができない今の状態
⇒(明らかに)閉経前ですよ。

私の場合、RS26以上で、
抗がん剤適用なら何の抗がん剤を選択をされますか?

⇒無論TCです。

⑤左は浸潤が1.1ミリと小さいため無治療となりました。
ハーツーなので心配です。

⇒全く心配不要です。

乳がんプラザでも過去のQAで5ミリ以下はハーツーだろうと無治療、とお答えになっていますが、いつ頃のQAか分からなくて、
改めて伺わせてください。
ハーツーでも5ミリ以下は無治療でしょうか。

⇒当然です。

⑥また左胸のような無治療ケースで、不幸にも腋窩や胸膜に再発したケースをご経験上ご存知でしょうか?
遠隔転移はありえないでしょうか?

⇒確率的に、ありえません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/3
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