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トリプルネガティブ乳癌

[管理番号:12574]
性別:女性
年齢:39
病名:
症状:
投稿日:2025年03月19日

初めまして。
令和7年1月(中旬)日にセルフチェック時、左乳房の血性乳頭分泌に気付き2月(上旬)日乳腺クリニックを受診、
マンモに癌疑いの石灰化が2箇所ありエコーでしこり3つ(見えない場所にまだあるかもしれないと言われ)内1つがかなり癌だと思いますと言われ当日針生検をしました。
2月(下旬)日にトリプルネガティブ乳癌告知を受け現在別の病院で治療前検査を終え検査結果待ちです。
組織診の結果をクリニックから貰えていなかった為、欲しい旨を伝え頂きました。
DCIS or Invasive ductal carcinoma
High grade DCIS相当、浸潤性変異かDCIS
ER:J score 0.PgR:J score 0.ki67 38%
HER2 陰性(0)
針生検をしたしこりは6~8mm(左乳房C)
ステージや転移しているかはまだわかりません。
紹介して頂いた病院では初診日に左乳房全摘をします抗がん剤治療も必要ですと言われました。年齢としこりが複数あるトリプルネガティブな為、遺伝子検査も勧められ受けました。
先生ならどの様な治療を進めますか?
この情報でどのくらいの危険度なのか治るのか再発リスクはどの程度あるのか転移している可能性など分かるものでしょうか?
気持ちの問題かもしれないのですが左腕や背中・胸の中心が痛い時があります。
咳や喉の支え感・口の中に出来物ができたりしていて不安です。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず重要なことは「DCIS or Invasive ductal carcinoma」であり、つまり「非浸潤癌の可能性も十分」でしかもシコリは「6-8mm」となると、(手術した際の)最終的に「非浸潤癌」もしくは「浸潤していたとしても浸潤部分は5mm以下」という可能 性もあります。
上記より「抗癌剤必須」というのは「そもそも論」として誤りと言えます。
何故なら浸潤径5mm以下では抗癌剤の適応がないからです。

もしも、ここで(どこぞの大学病院の医師のように)「術前抗がん剤一択」などとしたら、まさに「過ち」と言えますが、このメール内容からは「左乳房全摘をします」とあるので手術先行を勧めているとすれば、それはまことに幸と言えます。

先生ならどの様な治療を進めますか?
⇒無論、手術先行です。
そして術後の病理で浸潤径5mm以上かつ「浸潤癌でのサブタイプが本当にトリプルネガティブならば抗癌剤」を推奨するでしょう。
♯冒頭に記載したように、非浸潤癌の可能性も残っている(この場合全摘で根治なので術後薬物療法は一切なし)
 もしも浸潤径が5mm以下であれば、無論抗癌剤しません。(この場合もトリプルネガティブならば無治療です)

この情報でどのくらいの危険度なのか治るのか再発リスクはどの程度あるのか転移している可能性など分かるものでしょうか?
⇒転移とは「遠隔」転移のことですか? それとも「リンパ節」転移のことですか?

腋窩リンパ節のエコー所見の記載がありませんが、腫瘍径が小さいので「リンパ節転移の可能性は低い」でしょう。(術中センチネルリンパ節生検で確認します)

遠隔転移はこの程度の情況では、確率的にほぼゼロです。(CTもPETも提案されても断りましょう)

気持ちの問題かもしれないのですが左腕や背中・胸の中心が痛い時があります。
咳や喉の支え感・口の中に出来物ができたりしていて不安

⇒これは「気持ちの問題」というよりも「そのストレスの影響で卵巣が不安定となって起る」症状です。そんな転移の症状は絶対にありませんよ。
ご安心を。

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(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/7
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