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アポクリン癌?の今後の治療について

[管理番号:12569]
性別:女性
年齢:43歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2025年03月18日

田澤先生、はじめまして。
昨年11月下旬に乳がんと診断され(癌となったのは約10年間経過観察をしていた腫瘍で、2度の生検で石灰化との判断でした)
先月2/(中旬)に右胸全摘の手術、昨日3/(中旬)に病理検査結果を聞いたのですが
その中でアポクリン癌だと言われました。(術前では通常の乳管癌との診断)

<検査結果>
Invasive ductal carcinoma(≒invasive apocrine carcinoma) with extensive DCIS.
Rt:B 14X6X5mm(+DCIS:25X18X7mm),pT1c
[NG2,HG II,ER-,PgR-,HER2:-,MIB1:15.6%,INFβ,gf,ly1,v0,
pN0:SLN:0/4,NSLN:0/3]

<所見>
切除された右乳腺B領域に長径約14mm大の辺縁やや不整な充実性腫瘤をみる。
組織学的には小胞巣状に泡沫状から好酸性の胞体を有する異型乳管上皮の増殖する浸潤性乳管癌の像で、
ER-,PgR-の所見を含めアポクリン癌との鑑別が問題となる。浸潤は脂肪組織に及んでいる。
異型度はNG2、HG II相当。辺縁に充実性増殖を主体とする管内病巣が広く認められる。
背景乳腺には腺症の像がよく認められ、一部背景に腺腫の像が認められた。
センチネルリンパ節4個には永久標本でも転移は見られず、追加切除されたノンセンチネルリンパ節3個にも転移は見られない。

術前の段階では腫瘍も小さいし術後の病理結果を見て、術後抗がん剤などの治療方針を決めましょうとのことだったのですが
主治医からはKi67値も低いし抗がん剤はしなくてもいい、半年ごとのマンモ・エコーと一年ごとのCTでいい
と言われてしまいました。
トリプルネガティブで浸潤径1cmを超えている場合は抗がん剤をした方がいいという認識だったため、
本当にしなくてもいいのか確認したところもし希望するならしてもいいけど・・・
UFTかEC療法かなぁ~といった感じで積極的には勧めないといった反応でした。

そこで田澤先生の見解をお聞きしたく、メールさせていただこうと思った次第です。
①主治医の言うとおり抗がん剤せず、半年ごとの経過観察のみでも良い所見なのでしょうか。
②もし抗がん剤をするならばEC療法が良いのでしょうか。先生ならどの抗がん剤を勧められますか?

後々、あの時抗がん剤をしておけばよかった・・・と後悔したくないため納得のいく決断をしたいと思っております。
アドバイスを頂けたら幸いです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

アポクリン癌は特殊型であり、(主治医のいう)『Ki67値も低いし抗がん剤はしなくてもいい』といういい方も解らないでもないですが…
因みにガイドラインでは「通常の組織型と同等に」扱うべきとあるので、それでいえば「anthracycline followed by taxane」となります。

私個人の考えとしては…
①年齢が70歳以上なら「当然」勧めませんが、40代であるということ。
②Ki67も15.6%は低いとは言えますが抗癌剤を(それだけで)否定するほどではない(一桁なら別ですが…)

上記①②からは「抗癌剤を勧めないのは、寧ろ良くないかな」と感じます。

もしかすると担当医は「10年以上放置していたのに、この程度の進行度」なのだから、「非常に大人しい=抗癌剤も効きにくい」という連想があるのかもしれませんね。

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