［管理番号:12521］
性別:女性
年齢:45
病名:乳管内癌
症状:症状なし
投稿日:2025年02月28日

卵巣がんの術後、半年に一度のCT検査より気になるとのことで乳腺外来を受診しました。担当医が触診してもしこりはなく、念のために生検すると乳管内癌（非浸潤）
HER2陽性、MRIの画像上では2.2㌢ほどの大きさだと結果が出ました。
卵巣がんも乳がんも発症となり遺伝子検査を行い今は結果待ちです。

先生のQ&Aを読んでいると非浸潤がんなら部分切除もできると読みましたが、
質問は、
①遺伝子検査の結果が陽性の場合は全摘した方が良いのか？部分切除なら再発率が高くなるのか？
②手術をしないと癌の広がりや浸潤しているかが分からないので、部分切除を選択しても広がりが大きいと再度手術して全摘になると説明を受けています。再手術をせず、放射線治療や抗がん剤+分子標的薬で様子をみるのは難しいですか？
手術で全ての癌を取り除いた方が良いのは理解していますが、再手術になるとメンタルを保つだけでも苦しくなりそうです。
③HER2陽性は進行が早いと書いてあり、気にしすぎたとは分かっていますが、部分切除の手術を早めにしたいと希望を出しましたが、遺伝子検査の結果を待ちましょうと言われています。
結果次第で全摘や反対側の予防切除を勧められるのかなと思っていますが、先生ならそのように助言されますか？

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

一つその病院に苦言を呈しますが、「非浸潤癌でＨＥＲ２を測定すること自体、適応外」です。　本来やってはいけない検査です。

①遺伝子検査の結果が陽性の場合は全摘した方が良いのか？部分切除なら再発率が高くなるのか？
⇒ＢＲＡＣＡｎａｌｙｓｉｓ陽性だと（部分切除をすることで）「再発率が高くなる」わけではなく、　対側予防切除するのであれば「全摘でないと整合性が合わない」
　　　　もし仮に陽性であっても対側予防切除はしないのであれば、「温存乳房内新規発生は（陰性と比較すれば）リスクがやや高くなる」ことを理解したうえで部分切除は可能です。

②手術をしないと癌の広がりや浸潤しているかが分からないので、部分切除を選択しても広がりが大きいと再度手術して全摘になると説明を受けています。再手術をせず、放射線治療や抗がん剤+分子標的薬で様子をみるのは難しいですか？
⇒基本的には「手術の借りは手術で返す」方がいいとは思います。
ただ、断端の情況にもよるので（ごく小範囲の断端陽性ならば、追加部分切除せずにBoost+の放射線で対処するなど）、実際の病理の結果をみてから考えるべきものです。

③HER2陽性は進行が早いと書いてあり、気にしすぎたとは分かっていますが、部分切除の手術を早めにしたいと希望を出しましたが、遺伝子検査の結果を待ちましょうと言われています。
結果次第で全摘や反対側の予防切除を勧められるのかなと思っていますが、先生ならそのように助言されますか？
⇒非浸潤癌なのだから（ＨＥＲ２は本来、絶対にやってはいけない検査なので）その
結果を気にすること自体全くナンセンス！

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
（回答が公開されてから２週間後）
2025/3/19
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