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タチの悪いガンとは何ですか?

[管理番号:12090]
性別:女性
年齢:38歳
病名:乳がん リンパ転移あり
症状:胸と脇にしこり
投稿日:2024年09月27日

初めまして。お忙しいところにすみません。

つい先日、乳腺クリニックで乳がん検査をし、乳がんだと言われました。またリンパ転移もしているとの事で、治療や手術をしていかねばならないと言われました。そこから乳がんについてネットで調べていた時、こちらの質問サイトに辿り着き、先生がどんな質問にも丁寧に分かりやすく優しくお答えされているのを拝見し、読む度になるほどと思い何故か心も落ち着いてきました。そこで、お忙しいのは承知の上ですが、私も質問させて頂きたくメールしました。よろしくお願い致します。

1ヶ月前くらいから、右胸のしこりに痛みが出たことで変かもと思いました。しこり自体はもう少し前からありました。(いつ頃かは覚えていません。)何故、痛みが出てから気にしだしたかと言うと、2年前に子が産まれ授乳していた際、何度も乳腺が詰まり乳腺炎にも2度かかったことがあり、その時の胸のでこぼこの張りに似ていたのです。骨が覆っているような何だかぼこぼこ動く感じで。さらに、授乳中には右脇には副乳もありそこもゴロゴロとずっと動いていたので、脇のことも副乳と思いあまり気にしていなかったのです。

ですから、今回の検査も乳腺の問題かなくらいの軽い気持ちでいきました。ところが、この様な結果になり大変落ち込んでいます。でも、落ち込んでいても仕方なく、子もまだまだ幼いので絶対に死ねないと思っています。
そこで、クリニックの先生に言われたことを冷静に思い返し、私の今の状況を知らなくてはと思っていたところにタイトルの『タチの悪いガン』と言われたことを思い出したのです。

まず、検査当日マンモをしました。その様子を診ながら『これといった塊や白い影もない。けれど、この白い点々が気になる。石灰化したものだけど、広がり方もね』と言い、触診の後エコーに入りました。すると、『今から麻酔を打ってちょっと注射したりしますね』と突然に乳腺に組織試験採取、切採法とリンパ節等穿刺又は針生検が行われました。(これらの名前は後から調べて分かったのですが書き方が変でしたらすみません)乳腺のやつは3度ありました。

何故それをしたのか知らないまま止血して終わり、採血もし、次にMRIをとる予約をすることになりました。そこで、ようやく『結果を待っても良性とは出ないことは確実で、乳がんは間違いなく、治療や手術をしていくことになります』『でも、このタイプはタチの悪いガンやからね……でも、このタイプにはすごく効く薬があって、これをしていた患者さんは乳がんが死滅したからね。大丈夫。』と言われ、あまりの展開に頭がついていかないながら振り絞って、「治りますか?」と聞くと『治ります。』と言われ、次の治療に行かれました。

私が先生にお伺いしたいのは、まだ腫瘍の大きさ等も教えて頂いてなく分からないことが多いのですが、このタチの悪いガンとはどういったものでしょうか。薬を飲んだら本当に死滅するのでしょうか。リンパも相当しこりが大きいので(自分で触って3センチ以上はあります)リンパ以外にも転移している可能性は大きいですよね?そうなると、私は、ステージ4にあたるのでしょうか?『治ります』と言われたことを藁にもすがる思いで信じているのですが…。
読みにくい文で申し訳ありません。どうぞよろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。 田澤です。

石灰化したものだけど、広がり方
エコーに入りました。すると、『今から麻酔を打ってちょっと注射したりしますね』

⇒この記載からはマンモグラフィーでは(乳癌に特異的な)「壊死型石灰化」が(おそらく)「区域性」に拡がっていたと思われます。
更にエコーした後に生検したということは(マンモグラフィーで石灰化した部位に一致して)エコーでも「腫瘤形成」していたことがわかります。
★つまり(癌を疑うというよりは癌しかありえない)石灰化を伴う「しこり」という意味でと『結果を待っても良性とは出ないことは確実で、乳がんは間違いなく、治療や手術をしていくことになります』というコメントとなったのでしょう。

『でも、このタイプはタチの悪いガンやからね……でも、このタイプにはすごく効く薬があって、これをしていた患者さんは乳がんが死滅したからね。大丈夫。』
このタチの悪いガンとはどういったものでしょうか。

⇒どうやら、その医師は「過去の経験から、サブタイプを推測して」ものを言っているようですがそれは幾ら何でも「やり過ぎ」です。

普通にサブタイプがでてから(術後の)薬物療法が決定します。

私が先生にお伺いしたいのは、まだ腫瘍の大きさ等も教えて頂いてなく分からないことが多いのですが、薬を飲んだら本当に死滅するのでしょうか。
⇒おそらく、その医師が「想像している」サブタイプで使用する薬剤は「点滴」であって「飲み薬ではない」ようです。

リンパも相当しこりが大きいので(自分で触って3センチ以上はあります)リンパ以外にも転移している可能性は大きいですよね?
⇒それは勘違い。

遠隔転移は(私の経験上)ほぼ無いでしょう。★

そうなると、私は、ステージ4にあたるのでしょうか?
⇒上記★のとおりステージⅣ(遠隔転移)ではないと思います。
余計な心配をしないようにしましょう。

『治ります』と言われたことを藁にもすがる思いで信じている
⇒それが正解です。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/8
***

質問者様から 【結果・経過2】

ありがとうございます。
性別:女性
年齢:38
病名:乳がん リンパ転移
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
投稿日:2024年10月2日

お忙しいところにすみません。12090の番号でタチの悪いガンについて質問した者です。
まだMRIを終え結果待ちですので、何も前回から変わっていない状態なのですが、どうしても田澤先生にお礼をお伝えしたくメールしました。
ガンについて何の情報もない状態の私の質問に、丁寧にお応え下さり、本当にありがとうございました。田澤先生からのメールで今の私の乳がんが石灰化からきているものだということも分かりました。色々と知らなければと思い、田澤先生の質問返しやコラム等で勉強しています。
先生が質問に応えて下さって本当に嬉しかったです。まだまだこれからなのですが、頑張らなければ!!と思えました。
目の前にもたくさんの患者さんがいらっしゃるのに、こうやって私の様などこに住んでいるかも分からない者のことまで、丁寧に診て頂き本当に本当に感謝しています。
これから出てくる結果や、治療や手術の方向についてまた質問させて頂くこともあるかも知れませんが、どうぞよろしくお願い致します。

<Q&A結果>

***
【結果】の送信は、【質問】として扱わないので
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/8
***

  

質問者様から 【質問3(質問2 結果1)】

ステージ3cとなりました。
性別:女性
年齢:38
病名:
症状:
投稿日:2024年10月18日

いつもありがとうございます。先生のQ&Aは、読んでいて勉強になることはもちろん、様々な質問に対して、熱心に丁寧にお応えされておりそのお人柄に本当に励まされます。お忙しいところに申し訳ありませんが、以前質問させて頂いていた『タチの悪いガンとは』の結果が出ましたので、お伺いさせて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

これまでの細胞診やMRIとPETCT等の結果が出て、分かったことをクリニックの先生がまとめて下さいました。

・ホルモンレセプター陽性 ER100% PgR50%
・HER2 タンパク(0)陰性
・ki67 56.8%
・ルミナールB

・浸潤性乳管癌 しこりに見える部分 1.5cm
・腋窩リンパ節転移2.5cm
・第2肋間胸骨傍リンパ節転移
・T1~3N3bM0 ステージ3c
となりました。
PETCTの結果が出るまでは、先生は初回受診の際は『治ります』と、2回目は『ステージ2だから8割根治出来るし大丈夫』と。
ですが、今回のPETCTの結果で内胸リンパ転移が分かったことでガラッと変わってしまわれ(それは仕方がないことだと勿論分かっていますが…)、『ここに転移していると言うことはもう全身に回っているのと同じだから、根治は厳しい。10年生存率も低いし…もう厳しいかな』と。『昔は骨を切って癌を取り出していたけどメリットがないし薬が効くからその方が良いです。手術先行か化学療法先行か、化学療法先行の方がメリットは大きいと僕は思うけど、あとは次の病院の先生と決めて』と言い、診察は終わってしまいました。勿論、結果が出て分かったことを真摯にお応え下さったのは承知の上ですが、『8割根治出来る』

この言葉で、私は前向きに立ち直っていたのですが、根治どころか10年生きることが『厳しい』との言葉に真っ暗になりました。
昔から骨を切る等の手術されたくさん患者を診てきたと思われる先生が言われたことですので、もう駄目なのかと…まだ子は3歳にも満たないので、短くても ・u桷タ屋年は絶対に生きなければと、弱気になる自分を奮い立たせていたのですが…今回のことで私はもう治療も手術も無駄になるのではと、気持ちが折れてしまいました。胸骨傍リンパ転移はそれほどにまで厳しいものなのですね。本当にショックです。
しかし、まだステージ3なのだから手術と化学療法と放射線治療と、やれることがあるじゃないかと、田澤先生のQ&Aを見て今一度、気持ちを奮い立たせようとしています。

以上のことから先生にご質問です。
①胸骨傍リンパ転移(大きさは分かりませんでした)がありステージ3cになった私は、もう本当に根治は無理ですか?10年、20年生きることは不可能ですか?先生の患者様でこの様な状態でも何十年と元気でおられる方はいらっしゃいますか?

②手術や治療をしていく際、田澤先生ならどのように進めていかれますか?手術先行の化学療法、その後放射線治療のホルモン療法でしょうか?私のようなタイプは化学療法は効きにくいのでしょうか?(それもやんわりとクリニックの先生に言われました)

来週頭に紹介された病院へ初めて行きます。その時に、先生から教えて頂いたことを伝えられるように、自分のことをちゃんと考えられるようにしておきたいと思い、質問させて頂きました。
お忙しいところに本当に申し訳ないですが、お応え頂けると幸いです。
いつもありがとうございます。どうぞ先生もお体に気をつけて下さいませ。

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

『ここに転移していると言うことはもう全身に回っているのと同じだから、根治は厳しい。10年生存率も低いし…もう厳しいかな』
⇒その担当医がそのような言い方をする気持ちも解らないではありませんが…

実際には胸骨傍リンパ節転移は放射線照射で十分コントロールされるし、「胸骨傍リンパ節転移があると全身に廻っている」というのは明らかに誤りです。
♯胸骨傍リンパ節転移はステージ3となるので、無論「遠隔転移のリスクはステージ1,2よりは高くなる」けれど、十分根治の可能性があるのです。
何故、その医師と私が違うのか?は簡単に言えば「成功体験の数」でしょう。

①胸骨傍リンパ転移(大きさは分かりませんでした)がありステージ3cになった私は、もう本当に根治は無理ですか?10年、20年生きることは不可能ですか?先生の患者様でこの様な状態でも何十年と元気でおられる方はいらっしゃいますか?
⇒上記通り
普通に手術して術後に(胸骨傍リンパ節には)放射線照射すればいいのです。

②手術や治療をしていく際、田澤先生ならどのように進めていかれますか?手術先行の化学療法、その後放射線治療のホルモン療法でしょうか?私のようなタイプは化学療法は効きにくいのでしょうか?(それもやんわりとクリニックの先生に言われました)
⇒その医師は「想像力が逞しすぎ!」 自分自身の少ない経験に縛られた考え方は良くないでしょう。

①で記載したように 手術⇒放射線⇒術後補助療法(anthracycline+taxane)⇒CDK4/6阻害剤+ホルモン療法となります。★

来週頭に紹介された病院へ初めて行きます。その時に、先生から教えて頂いたことを伝えられるように、自分のことをちゃんと考えられるようにしておきたいと思い、質問させて頂きました。
⇒お節介なアドバイスを最後にしましょう。

質問者が上記★をするのか?(紹介された病院で)「消極的な治療をされる」のか?
 がターニングポイントとなりそうです。
自分がどうしたいのか? 「負けざる者なのか?」真剣に考えることをお勧めします。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/11/8
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