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腫瘍マーカーの上昇について

[管理番号:11963]
性別:女性
年齢:37
病名:浸潤性乳管癌(ルミナルA)
症状:右胸胸骨寄りの胸の下から腹部にかけての痛み。
投稿日:2024年08月13日

初めて利用させて頂きます。
2023年8月に右C領域の乳癌と診断され、同9月に温存術を行いました。
術前検査の結果では

腫瘍径18ミリ(MRI)
硬性型
リンパ節転移なし
遠隔転移なし
(術前検査:造影CT、造影MRI、骨シンチ)
CEA:1.8
CA15-3:9.4
核異形度:グレード3
ステージⅠ
でした。

術中センチネルリンパ節検査で転移が判明し、レベルⅡまでのリンパ節郭清を実施。
術後病理の結果は↓
腫瘍径15ミリ
リンパ節転移4/20
ホルモン受容体:どちらも陽性(8割)
HER2-(2+ FISH-)
脈管浸潤なし
ステージⅢa
となりました。

その後、ddECとTCXを合計8クール、及び放射線治療30回60Gyを行い、現在ノルバデックスとベージニオ150を内服中です。
先日、胸の辺りの違和感があり、乳腺エコーを行ったのですが問題はなく、念のため…と、術後初めて腫瘍マーカーを測ったところ、
CEA:6.4
CA15-3:13.4
となり、どちらも術前から上昇していました。
CEAは基準値を超えていたため、造影CTと腹部エコー、乳腺エコーを行いましたが、
明らかな転移は認められず、次回骨シンチを行う予定です。
婦人科は他院を3月に受信しており、エコーを行って問題なかった旨をお伝えしたら、それなら婦人科系もおそらく大丈夫だろうとの事でした。
骨シンチまで行って画像上何もなければ、大腸カメラや胃カメラ、PETなど行ってみると言われました。
病院からは、CEAが基準値を超えていても10まではグレーゾーンのようなものなので、看過はできないけどあまり心配しすぎないように、CA15-3は基準値内なので、上昇していても問題ないと思う、と説明を受けていますが、CEAの上がり方が大きいので、画像では分からない転移ができているのではと、不安で仕方ありません。
先生に幾つかお尋ねしたいのですが、

①私の場合、腫瘍マーカーの上がり具合から見て、やはり転移が強く疑われるのでしょうか?そのうち再発するものとして、心の準備をしておいた方が良いですか?

②別の疾患の可能性、もしくは何も問題ないという可能性もあるのでしょうか?

③画像上目に見えないようなサイズの転移であっても、腫瘍マーカーは上昇する物でしょうか?

④もしも転移していた場合、術後1年経たずに再発した事になる訳ですが、早期再発はやはり予後が悪いのでしょうか?

兎に角不安で、最期はやっぱり苦しいのかな…5年後はもう生きていないのかも…
と、良くない事ばかり考えてしまいます。
愚問もあるかと思いますが、お答えを頂けると幸いです。
よろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①私の場合、腫瘍マーカーの上がり具合から見て、やはり転移が強く疑われるのでしょうか?そのうち再発するものとして、心の準備をしておいた方が良いですか?
⇒造影CTと腹部エコーに異常がないのだから「転移が強く疑われる」ということはありません。
但し、少なくとも骨シンチは確認すべきでしょう。

②別の疾患の可能性、もしくは何も問題ないという可能性もあるのでしょうか?
⇒治療が影響していることは「しばしば」あります。
抗癌剤中に一時的に上昇し、終了すると徐々に正常化などは時々経験します。
★質問者の場合には抗癌剤終了してから結構経っているのであれば「abemaciclibの影響」の可能性は候補に入ります。

③画像上目に見えないようなサイズの転移であっても、腫瘍マーカーは上昇する物でしょうか?
⇒再発に伴うマーカーの上昇(しかもCA15-3ではなくCEA)であれば画像で見つかることが殆どです。

④もしも転移していた場合、術後1年経たずに再発した事になる訳ですが、早期再発はやはり予後が悪いのでしょうか?
⇒転移再発と決まってもいないのに考えるだけ無意味ですよ。