[管理番号:11956]
性別:女性
年齢:45
病名:
症状:
投稿日:2024年08月02日
先生はじめまして。
先日術後の病理結果にてセンチネルリンパ節に微小転移が見つかったため、抗がん剤を勧められました。(術中迅速ではなし)
閉経前、全摘をおこなってます。
口頭の説明だったため分かる範囲で記載させていただきます。
多発性浸潤小葉癌になります。
浸潤経 16×14m
Er85 PgR90
her2(-)
ki67 50
核グレード1
核異2
浸潤経 12×7m
Er100 Pgr100
her2(-)
ki67 15
核グレード1
核異2
センチネルリンパ節 微小転移1つあり
リンパ管侵襲、静脈侵襲については説明なし
T1cN1(mi)M0
主治医からはTCに比べて身体の負担が少ないことからAC(4クール)→ドセタキセル(4クール)終了後TS-1を提案されました
(先生がTCに加えてTS-1をNOとされている記事は読みました)
①遠隔、再発率の高い状態なのですか?一旦オンコタイプDXに出すのはありでしょうか?
②TCに比べてAC→ドセタキセルが負担が少ないのでしょうか?ガイドラインを見るとTCの方が負担が少ないのではと疑問に感じました
また、不整脈が過去にあったのですがACは適切でしょうか?化学療法前に検査をするとは言われたのですが不安です
効果はAC→ドセタキセルが強そうですが、副作用も強そうで(特に心臓が気になってます)素直にAC→ドセタキセルを受けるべきか悩んでおります
③抗がん剤を上乗せした場合、効果はどれくらいでしょうか?
④過去の記事で抗がん剤は術後2.3ヶ月以内に開始すれば問題ないとありましたが、多少遅れても大丈夫でしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
先日術後の病理結果にてセンチネルリンパ節に微小転移が見つかったため、抗がん剤を勧められました
⇒未だに、こんなことを言う乳腺外科医がいるとは!!(呆れてしまいます)
無論、OncotypeDXをすべきです。
リンパ節転移(微小転移であろうと肉眼的転移であろうと)=抗癌剤が効く など全くナンセンス!
①遠隔、再発率の高い状態なのですか?一旦オンコタイプDXに出すのはありでしょうか?
⇒無論、OncotyepDXしましょう。
♯再発率は高くは無いと思いますよ(OncotyepDXすると数値も解ります)
②TCに比べてAC→ドセタキセルが負担が少ないのでしょうか?ガイドラインを見ると
TCの方が負担が少ないのではと疑問に感じました
また、不整脈が過去にあったのですがACは適切でしょうか?化学療法前に検査をするとは言われたのですが不安です
効果はAC→ドセタキセルが強そうですが、副作用も強そうで(特に心臓が気になってます)素直にAC→ドセタキセルを受けるべきか悩んでおります
⇒主治医が「TCが負担が大きい」と考えている理由はdocetaxelによる「アレルギー反応や(後半になると出現する)痺れや浮腫み」を考えてのことでしょう。
Anthracyclineは(其の意味で)「吐気と便秘」はありますが蓄積はしません。
(特に心臓が気になってます)
⇒これは「ほぼ」ありません。
何故ならanthracyclineによる心毒性は「容量依存性」なので(術後補助療法として使用する量は)「許容量の半分以下」となるため気にする必要はありません。
③抗がん剤を上乗せした場合、効果はどれくらいでしょうか?
⇒それが知りたいのであれば、「OncotyepDX」なのです。(上乗せ効果の数値が解ります)
④過去の記事で抗がん剤は術後2.3ヶ月以内に開始すれば問題ないとありましたが、多少遅れても大丈夫でしょうか?
⇒半年以内で十分です。(術後補助療法なのだから)
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/16
***
質問者様から 【質問2】
術後の補助治療について
性別:女性
年齢:45
病名:
症状:
投稿日:2024年08月31日
先日はご教授いただき誠に有難う御座います。
オンコタイプdxを受けその結果をいただいた上で再度ご相談させていただきたく存じます。
閉経前、微小転移
RS13 5年遠隔再発率5% CT上乗せ2.3
上記の結果を受領しました
結果を踏まえて主治医の話したところ閉経前リンパ転移ありのため病院ではACののちドキタキセル計半年、その後エスワン1年と言われ上乗せ効果が少ないこと、抗がん剤は副作用が強いことから悩んでおります。
上記の情報に加えて
脈管、リンパ管侵襲はなし
組織グレード2
微小転移サイズ1.8m
が新たにわかりました。
1. オンコの値にかかわらず閉経前センチネルリンパ転移ありの場合は抗がん剤をした方がよいのでしょうか?
2.しこりが2つの多発性になります。多発性の場合もリスクがありますか?オンコで判断されたのは大きい方の病原体でしょうか?
3.小葉がんは抗がん剤か効きにくいのは本当でしょうか?
4.低リスクのため点滴の抗がん剤をおこなう場合、TC4に変更や、点滴抗がん剤なしTS-1とかに変更できないものでしょうか?
最適な術後補助療法は何になりますでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
1. オンコの値にかかわらず閉経前センチネルリンパ転移ありの場合は抗がん剤をした方がよいのでしょうか?
⇒それでは何のためにOncotypeDXするのか意味がありません。
私であれば tamoxifen+LH-RHagonistとし抗癌剤はしません。
2.しこりが2つの多発性になります。多発性の場合もリスクがありますか?
⇒無関係
オンコで判断されたのは大きい方の病原体でしょうか?
⇒main tumorからの遺伝子検査の筈です。
3.小葉がんは抗がん剤か効きにくいのは本当でしょうか?
⇒誤り
4.低リスクのため点滴の抗がん剤をおこなう場合、TC4に変更や、点滴抗がん剤なしTS-1とかに変更できないものでしょうか?
最適な術後補助療法は何になりますでしょうか?
⇒上記1の通りです。(私であればOncotyepDX結果に従い、抗癌剤は一切選択しません)
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/1
***