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①手術延期による無治療期間からの再発可能性 ②放射線治療の期限について

[管理番号:10652]
性別:女性
年齢:56
病名:左乳房癌 左リンパ節転移あり(郭清後病理検査結果3個)
症状:
投稿日:2022年10月11日

はじめまして。
質問よろしくお願いいたします。

①手術延期による無治療期間
左乳房癌 全摘(2種類①乳房内側HER2グレード不明 ki67 15%
乳房外側 HER2 グレード1 ki67 3% 大きさは術前化学療法後 ほぼわからない
くらいになったとのこと
化学療法前は最大径2cm以下
リンパ節転移したものは位置から外側の癌ではないかとのこと他石灰化したものがちらばってた)
術前抗がん剤FEC×4、ハーセプチン、パージェタ、ドセタキセル×4
2021年9月末頃に手術予定でしたが入院初日に看護師さんが不整脈に気づき、
心臓の駆出率が41%であるため手術は延期となり10月末に手術となりました。
その間無治療期間となってしまいましたが、転移の不安が消えません。

1か月の無治療期間でも転移の可能性はあるのでしょうか。

また術後再発予防投薬のカドサイラがHER2に有効な薬であり、リンパ節に転移
していた癌がHER2陰性の可能性が高いのでカドサイラではカバーできない
のではないかと主治医に聞くと分子標的薬と抗がん剤が合わさっているので
2つが外れたとき?に陰性のほうにも効くことを期待しているとの回答でした。

薬剤師さんに聞いたところHER2にしか効かないという答えでした。

どちらが正しいのでしょうか。

②放射線治療の期限について
術後14回投薬のカドサイラが今月10月末ごろに終了します。

主治医から放射線治療はしないと告げられました
理由は放射線治療は術後半年以内に行うものである(心臓の駆出率が41~48%程度でしばらく推移、最新では
54%正常の下限、高血圧と心臓を休ませる薬エンレスト、メインテート服用中、心臓の様子をみていたため)
もう術後1年経ってしまった
するしないの再発率の違いは約10%であるが現時点ではそれが確保できるかわからない
リンパ節転移が一応3個であったこと(以前主治医から術後の病理結果より抗がん剤前はもっとあった可能性もあると説明あり)
治療に期限があることを知らされておらず、循環器の主治医に聞くと駆出率40%台でも放射線治療は出来たと言われ、期限に気づかず質問をしなかった自分に後悔しています。

今からでも放射線治療をお願いするか、他の病院にセカンドオピニオンをとるべきでしょうか。
また、するしないの再発率の違いはどのくらいなのでしょうか。

長くなり申し訳ございませんが、先生の362回のコラム「~脱却するには患者さんの強い意志が必要です。Turning pointは自ら掴むしかないのです」
本当に心に響きました。

お忙しいところ申し訳ありませんがよご回答よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

1か月の無治療期間でも転移の可能性はあるのでしょうか。
⇒全く気にしないようにしましょう。
 ご安心を。

主治医に聞くと分子標的薬と抗がん剤が合わさっているので
2つが外れたとき?に陰性のほうにも効くことを期待しているとの回答でした。

⇒そもそも、理解不足です。

手術で現時点で解っている癌は全て取り除いています。
そして再発予防としては術前+術後の抗がん剤+分子標的薬全てでカバーしているのです。
★ご本人の理解不足な点は、再発予防=術後の抗がん剤(T-DM1)と思っていることです。
 実際には術前に行っているFECやdocetaxelも再発予防目的でもあるのですよ。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/10/19
***

質問者様から 【質問2】

『放射線治療の期限について』
性別:女性
年齢:56
病名:左乳房癌全摘(腫瘍タイプの違うもの2個)  左リンパ節転移あり(郭清後病
理検査結果3個)
症状:
投稿日:2022年10月19日

先日はお忙しい中ご回答頂きありがとうございました。

お蔭様で本当に安心しました。

また一度に二つの質問をしてしまい失礼いたしました。

大変恐縮なのですが、もうひとつの質問について先生のご見解をお聞かせ願えませんでしょうか。

どうかよろしくお願いいたします。

左乳房癌(2種類①乳房内側HER2陽性 グレード不明 ki67 15%
②乳房外側 HER2陰性 グレード1 ki67 3%
二つとも大きさは術前化学療法後 ほぼわからないくらいになったとのこと
化学療法前は最大径2cm以下
リンパ節転移したものは位置から外側の癌ではないかとのこと
他乳房に石灰化したものがちらばってたものあり)
術前抗がん剤FEC×4、ハーセプチン、パージェタ、ドセタキセル×4
術後分子標的薬 カドサイラ×4

『放射線治療の期限について』

術後投薬のカドサイラが10月末ごろに終了します
術後1年経ちました
分子標的薬後、放射線治療に入るものと思っておりましたが主治医から放射線治療はしないと告げられました。

理由として
・放射線治療は術後半年以内に行うものである(心臓の駆出率が48%程度で心臓の様子をみていたため時間が経ってしまった)
・するしないの再発率の違いは約10%であるが現時点ではそれが確保できるかわからない
・術後病理結果でリンパ節転移が一応3個であったこと(以前主治医から術後の病理結果より抗がん剤前はもっとあった可能性もあると説明あったことが心配です)

治療に期限があることを知らされておらず、循環器の主治医に聞くと
駆出率40%台でも放射線治療は出来たと言われ、気づかず質問をしなかった自分に後悔しています

今からでも放射線治療が有効なのでしょうか
他の病院にセカンドオピニオンをとるべきでしょうか
また、するしないの再発率の違いはどのくらいなのでしょうか

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

全摘後の放射線照射(postmastectomy radiation therapy)の適応は術前抗がん剤をする「前」の時点のリンパ節転移4個以上となります。

質問者が言うように、『以前主治医から術後の病理結果より抗がん剤前はもっとあった可能性もある』のであれば当然行うべきです。(再発率がどの程度下がるのかは不明)

放射線治療は術後半年以内に行うものである
⇒誤り。

 術後に抗ガン剤をした場合には(T-DM1はtrastuzumabやpertuzumabのような分子標的薬ではなく「分子標的薬+抗がん剤」なので抗がん剤扱いとなります)、その終了後5か月以内であればいいのです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/10/27
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