[管理番号:10108]
性別:女性
年齢:35
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年2月22日
こんにちは。
いつも大変有益な情報をありがとうございます。
35歳、トリプルポジティブ、ステージ2a、術前化学療法で完全奏効。
全摘後、タモキシフェン服用中、ハーセプチン、パージェタは秋まで投与予定です。
【質問1】主治医は、 術前化学療法により生理が止まっているため、リュープリンは併用せず、もし生理が再開した場合は併用するという治療方針です。
SOFT試験で併用に効果があるとされたのは「35歳未満」「化学療法閉経から回復した場合」とのことですが、これはどちらか一方の条件にあてはまればということでしょうか?それとも両方なのでしょうか。
化学療法で生理が止まっていても、現在35歳なので(厳密にいえば「未満」なので35歳は含まれないかもしれませんが)、リュープリンを併用しなくて大丈夫なのか不安です。
主治医の方針は妥当なのでしょうか。
【質問2】術前化学療法でハーセプチン、パージェタをドセタキセルと一緒に4クール行なったときは、副作用として下痢や皮膚の痒み、湿疹がありました。
薬剤師さんからはパージェタが原因と聞いたので、術後のハーセプチン、パージェタでも同じ症状が起こるものと構えていたのですが、術後初めてのクールを終えて3週間近く経った今、何の症状も起きていません。
皮膚の痒みや湿疹は、分子標的薬が効いている証拠と聞いたことがあり、途中から薬が効かなくなったのではないかと不安です。
分子標的薬の副作用と効き目は比例しますか?
また、分子標的薬の効き目が途中でなくなることはあるのでしょうか。
【質問3】術前化学療法で完全奏効となりましたが、抗がん剤(AC、ドセタキセル)だけの力で完全奏効になることは有り得ますか?
その説が有り得る場合、完全奏効となったものの実は分子標的薬が効いておらず、腫瘍以外にからだに散らばったHER2陽性のがん細胞が術後療法では抑えきれない可能性がありますか?分子標的薬が効かなかったらどうしようと思うと不安です。
【質問4】私のようなケースでは、術後のフォローアップとしては半年ごとに腫瘍マーカーとエコー、年1回の健側のマンモで大丈夫でしょうか。
決まりはないと思いますが、先生はどのようなフォローアップをおすすめされますか。
お忙しいことと存じますが、ご教示のほど、何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
【質問1】主治医は、 術前化学療法により生理が止まっているため、
リュープリンは併用せず、もし生理が再開した場合は併用するという治療方針です。
⇒私も「全く」同様にします。
【質問2】
下痢や皮膚の痒み、
湿疹がありました。
⇒docetaxelによる副作用でしょう。(pertuzumabでも下痢は起こりますが、皮膚のアレルギーはdocetaxelによるものですよ)
【質問3】術前化学療法で完全奏効となりましたが、抗がん剤(AC、ドセタキセル)だけの力で完全奏効になることは有り得ますか?
⇒考えすぎ(分子標的薬とdocetaxel、anthracycline全ての効果であり、「どれが一番?」など誰にも解りません。)
【質問4】私のようなケースでは、術後のフォローアップとしては半年ごとに腫瘍マーカーとエコー、年1回の健側のマンモで大丈夫でしょうか。
⇒それでいいと思います。
質問者様から 【質問2】
リュープリンの必要性とホルモン値の検査について
性別:女性
年齢:36
病名:右胸乳がん
症状:
投稿日:2022年10月21日
田澤先生、こんにちは。
いつも大変有益な情報をありがとうございます。
前回、「術前化学療法により生理が止まっているため、リュープリンは併用せず、もし生理が再開した場合は併用する」という主治医の方針に関して、田澤先生も同様のご判断をされるとのご回答をいただき安心しておりましたが、最近、下記の件で少し不安になっています。
◆たまに排卵痛のような痛みを下腹部に感じたり、おりものにうっすら茶色かオレンジのような色が付くことがあります。
主治医からは「タモキシフェンのせいで卵巣が動いているのかもしれない」と言われ、婦人科では「タモキシフェンのせいかもしれないし、生理が止まっていても、本来の生理のタイミングでうっすら出血が起きたり、子宮や卵巣の動きが起こる場合がある」と言われました。
◆子宮体がん検査後に少量の出血が3週間ほど続きました→出血があまりに長引くため不正出血を疑い、婦人科でエコー検査してもらったところ、子宮内膜も薄く、生理の再開ではなさそうと言われました。
その後、2ヶ月近く経った現在、出血は起きていませんが、ホルモン検査はしていないため(主治医に伝えても検査の提案はなし)、本当に子宮体がんの検査の影響による出血だったのか、生理再開の兆しだったのか不安です。
【質問】
(1)主治医に血液検査をしてもらえるのは年に1回のみです。
採血によるホルモン値の確認などもありません。
婦人科に相談したところ、ホルモンの数値を調べることはできるけれど、常に変動しているものなので、たとえば1週間後には違う数値になっているかもしれないし、スポット的に調べてもあまり意味がないようなことを言われました。
生理の再開が確認できていない状態では、定期的にホルモン値の検査などしなくても大丈夫なのでしょうか。
(2)上記で医師に言われたように、水面下で卵巣が動いているというようなことを言われると、生理が来ていなくても、まだ30代ということもありますし(治療開始時35歳、現在36歳)女性ホルモンの作用を抑え切れていないのでは?と不安になります。
リュープリンを打つのは、確実に生理が戻ったという現象を確認できてから(判断がつかないほどの微量な不正出血ではなく、はっきりと生理と分かるような状態)で良いのでしょうか。
希望すればリュープリンは打ってもらえるものなのか、打たなくても良い状態では打たない方が(からだの負担など考え)良いのでしょうか。
(3)SOFT試験でリュープリン併用に効果があるとされたのは「35歳未満」「HER2陰性・ホルモン陽性」の乳がんが対象との情報を見ましたが、HER2陽性の私の場合はそもそもこの条件が当てはまらないということになりますか?30代ですが、リュープリンを開始するのは、「化学療法閉経から回復した場合」で大丈夫でしょうか。
ご教示のほど、何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
もともと、化学療法閉経の状態でも(通常の閉経とは異なるために)LH-RHagonist併用していてもいいのです。
なので、質問者は30歳代で(現時点でどう判断するのか?は度外視するにしても)
いずれは月経再開は必発と考え、「今回のことを兆候と考え」併用しても何ら問題ありません。(というか、リスク回避のためには、それが、より慎重な対応といえるでしょう)
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/10/28
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