Site Overlay

再発、転移の不安

[管理番号:9924]
性別:女性
年齢:47歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年12月2日

田澤先生、罹患してから度々こちらを拝見させて頂き自分の状態と似ている質問を探しては病気の事を少しづつ理解していく日々でした。

質問したくてもずっと迷っておりましたが、やはり田澤先生のご意見をお聞きしたく宜しくお願い致します。

今年の6月中旬に会社の健診で右胸D領域に2センチ程のしこりが見つかりました。

毎年のマンモグラフィーと触診では異常なしでしたので自覚も無くて目の前が真っ暗になり不安しかありませんでした。

その後転院し、腹部造影CT、乳房MRIの検査を受け7月下旬にに確定診断でステージ2B ルミナールA、腋窩リンパ節転移あり(エコーで8ミリの腫れがあり細胞診の結果癌細胞あり)、遠隔転移はありませんでした。

その後通院の利便性を考慮して現病院に8月に転院し10月始めに全摘手術と自家組織にて同時再建し11月始めに病理結果が出ました。

右D、45×23㎜(浸潤径=病変部最大径)invasive ductal carcinoma,
scirrhous type, f Ly1, V1, 切除断端(-) ,Nuclear grading:
Grade2(Nuclear atypia :score2, mitotic count:
score2),pN1a(levell(2/7) )
pT2N1MO stage IIB
ホルモンレセプター
ER:陽性 score3b(90%)
PgR:陽性 score3b≒50%)
HER2タンパク陰性 (score 0)
Ki67 約20-25%(Hot spotで評価)
複数の脈管侵襲を伴いながら浸潤増殖するinvasive ductal carcinomaね所見です。
切除断端は陰性です。
リンパ節に転移を認めます。

上記の通りですが難しく全て理解出来た訳ではないのですが、主治医はルミナールAではありますが、抗がん剤治療をした方がいいとの判断でした。
グレードが2である事、リンパ節に転移がある事、まだ閉経前で若い事、私が再発や転移に強い不安がある事を含めてやった方が良いとの事でした。

私は抗がん剤がすごくすごく不安で出来ればやらない方向がいいと思っていましたが、再発、転移が怖いのでしっかり治療しようと11月(下旬)日から化学治療を開始しました。

EC療法を3週間ごと4回の後、タキサン系を3週間ごと4回の予定です。

投与後一週間経過しましたが副作用はそれ程酷く無くてほっとした反面、やはりルミナールAだからお薬が効いていないのでは…抗がん剤をしても無駄で再発してしまうのかも…と治療中なのに不安で仕方ありません。
少しでも効果はあるのでしょうか?

主治医に何度も細かく聞くのも緊張してしまい聞けない事もありまして、主治医はあまり気にしなくて大丈夫と言いましたがV1やLy1が陽性だから遠隔転移するのではと怖いです。

あと浸潤径が45㎜はすごく大きくて再発の因子になりますか?
診断から手術まで2か月以上無治療だった事で8月に受けた腹部造影CT検査では画像では遠隔転移がありませんでしたが無治療の2か月以上の間に転移してしまっている事はありますか?

仕事も年始めから復帰予定で、治療しながら頑張りたいって思うのにまた不安になりの繰り返しです。

ずっとこの先再発転移の不安を抱えて過ごすのかと。

私はまだまだ生きられるでしょうか。

田澤先生、私のこの病理結果で根治は望めるでしょうか。

長くなってしまい申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

物事はシンプルに考えましょう。

「主治医はルミナールAではありますが、抗がん剤治療をした方がいいとの判断でした。
グレードが2である事、リンパ節に転移がある事、まだ閉経前で若い事、私が再発や転移に強い不安がある事を含めてやった方が良いとの事でした。」

⇒これらは全く根拠がありません。

私が抗がん剤を選択するべきかどうか?に影響する因子は「Ki67]だけです。
(リンパ節転移は無関係だし、年齢もグレードも無関係)

Ki67が20-25%はグレーゾーンではありますが、(OncotypeDXが保険収載の関係で現在出来ない以上)これで判断せざるを得ないようです。
★グレーゾーンとはいえ、比較的低値なので(質問者や主治医がおっしゃるように)ルミナールAの可能性の方が高いとは思います。
 私であれば抗がん剤を強く勧めはしません。
 ご参考に。