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術前抗がん剤治療について

[管理番号:9458]
性別:女性
年齢:47
病名:左胸乳がん
症状:
投稿日:2021年6月7日

お忙しいところ申し訳ありません。

よろしくお願い致します。

経緯
5月(上旬)日 左胸にしこりを発見
5月(下旬)日 近所のクリニックにてエコー受診。

      悪性の可能性が高いので市民病院へ紹介状。

5月(下旬)日 市民病院にてマンモ、エコー、下針生検。

6月(上旬)日 左胸乳がんと告知
     しこりは近いところに2つあり 13×19×12mm
                  10×12×9mm

     腋窩に3つのしこり 13×27×15mm
               11×10×9mm
               13×9×9mm
リンパ節転移の疑い有で本日細胞をとりました。

ER0/8 Pgr0/8
トリプルネガティブ
ki67=70

とのことでした。

医師からは
術前抗がん剤を使用してから手術という説明でした。

私はこちらのQ&Aを読めるだけ読んで行ったので術前抗がん剤の危険性を確認しました。

医師からの回答は
確かに抗がん剤が効かなかった場合のリスクはあるが現在手術も2か月待ちということで何もしないよりは術前抗がん剤をした方がいい。
ということと抗がん剤の効きを確認できるという事でした。

それでは3週間毎に超音波検診していただけますか?と聞きましたら
本人にしこりが大きくなったかも?等の自覚がない以外は1種類の抗がん剤を終了した時点で一度超音波で見ます。

とのことでした。

毎回超音波検診をしてもしこりの数ミリの変化に一喜一憂するのは
患者さんにとってもあまりよくないのでは?とのお話もありました。

また、術前抗がん剤を行い、手術後にがん細胞を調べて
まだがん細胞が残っていた場合は経口抗がん剤を使う選択肢があるが
手術を先にやるとなると、経口抗がん剤は使わないので治療の選択肢が1つ減ってしまうということも言われました。

それから、手術後に抗がん剤をして再発される方は抗がん剤が効きにくかったという事で同じというような事も言ってみえました。

抗がん剤は2種類
アニスラサイクリン系 + タキサン系
とのことでした。

統計上だがトリプルネガティブは抗がん剤がよく効く方が多いので
そちらの可能性に賭けるのは良いのではないか?とのことでした。

中にはがん細胞がなくなってしまう方もいますとの事。

でも手術を先にという強い希望があればそうします。
という事も言ってみえました。

ただこれらは手術可能な場合の話であって
肝臓、肺転移が認められた場合は違ってくるということでCT検査の予定が入っています。

質問です。

①田澤先生に手術依頼し場合2か月以上待ちということはありますか?
②使う抗がん剤の種類は先生も同意見でしょうか?
③術前抗がん剤について定期的にエコーで確認して頂けるのであれば
 それも有なのでしょうか?
 またエコーで確認してしこりが大きくなるようなことがあれば
 どうしたら良いのでしょうか?
?こちらのQ&Aで遠隔転移はないというお答えを見ましたが肝臓、肺に転移するということは絶対に無いと思って良いのでしょうか?(CT検査が不安です)

抗がん剤も途中で使えなくなる方もいるようですし、
トリプルネガティブは治療の選択肢が少ないので愕然としています。

また、しこりを見つけてから1か月が経っておりせっかちなタイプの細胞だといわれたこともあり大変不安な毎日です。

分かりにくい文章で申し訳ありません。

動揺のなか必死で書いています。

お答えいただけると有難いです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「また、術前抗がん剤を行い、手術後にがん細胞を調べてまだがん細胞が残っていた場合は経口抗がん剤を使う選択肢がある」
⇒適応外診療! 今日のブログにも記載しました!(コラムにも何回か取り挙げています)

★ こんなに「堂々と」適応外診療について公言している医師の診療にコメントはこれ以上しません。

①田澤先生に手術依頼し場合2か月以上待ちということはありますか?
⇒1か月程度です。

②使う抗がん剤の種類は先生も同意見でしょうか?
⇒同意見というか…

 そもそも (再発以外の)術前術後に使用できる抗がん剤は「anthracycline]と
「taxane」しか適応がないのです。(capecitabineは適応外!)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

リンパ節覚醒について
性別:女性
年齢:48
病名:左胸乳癌
症状:
投稿日:2022年2月15日

お世話になります。

昨年7月に手術をして頂きました。
ID 〇〇 です。

その節は大変お世話になりました。

ありがとうございました。

術後、地元の病院で抗がん剤治療が始まり
先日予定通りに終えることが出来ました。

これから放射線治療となります。

リンパ節転移有りでしたので、田澤先生には
レベル3までの覚醒をしていただきました。

(術前のエコーでは鎖骨上までの転移が確認出来ます。
との事でしたが、実際には鎖骨下まで転移がありました)

先ほど、過去の先生のコラムで、鎖骨上のリンパ節は取れない(取らない)と書いてある記事を読みました。

一方、過去の先生のブログで、鎖骨上のリンパ節覚醒を何件かしました。
というような記事もありました。

私のケースではどちらだったのだろうか?と疑問に思いました。

(今更の質問になり申し訳ありません)
エコーで鎖骨上に転移は確認出来たが手術では取っておらず、放射線で治療するという事でしょうか?
その場合はリニアックで大丈夫でしょうか?
(通院している病院での放射線治療はリニアックのようです)

大変お忙しいところ恐縮です。

回答お待ちしています。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

(実際のメールには当院のID記載があったので)電子カルテを確認しましたが、
「勘違い」が大いにあるようです。

術前のエコーでは鎖骨上までの転移が確認出来ます。
との事

⇒勘違いのようです。
 術前エコーではレベルⅡまでの転移疑いでした。(鎖骨上ではありませんよ)

「たが、実際には鎖骨下まで転移がありました
⇒その通り
 鎖骨下リンパ節(レベル3)にも「病理では」転移陽性でした。
 ★こういうことを想定して
 ①(エコーでレベル1まで転移疑いなら)「レベル2まで郭清すべき」
 ②(エコーでレベルⅡまで転移疑いなら)「レベル3まで郭清すべき」

質問者は、②に相当したため(実際に)レベル3まで郭清(腋窩鎖骨下郭清)したのです。

私のケースではどちらだったのだろうか?と疑問に思いました。
⇒鎖骨上リンパ節に(画像上)転移所見は無いので、(鎖骨上リンパ節郭清は)そも
そも想定されません。

エコーで鎖骨上に転移は確認出来たが手術では取っておらず、放射線で治療するという事でしょうか?
⇒勘違い!!

①エコーで鎖骨上に転移所見はありませんよ!(前期参照)
②鎖骨上リンパ節への照射は(転移を疑うリンパ節があるからではなく)リンパ節転移が4個以上あったので行う「予防照射」ですよ!!

「その場合はリニアックで大丈夫でしょうか?」
⇒その通り。
 勘違いを大いに改めましょう!!