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乳房温存術後の化学療法の必要性について

[管理番号:1555]
性別:女性
年齢:44歳
こんにちは。
子供を4人抱える主婦です。
9月18日に左乳房温存術を内視鏡手術にて行いました。
途中の病理検査の結果ルミナールA、HER2-、ER,PGR共80%~90%、Ki67低値という事でその日からリュープリン注射と毎朝のトレミフェンの内服が始まりました。
それから2週間後に最終病理結果を聞きに行きました。
するとセンチネルリンパ微小転移があったため腋のリンパを8個採取したうち1個が転移していたというので、化学療法を勧められました。
グレードは1。断片陽性-。
化学療法をしたくないと伝えると、したほうが良いが必須ではない。
と言われ最終は私の判断という事で一旦持ち帰り2週間後に返事が欲しいと言われました。
温存なので放射線は必要かなあと思っていたのですが、化学療法が加わるなど聞いて混乱しております。
ホルモン療法を始めてぜんそくの発作などが起こるようになり、まだしていない放射線治療の不安に加えて化学療法までプラスとなると、体力的に大丈夫なのかや、日常生活の質をかなり落として生活をしなければならないかもしれないという不安に押しつぶされそうです。
直接関係はないかもしれませんが、僧房弁逸脱症も持っております。
循環器もあまり強くないので、そちらも心配です。
最終は自分で決めなければなりませんが、先生から見て化学療法の有無をどのようにお考えになられるかアドバイスを頂きたく思います。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず問題なのは適応外である「トレミフェン」を使用していることです。
もしかして「タモキシフェンの代謝異常が有る可能性を先読みしている(もしくはcyp2D6検査をして酵素異常が確認されているのでしょうか?)」可能性はあります。
乳癌学会のガイドラインでは「あくまでもcyp2D6での判断は時期尚早」と結論しています。

回答

「先生から見て化学療法の有無をどのようにお考えになられるかアドバイスを頂きたく思います」
⇒私であれば「化学療法は推奨しません」
 pT?, pN1(微小転移+肉眼的転移), luminalA, NG1ですね。
 根拠はSt.Gallen 2015 voting結果です。
 luminalAで「化学療法を追加」する因子は「リンパ節転移4個以上」です。(90%以上で抗がん剤を選択) 因みに「リンパ節転移1~3個では65%で抗がん剤は使用しない」という結果なのです。