[管理番号:1109]
性別:女性
年齢:43歳
お疲れさまです。
田澤先生の回答をいつも見せていただき心を落ち着かせております。
本当にありがとうございます。
それでは、質問させていただきます。
今年1月に左胸温存手術を受けました。
病理結果
1.5センチ
センチネル0/2
ホルモン受容体あり
HER2 +1
グレード1(術前グレード2)
Ki67 30%(術前50%)
Ki67が高い為オンコタイプをし結果はスコア12
低リスクと出たため化学療法はしませんでした。リュープリンも効果があまりみられないので省きますと主治医に言われ、放射線治療が済み今はタスオミンの服用だけです。再発転移の事が不安です。オンコタイプでは10年再発率は8%ですが信頼度は高いでしょうか。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN0, NG1, luminal type
十分な早期です。
回答
「低リスクと出たため化学療法はしませんでした」
⇒正しい判断だと思います。
「オンコタイプは21の遺伝子で個別診断を目指したものなので、より信頼度も高いと思われる」ことを承知の上でAdjuvant!Onlineで計算すると、化学療法による上乗せ効果は「僅か4%以下」となります。
化学療法を勧めるには値しないと思います。
「リュープリンも効果があまりみられないので省きますと主治医に言われ」
⇒これもSOFT試験から「正しい判断」といえます。
質問者のように「35歳以下でもなく」「リスクも低い」場合には適応は無いと思います。
「オンコタイプでは10年再発率は8%ですが信頼度は高いでしょうか」
⇒21遺伝子での評価なので、一般的な予後推定よりも「正確性が高い」と私は思います。
質問者様から 【質問2】
以前に一度質問したものです。
いつもありがとうございます。
昨日術後2年のエコー検査で術側脇に15ミリの影が映り針セイケンをして結果待ちの状態です。
早期だと思っていたのに、大変ショックを受けております。
やはり悪性の可能性が
高いでしょうか?腫瘍マーカーは変動なしでした。
脇に悪いものがあるのなら遠隔転移してるのではないかと心配です。
根治はまだ望めるのでしょうか。
不安で仕方がないです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
重要な事は「局所再発」と「遠隔転移再発」は全く別のものであることです。
このことは「担当医自身」も理解していないケースも(QandAで、よせられる内容からは)多いようなので、患者さんだけでも理解しておきましょう。
「昨日術後2年のエコー検査で術側脇に15ミリの影が映り針セイケンをして結果待ち」「やはり悪性の可能性が高いでしょうか?」
⇒画像を見ていないので、全くコメントできませんが…
強いて言えば、「針生検をしている」ことからは担当医は「疑っている」ように思います。
「腫瘍マーカーは変動なしでした。」
⇒「局所再発」だけであれば、当然マーカーは正常なのが当然です。
♯腫瘍マーカーは「全身の転移(ある程度のvolumeがある)」で上がるのです。
「脇に悪いものがあるのなら遠隔転移してるのではないかと心配」
⇒冒頭で示した様に…
「局所再発」と「全身遠隔転移再発」は無関係です。
「根治はまだ望めるのでしょうか。」
⇒「局所再発だけ」であれば、当然「根治可能」です。
○腋窩リンパ節再発ならば、純粋に「手術時の取り残し」ということになります。
(その意味では「再発」というよりは「取り残し」という表現が妥当です)
質問者様から 【質問3】
田澤先生いつもありがとうございます。
心の支えです。
先日、術側の脇に再発がみられました。
CTと骨シンチでは異常がなかったので2月(上旬)日に手術をします。
CTでは鎖骨に腫れは見られなかったとの事ですがエコーしなくてもわかるものなのでしょうか?また術後は抗がん剤を予定しています。
初発の時にリンパ転移が
あったとの事でオンコタイプの数字はあてはまらないので、との主治医の説明でした。
kiも30と高かったので、私自身も抗がん剤は必要なのかと思います。
種類としてはリンパ転移が多ければfec療法とtc療法でリンパ転移が少なく病理もよければtc療法のみになりそうです。
私の様に術後に脇のリンパ転移した方がec療法後の予後が良いと言うのを何かでみはました。
田澤先生のご意見をうかがいたです。
また脇のみにトモセラピーという事は可能でしょうか?温存なので、胸の放射線治療はしています。
○○在住ですが、田澤先生に3ヶ月に一度エコーでみていただく事は可能でしょうか?よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
今回のメール内容読みました。やはり私の危惧した通り、担当医は「局所再発=手術時の取り残し=全身療法を変え
る必要なし」ということを理解していないようですね。
(前回のコメントの抜粋)
重要な事は「局所再発」と「遠隔転移再発」は全く別のものであることです。
このことは「担当医自身」も理解していないケースも(QandAで、よせられる内容からは)多いようなので、患者さんだけでも理解しておきましょう。
○つまり、今回は(CTと骨シンチでは異常無かった事でも確認できたように)『純粋に(手術時の)取り残し』にすぎません。
手術時に取り残したリンパ節が大きくなったことと、(全身に潜んでいた癌細胞が)「全身治療が不十分なために、遠隔転移をきたした」こととは『水と油のように異なる』のです。(水も油も一件無色透明な液体という意味では比喩としてはピッタリです)
★質問者がすべきことは「局所の不具合(取り残し)は局所(手術可能なら手術、手術不能ならば放射線)で解決する」ということです。(決して遠隔転移の際のように、全身治療で誤魔化すべきではありません)
「CTでは鎖骨に腫れは見られなかったとの事ですがエコーしなくてもわかるものなのでしょうか?」
⇒「わかる、わからない」ではなく、必ず「担当医自身がエコー(腋窩~鎖骨下、鎖骨上まで)すべき」です。
もしも「担当医自らがエコーもせずに(CT画像と技師のエコーだけを見て)、手術をしようとしている」ならば…(違ってれば幸いですが)
○私は、「そんな、でたらめな治療はやめなさい」と言わざるをえません。
「また術後は抗がん剤を予定」
⇒全くナンセンスです。
担当医は「自分が手術時に取り残してしまった」という自覚はありますか?
遠隔転移とごちゃ混ぜにしているようでは、救いようがない。
「田澤先生のご意見をうかがいたです。」
⇒化学療法をする意味がありません。
物事はシンプルに考えましょう。
(良く解らないけど、何となく)「再発」と名前がついているから「抗ガン剤はやるべきかな?」的な発想は、私が最も嫌うことです。
「また脇のみにトモセラピーという事は可能でしょうか?」
⇒手術を行うべきです。
リンパ節でも「胸骨傍」や「鎖骨上」ならば放射線照射の適応ですが、「腋窩や鎖骨下」は当然手術で摘出すべき部位なのです。
「○○在住ですが、田澤先生に3ヶ月に一度エコーでみていただく事は可能でしょうか?」
⇒可能です。
正しい治療がなされることを願っています。
質問者様から 【質問4】
いつもお世話になります。
術側の脇リンパに取り残しがあり再手術をしますが、私のような局所再発症例が少ないのでしょうか?また脇リンパを取り除き治療をした場合、田澤先生のご経験ですと健存率はどれくらいでしょうか。
脇のリンパ再発は遠隔転移の前触れのような事を何かで読んで怖いです。
また脇リンパのみに再発の場合は、
初発で脇リンパに転移があったのと同等の予後予後が期待できるとも書いてある論文もありました。
何を信じて良いのか分かりません。
仕事も24年続けてきましたが、自分で気がつかないストレスがあるのかと思い今後は再発させないのを人生の目標にし、辞めた方が良いのかと考えております。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
質問者の回答に対する私の回答を読んでいますか?
私の回答は常に同じです。(その上で、担当医の治療方針を受け入れるのであれば、
「それは当然質問者の自由」なわけですが、その場合には方針が違いすぎるのでこのQandAに質問をされる意味がないように思います)
1.今回の「腋窩のリンパ節再発」は、手術時の「取り残し」であり、「遠隔転移再発とは全く無関係」
2.「局所での取り残し」にすぎないのだから、手術で(今度は)「取り残したものを取る」という極めてシンプルなものである。
3.(遠隔転移再発ではないのだから)全身療法を変える必要など全くない(抗癌剤を勧める事自体、全くナンセンス)
4.(手術時の取り残しなのだから)、今回「取り残しを切除する」ことで「最初から正しく手術されていた場合」と(予後も含めて)全く同等です。
物事は極めてシンプルです。
これ以上、私がコメントすることはありません。