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乳腺症について

[管理番号:5885]
性別:女性
年齢:40歳
ID:39○○○4
お世話になります。
左胸に2cm程のしこりを発見、貴院にてエコーの結果、乳腺拡張を伴う腫瘤が確認されたため、市川にて超音波ガイド下マンモトーム生検を実施した結果、今月16日に乳腺症との確定診断をいただいた者です。
その際は、動揺している私の質問に丁寧にご対応いただき本当に感謝しております。
ありがとうございました。
ところがその後、1週間も経たない木曜日、今度は右胸乳首直近に痛みを伴う4~5cm程のしこり?硬結?が急に発生しました(痛みで気づきましたが、先週までは間違いなく無かったため本当に驚きました)。
左胸に乳腺症のしこりが発生したこと(右胸だって症状が出るはず)、痛みを伴うこと、生理周期(生理10日前)、そして何よりたった1週間前に田澤先生に右胸も念のためエコーで気になる所見はないか確認していただいているため、今回も間違いなく乳腺症の症状なのだと考え、冷静に次回の健診(半年後に予約済み)を待ちたいと現時点では考えておりますが、この際乳腺症についてすこし質問させていただきたくメールさせていただきました。
① 現在、40歳ということで乳腺症になりやすい年代であることは重々承知しておりますが、2~3か月という期間で急に乳腺症のしこりが連続して発生することはよくあることなのでしょうか?
② 乳腺症のしこりは生理後は小さくなる?柔らかくなる?との記載を他のサイトで見たのですが、乳腺症と診断済みの左胸のしこりはそのようなことはありませんでした。
そういうこともあるのでしょうか。
③ 今回発生した右胸のしこりは、かなり痛いです。
逆に乳腺症と診断済みの左胸のしこりにはほとんど痛みはありませんでした。
これはできた場所等の違いによるものでしょうか。
④ 乳腺症(特にしこりができやすい)タイプ?体質?というも
のはあるのでしょうか?
(例えば、生理不順の人、乳腺が発達していない人、授乳経験がない人等々)
⑤ この調子(短期間でのしこり連発)だと、そのうち胸が乳腺症のしこりだらけになってしまうのではないかと心配になってしまいました。
(元々、胸が非常に小さいこともありしこりのインパクトが大きいことも影響しているのかもしれません。)今後もやはり、しこりが乳房の色々な場所に発生しやすいと考えられますか?
⑥ 私のような場合、特に気を付けること(例えば、〇〇のようなしこりや症状が発生したら半年後の検診を待たずにすぐに受診した方がよい、等)はありますか?
乳腺症のしこりがあると、乳がんのしこりとの見分けが難しい(自分では)とのことなので、貴院での定期的な検診を欠かさないよう、改めて心に誓っております。
貴重な質問枠を使ってしまい恐縮ですが、ご回答の程よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は大きな勘違いをされているようです。
「乳腺症」とは、あくまでも「(広義の)更年期もしくは(その時期でなくても)極度のストレス」によって「卵巣が不安定⇒ホルモン分泌が不安定」となることにより
「乳腺が全体或いは部分的に(線維化がおこり)硬くなったり、痛くなったり」する状況の『総称』であり特定の病気ではありません。
 その意味では以下のように、いくらでもバリエーションがあるのです。
1.しこりは殆ど目立たないが痛みだけの「乳腺症」
2.痛みよりも「乳腺の線維化=しこり」が目立つ「乳腺症」
3.痛みもシコリも無いが全体的にゴツゴツした「乳腺症」
「2~3か月という期間で急に乳腺症のしこりが連続して発生することはよくあることなのでしょうか?」
⇒勿論です。
 特に今回は質問者は(年齢的にもさることながら)癌かもしれないという「極度のストレス」に曝されたので卵巣が不安定⇒ホルモンの刺激が「より強く」誘因となっていそうです。
「乳腺症のしこりは生理後は小さくなる?柔らかくなる?との記載を他のサイトで見たのですが、乳腺症と診断済みの左胸のしこりはそのようなことはありませんでした。そういうこともあるのでしょうか。」
⇒「そういうこともある」というよりも…
 これから「更年期が終わるまで」症状が不安定となります(毎回閉経後になくなるわけではありません)
「これはできた場所等の違いによるものでしょうか。」
⇒そういう問題ではありません。
 冒頭に出した1だったり2だったり、幾らでもバリエーションがあるのです。
 乳腺症は病気ではありません。
 たんに「ホルモン分泌が不安定⇒乳腺が線維化⇒(一部あるいは全部が)硬くなる±痛み(無い事もある)」
「④ 乳腺症(特にしこりができやすい)タイプ?体質?というものはあるのでしょうか?(例えば、生理不順の人、乳腺が発達していない人、授乳経験がない人等々)」
⇒年齢やストレスなどにより様々です。
「今後もやはり、しこりが乳房の色々な場所に発生しやすいと考えられますか?」
⇒かもしれませんが…
 別に、病気ではないので心配しないようにしましょう。
「⑥ 私のような場合、特に気を付けること(例えば、〇〇のようなしこりや症状が発生したら半年後の検診を待たずにすぐに受診した方がよい、等)はありますか?」
⇒ありません。
 
 半年に1回超音波していれば、実際には「自己検診も不要」と思います。(自己検診で見つかるような大きさなら超音波で半年前には解るから)
 
 

 

質問者様から 【質問2 脇の下のしこり】

性別:女性
年齢:40歳
ID:39〇〇〇4
お世話になります。
昨年末、左胸しこりのマンモトーム生検をしていただき、乳腺症と診断していただきました。
次回、6月16日に市川にて検診を予約しているのですが、先日左脇の下に小さいながらしこりがあるのを発見してしまいました。
先生がHPで
おっしゃっているまさに②の部分です。
昨年末の時点では明らかにありませんでしたので、見つけた瞬間ぞっとしました。
尚、左胸については生検していただいたしこりの近くに、新たにしこりのようなものが発生していますが、これも乳腺症のしこりだと思っておりました。
左胸に新たにできたしこりががんで、脇の下に転移しているのではないかと恐れています。
その場合は、是非とも先生に手術していただきたいと考えております。
6月16日の診察を早めていただくことは可能でしょうか。
もし混み合っており難しいようでしたら、別の乳腺クリニックで取り急ぎ白黒つけて、(悪性の場合は)手術を依頼することも考えておりますが、今後のことを考え、取り急ぎ手術をお願いしたい田澤先生にご相談させていただきました。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
脇のしこりについては…
「何故、皆さんそんなに気になるのだろうか?」
(私には)率直な疑問ですが、こればかりは(ヒトの気持ちは)仕方がないようです。
「左胸に新たにできたしこりががんで、脇の下に転移しているのではないかと恐れています。」
⇒全くナンセンス!
 半年前にマンモトームで乳腺症と診断しているのだから「新たなシコリ」とはおそらく「マンモトームによる瘢痕(かなりの人がマンモトーム後に自覚します)」でしょう。
「その場合は、是非とも先生に手術していただきたいと考えております。」
⇒飛躍しすぎです。
「別の乳腺クリニックで取り急ぎ白黒つけて、(悪性の場合は)手術を依頼することも考えております」
⇒私が半年前に診察しているのに「隣に癌ができて、そこからリンパ節転移」などと考えるようであれば、そのようにした方がいいようです。
★事実は…
 副乳でしょう。(心配ならば受診すること自体が悪いわけではありません)