[管理番号:6722]
性別:女性
年齢:49歳
田澤先生
はじめまして
質問させて頂けることを心より感謝致します。
8月7日から両乳房全体に授乳期を思わせる様な強い張りが始まり左乳房のみから透明の分泌物が出始めました。
8月14日に紅茶を薄くしたような色に変わった為、近くの乳腺クリニックを受診し、マンモグラフィーと超音波の検査を受け問題なしと言うことだったのですが、帰宅後、分泌液が血液に変わっていました。
出血が続いた為、翌日に再診したところ8月(下旬)日に大学病院で乳管内視鏡検査を受けるようにと紹介状を書いてくださいました。
出血は左側のみで単孔性のようです。
少しですがポツリポツリと自然に出てきます。
大学病院の乳管内視鏡検査をキャンセルさせて頂き、田澤先生の診察や治療を受けたいと思い市川センターへ電話したところ、予約は11月末とのことでした。
ガンであった場合を考え、早期発見の為に 29日に乳管内視鏡検査を受けた方が良いのでしょうか?
乳管内視鏡を受ける意味はありますでしょうか。
お忙しいところすみませんが宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「8月7日から両乳房全体に授乳期を思わせる様な強い張りが始まり左乳房のみから透明の分泌物が出始めました」
「マンモグラフィーと超音波の検査を受け 帰宅後、分泌液が血液に変わっていました。」
→年齢も含めて8月7日の症状を普通に解釈すれば…
この経過からは「更年期に伴うホルモンの刺激による分泌亢進」→(マンモによる強い圧迫により)「乳管が機械的に破たん(つまり乳管内病変が原因ではない)したことによる分泌」の可能性が高そうです。
★私からみれば、上記であれば、「最低3か月程度は分泌が継続するのか?」経過を見るべきだと思います。(もしも乳管内病変ならば、3か月間継続しますが、機械的な破たんなら途中で出なくなるでしょう)
「市川センターへ電話したところ、予約は11月末とのこと」
→これでちょうどいいのです。(3か月間継続するのか判断できる)
そして、(もしも分泌が途中で止まるなら)「単なる機械的破綻」ということで、
予約をキャンセルしても構いません。(いずれ分泌が止まれば、乳管造影を含め診療ができないのです。 必要もないのですが…)
「早期発見の為に 29日に乳管内視鏡検査を受けた方が良いのでしょうか?」
「乳管内視鏡を受ける意味はありますでしょうか。」
→全くナンセンスです。
エコーして(画像で解るような)病変がないことは確認されているわけですから、
「3か月間経過をみる」ことで(万が一癌だとしても)早期発見を逃すなど1000%ありえないのです。(冷静に考えてください)
質問者様から 【質問2 乳管内腺葉区域切除について】
性別:女性
年齢:50歳
病名:
症状:血性乳頭分泌
管理番号6722
ID○○
田澤先生、お世話になっております。
先日、市川にて乳管造影検査をして頂いた者です。
診察をして頂きありがとうございました。
検査の結果、乳管内病変ということで乳管腺葉区域切除して頂くことになり、お忙しいところ申し訳ありませんが質問をさせて頂きたいことがあります。
・この病変の疑いは、乳管内頭腫か乳がんのどちらかということになりますか?
・非形成型のがんである可能性もありますか?
・エコーにも映らないほどの乳管内 の小さなシコリなのでしょうか?
・悪性であった場合は追加の手術も必要になりますか?
どのような治療になりますか?
その場合は全摘となる可能性もあるでしょうか?
とても不安でたまらず質問させて頂きました
申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
乳管腺葉区域切除後に癌だった場合に「どのような追加治療(手術を含め)が考えられるのか?」
これについては、一口に癌と言っても(状況は)「千差万別」なので「簡単に説明できない」ために、敢えて『病理結果で癌だった場合には、(何らかの)追加治療が必要となる可能性がある』という曖昧な表現にとどめています。
★次の「今週のコラム」でこの部分の説明に挑んでみますね。
「・この病変の疑いは、乳管内頭腫か乳がんのどちらかということになりますか?」
⇒それだけではありません。
特に質問者のように「分泌継続期間も短い(十分ではない)」「エコーで見えるほどの所見がない」場合には、乳腺症(閉塞する原因として「腫瘍」ではなく、「線維化」による場合も含まれます)
「・非形成型のがんである可能性もありますか?」
⇒用語的に「誤り」があります。
「非形成性」とは?
「非浸潤癌」のこと? (それとも)「腫瘤非形成性(画像上、シコリとして認識できない)」の癌という意味ですか?(そのどちらも可能性はあります)
「・エコーにも映らないほどの乳管内 の小さなシコリなのでしょうか?」
⇒その可能性が高いのです。
「・悪性であった場合は追加の手術も必要になりますか?」
「 どのような治療になりますか?」「 その場合は全摘となる可能性もあるでしょうか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
次回の今週のコラムをお待ちください。