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乳がん治療について

[管理番号:5169]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして、35歳女です。
先日、乳がんを告知されました。
精密検査はまだで、
サイズはエコー上では、8mm<最大1.3cm、
生検の結果は(3ヶ所生検)ER-100%・PgR-90%・HER2-score1+・KI67-2%となっています。
先生へお伺いしたいのですが
①生検の結果と、術後の病理検査が変わることは、先生のご経験上よくあるのでしょうか?
KI67-2%というのが…あまりにも低くて、良かったと思う反面、本当なのかな?ととても不安です。
②主治医の先生の話では、精密検査で転移など大まかな事が分かるとのことでしたが、
リンパへの転移は手術してみないと分からない事が多いのでしょうか?
③この様な状況でも、リンパ転移や血管侵襲の可能性はあるのでしょうか
リンパ転移や血管侵襲は、サイズやグレードと比例するわけではないのですか?
③手術は2ヶ月以上の待ちです。
主治医の先生の話では、10年も前からできたであろうガンで、その時から全身に転移しているのに、
そんなに急いでも病気的には意味がなく、気持ちだけの問題という事でした。
ゆっくりなガンで、手術を急ぐ必要がないとしても、ホルモン療法を急ぎたいという心情になってしまうのですが…主治医の先生は、それも意味のない事と言われました。
先生は(手術の時期が伸びることは)決定的でなくとも予後に影響があると考えられますか。
ホルモン療法が2ヶ月伸びてしまうことの、予後の影響もどう思われますか?
④乳首の近くにできた癌であるため、全摘の可能性大ですが。
温存手術の可能性がある場合、非常に迷います。
温存と全摘の場合で、再発リスクは変わりますでしょうか?
⑤病理結果が生検の結果と近いものであった場合(大人しめなガンでも)、やはり再発の可能性は数字上0ではありませんが、
先生のご経験上は、再発の可能性はどう思われますか?
再発には血管侵襲やリンパ転移が大きく関わってくるのでしょうか?
⑥再発リスクの可能性を1%でも下げる治療を望んでいますが、
主治医の先生の説明では、その様な治療はないとの事。
再発は運命の様なもの…と聞こえました。
(私の解釈では、ガイドラインに沿っての治療するのみ、予後や再発はその人の運命、という意味かなと思いました)
先生は可能性を1%でも下げる治療はないと思われますか。
長文失礼しました。
先生のご意見をお伺いできると、ありがたいです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①生検の結果と、術後の病理検査が変わることは、先生のご経験上よくあるのでしょうか?」
⇒それ程は変わりません。
「KI67-2%というのが…あまりにも低くて、良かったと思う反面、本当なのかな?ととても不安です。」
⇒アポクリン癌や粘液癌、腺様嚢胞癌などでは、ありえます。
「リンパへの転移は手術してみないと分からない事が多いのでしょうか?」
⇒顕微鏡レベルでの診断だから、そうなります。(他の部位の転移は画像診断のレベルで行うわけです)
「③この様な状況でも、リンパ転移や血管侵襲の可能性はあるのでしょうか」
⇒可能性は低そうですが(血管侵襲は不明ですが)
「リンパ転移や血管侵襲は、サイズやグレードと比例するわけではないのですか?」
⇒ある程度の傾向はありますが、「比例関係」ほどではありません。
「先生は(手術の時期が伸びることは)決定的でなくとも予後に影響があると考えられますか。」
⇒其の程度(2カ月)なら関係ないと思います。
「ホルモン療法が2ヶ月伸びてしまうことの、予後の影響もどう思われますか?」
⇒殆ど影響は無いでしょう。
「温存と全摘の場合で、再発リスクは変わりますでしょうか?」
⇒「再発」は「局所再発」と「(全身の)遠隔転移再発」に明確に分けましょう。
 「局所再発」は全摘ならゼロ、温存だと(術後照射しても)5-10%程度位はあります。
 「遠隔転移再発」には差はありません。
「先生のご経験上は、再発の可能性はどう思われますか?」
⇒早期だから、当然低いとは思います。
「再発には血管侵襲やリンパ転移が大きく関わってくるのでしょうか?」
⇒血管侵襲は無関係ですが…
 リンパ節転移は「ステージの因子」なのだから、当然再発リスクと関係します。
 ♯ステージは「浸潤径」と「リンパ節転移」で決まるのです。
「先生は可能性を1%でも下げる治療はないと思われますか。」
⇒答えになっていないかもしれませんが…
 
 標準療法をきちんとすることです。