[管理番号:3451]
性別:女性
年齢:42歳
田澤先生、はじめまして。
初投稿です。
どうぞ宜しくお願い致します。
私は一昨年の9月にマンモ・エコー・細胞診・針生検の結果、乳癌と診断されました。
【H26年9月結果:サイズ1.8cm、ER40%、PR30%、
HER2+3、=ルミナルbのHer2陽性】
その後、セカンド・サードオピニオンを受け、12月に転院しました。
(ここまで無治療)
H27年1月からホルモン剤(タオスミン)を飲み始め、4月に左乳癌温存手術を受けました。
【H27年4月結果:サイズ2.1×1.1×3cm、ERのトータルスコア4、PRのトータルスコア3、
Her2+3、Ki-67は36%、核スコアG2(トータル7点)、リンパ管侵襲3、静脈侵襲1、リンパ転移なし0/5】
その後、引き続きタオスミンを飲み続けながら、2ヶ月毎の触診はクリア。
半年後のエコーもクリア。
そしてちょうど1年後にCTをして、今年5月に腋窩リンパ節に
再発?転移?が発覚しました。
先生に腋窩リンパ節摘出手術を勧められ、7月に手術を致しました。
【H28年7月結果:サイズ2.3×1.8cm、LN6/13(レベル1が
6/12、レベル2が0/1)、ER(TS=2、旧分類-、J-scoreは1)、
PR(TS=0、旧分類-、J-scoreは0)、HER2+3、Ki-67は50%】
ちなみに今までの治療方針は先生の勧めではなく、私が無理を言ってホルモン剤のみにしていただいていました。
そして田澤先生にお伺いしたいことですが、5つ御座います。
①以前はルミナルbのHer2陽性だったのに、今回はホルモン陰性でHer2タイプと言われました。
よくわからないのですが、ホルモン剤が効いてホルモン陰性になっただけですか?
それとも以前の乳癌と違う癌なのでしょうか?(異時多発?)
②今回は転移なのでしょうか、再発なのでしょうか?
少々調べたところ、局所再発と領域再発とあるみたいなのですが、私のケースはどちらになりますか?
③『2年以内の領域リンパ節再発例の予後は特に不良で、再発後の5年生存率はわずか19.5%
(日本放射線腫瘍学会より引用)』というのを見つけましたが、私はこのケースに当てはまりますか?
違うのでしたら、私のケースの予後はどのような感じになりますか?
(無治療の場合、標準治療の場合、分子標的薬または放射線治療のみの場合)
④昔からストレスがかかると肋間神経痛みたいな痛みを時々感じていましたが、この度さらにその頻度が増した気がします。
さらに頭痛も時々いたしますし、術側の肩の奥?(前も後ろも側面も)や首筋も度々キュンキュンと痛みます。
どうしても遠隔転移が気になってしまいます。
術後まだ1ヶ月も過ぎていないので、痛みはこんなものですか?
それとも術後すぐになりますがPETもしくはMRIなど検査したほうがいいですか?
(ちなみに主治医にも痛みを伝えたところ、肋骨や周辺をエコーする?とおっしゃってくださいましたが、
エコーだけで充分でしょうか?私としては脳や肺などが気になりPETをしたいのですが・・・。)
⑤私のケースの場合、田澤先生でしたら、今後どのような治療方針をオススメしますか?
(主治医は放射線→分子標的薬+抗癌剤・・・という提案です。
私は分子標的薬のみを希望なのですが・・・。)
質問は以上の5点になります。
田澤先生、本当にお忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞ御回答を宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容は良く理解しました。
「サードオピニオンまでしている」「私が無理を言ってホルモン剤のみ」
⇒このあたりから、質問者は(自分の置かれている状況を十分理解しながらも)自分で治療を選択するタイプであることだと判断しました。(それで間違いありませんね?)
それは、それでいいのですが、(局所再発した以上)『今度は、後悔の無い治療を選択すべき(今回は幸い局所再発でしたが、その次はそうとは限らないのです)』
「ホルモン剤が効いてホルモン陰性になっただけですか?」
⇒こう考えると解り易いです。
「ホルモン療法が強力に効くタイプ①」と「ホルモン療法があまり効かないタイプ②」が混ざっているとして、ホルモン療法により①が選択されて消滅した結果②が残ったということです。
「 それとも以前の乳癌と違う癌なのでしょうか?(異時多発?)」
⇒1000%違います。
「②今回は転移なのでしょうか、再発なのでしょうか? 少々調べたところ、局所再発と領域再発とあるみたいなのですが、私のケースはどちらになりますか?」
⇒局所再発です。(転移ではありません)
初回手術で「センチネルリンパ節のみ」とっていますが、(すり抜けた癌細胞が)「腋窩リンパ節に(手術時に)存在していた」のですが、それが「1年かけてゆっくり増大した」ということです。
「私はこのケースに当てはまりますか?」
⇒違います。
ただの(手術時の)取り残しです。
「 違うのでしたら、私のケースの予後はどのような感じになりますか?
(無治療の場合、標準治療の場合、分子標的薬または放射線治療のみの場合)」
⇒NewAdjuvent.comが繋がらないので不明ですが…
基本的には「追加郭清(局所療法)」することで、予後は変わらないと思います。
「放射線照射」とありますが…
(温存術後なのに)温存乳房照射もしていなかったのですか?それとも、「腋窩が照射野に入っていなかった?」のでしょうか?(照射は同部位には2度はかけられません)
「 術後まだ1ヶ月も過ぎていないので、痛みはこんなものですか?
それとも術後すぐになりますがPETもしくはMRIなど検査したほうがいいですか?」
⇒不要です。
(局所再発の術前に)PETしていないのですか?
「私としては脳や肺などが気になりPETをしたいのですが・・・。」
⇒全く症状が違います。
「⑤私のケースの場合、田澤先生でしたら、今後どのような治療方針をオススメしますか? (主治医は放射線→分子標的薬+抗癌剤・・・という提案です。」
⇒当然ながら…
初回術後に、標準療法である「抗HER2療法(ハーセプチン+抗ガン剤)」をしていないわけですから、それを行います。
順番は 「ハーセプチン+抗ガン剤(TCなど)」⇒放射線(初回術後に照射していないのであれば)⇒「ハーセプチン単剤」となります。
「私は分子標的薬のみを希望なのですが・・・。」
⇒決して「ハーセプチンの単独」はしてはいけません。
ハーセプチンのみのエビデンスはありません。(必ず抗がん剤との併用が必要です)
一度失敗したとしたら、今度は「標準治療すべき」です。