[管理番号:3263]
性別:女性
年齢:44歳
はじめまして。
先生にお話を聞いて頂きたくメール致しました。
まず、去年9月にマンモの検診を受けて異常なしと言われました。
安心していたのか、しこりに気付かず
6月末にしこりがあることに気付き、すぐ病院に行って見ていただいたら
100%に近い確率で乳がんと言われました。
その時、検査したのはマンモとMRIをしました。
しこりが5センチ近いと言われました。
大学病院の検査を進められて行きました。
大学病院で
(中旬)日に再度、MRI、(下旬)日に針生検の予定です。
9月に検診を受けて6月に約5センチのしこり。
急にそんなに大きくなるものなんでしょうか?
しこりが大きいので転移の可能性もありますか?
最近、肩から背中が痛いです。
たまに息苦しい時もあります。
関係あるでしょうか?
不安で怖くてたまりません。
子供も3人いて母子家庭なので働かなくてはなりません。
手術してもすぐに働く事もできますか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「大学病院で(中旬)日に再度、MRI、(下旬)日に針生検の予定です。」
⇒ひどい話です。
前医でMRIを撮影しているのに「今いち、見難いなー。もう一度撮ってくれる?」ですか???
これが「非常に微妙な病変ならまだしも」5cmの腫瘍ですよね? そんな必要がありますか?
大学病院は、全く常識がありません。(大学は何でも許されるとでも思っているのでしょうか? すみません。愚痴でした。 ただ、2回も立てつづけにMRIを撮影など質問者がかわいそうです)
「9月に検診を受けて6月に約5センチのしこり。急にそんなに大きくなるものなんでしょうか?」
⇒大変な勘違いです。
これが「9月の検診が超音波だった」ら、話は別です。
つまり「マンモでは小さい腫瘍が見逃されていただけ」だと思います。(超音波をしていたら、間違いなく腫瘍が見つかっていた筈です)
「マンモでは解りにくかった(若年者には良くあることです)」だけです。
「急に大きくなった」わけではありません。
御心配なく。
「しこりが大きいので転移の可能性もありますか?」
⇒リンパ節に関しては、可能性はあります(超音波で見てもらってください)
遠隔転移はありません。御心配なく。(無駄な骨シンチやCTは断るべきです。
医療被曝の問題があります)
「最近、肩から背中が痛いです。たまに息苦しい時もあります。関係あるでしょうか?」
⇒ありません。
御心配なく。
「手術してもすぐに働く事もできますか?」
⇒勿論です。
乳癌の手術は「極めて低侵襲」です。
例えば当院では「全摘でも3泊4日」なので、若い人は「その週のうちに仕事復帰」しています。
何ら「安静を要することは無い」のです。
質問者様から 【質問2】
先日はありがとうございます。
先生のお言葉が心強く、不安な気持ちを安心に変えていただきました。
やはり、乳がんと告知されました。
腫瘍の大きさが5センチくらいと言われてましたが再度、MRIの結果、
5センチ以上と言われました。
なぜ大きくなっているかと尋ねたら、小さいのがたくさんあって
突然、まとまってしこりに触れるようになった。
運が悪かったと言われました。
そんな、事があるのでしょうか?
超音波でリンパを見ていただきました。
目に見えるものは今の所、ないようです。
手術の時に生検をしての転移しているか確定すると言われました。
来週、骨シンチをすることになりました。
先生から必要ないと言われてましたので、必要性はないのでは・・・と、
言いましたがしてもらわないといけないとのことでした。
被爆の事も言いましたが大丈夫との返答でした。
必要性はほんとにありますか?
CTもしたところ、肺、肝臓とも転移はしてないとのことです。
タイプは来週、結果が出るとのことでした。
タイプがわからないと今後の治療もわからない、術前に抗がん剤使用も・・と、言われました。
私は手術を先だとは思うのですが。
腫瘍が予想以上に大きく広範囲でしたので動揺しております。
手術は1ヶ月以上、先かもしれないとのことです。
今、リンパに転移は見られないようですが、手術が先だと転移も考えられますか?
今、わかっているのは以上です。
先生のご意見をお聞かせていただければと思います。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「来週、骨シンチをすることに」「してもらわないといけないとのこと」「被爆の事も言いましたが大丈夫」
⇒これだから「大学病院の医師」は…
それ以上のコメントは敢えて省略します。
「必要性はほんとにありますか?」
⇒ありません。
「タイプがわからないと今後の治療もわからない、術前に抗がん剤使用も・・と、言われました。」
⇒サブタイプも解らないのに「大きいから、先に抗ガン剤」とは全くひどい話しです。
勿論、「そのままでは温存できないが、ご本人が温存を希望する」場合であればいいのですが、どうもそうではないようですね。
「私は手術を先だとは思うのですが。」
⇒「小さくして温存」という希望がなければ、そうすべきです。
「大きい」ことは「化学療法の適応とは無関係」です。
「今、リンパに転移は見られないようですが、手術が先だと転移も考えられますか?」
⇒その程度の期間であれば大丈夫です。
質問者様から 【質問3】
以前、質問させて頂きました。
先生のお言葉が安心となり支えとなり感謝致しております。
8月(下旬)日に右乳房切除をしました。
(左も、怪しいものがあると言われ少し取りましたが良性でした)
その際、センチネルリンパ節生検をし5個のうち1個転移7㎜でリンパ節郭清をしたとのことでした。
結果、19個とり最初の1個だけとのことでした。
病名は浸潤癌 小葉癌・腫瘍の大きさ 4cm・癌の顔つきの悪さ グレード3・
脈管浸潤 有り・ホルモン感受性 高度反応性・HER2 2+(FISH陰性)・
Ki-67 78.2%・切除断端 陰性・ステージ2B
今後の治療
1、化学療法 3週間に1回
AC療法ドキソルビシン15分・シクロフォスファミド30分
2、化学療法 3週間に1回または1週間に1回
3、放射線治療 月曜~金曜日5日間×5週間
4、内分泌治療 5~10年間(注射3ヶ月もしくは半年に1回併用の可能性有り)
説明は以上でした。
今更ですが、やはり7㎜あればリンパ節郭清はしなくてはいけなかっのでしょうか?
術前は放射線治療なしとの事でしたが術後、リンパ節の転移があったので追加になりました。
1個7㎜あれば、放射線をするべきでしょうか?
Ki-67が高すぎる今はまだ、目に見えての転移はしてないが・・・と、言われ不安になっております。
私の癌は、そんなにやっかいなんでしょうか?再発転移の可能性は高いでしょうか?根治は難しいのでしょうか?
先生でしたら、どのような治療をされますでしょうか?大学病院の先生と同じお考えでしょうか?
先生のおっしゃる通りやるべき事をやるだけなのですが、不安でいっぱいです。
他の方と同じ様な質問で申し訳ございません。
先生のお言葉を支えとして治療をがんばっていきたいと思っております。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
pT2(40mm), pN1, luminalB
luminalBとなるので化学療法は必須となります。(私であれば、ルミナールでの化学療法は質問者のようにアンスラタキサンではなくTCとしますが)
リンパ節転移1個なので放射線照射は不要と思います。
内分泌療法は抗癌剤終了後、化学療法閉経から回復した場合にはLH-RHagonist
併用が必要です。
「今更ですが、やはり7㎜あればリンパ節郭清はしなくてはいけなかっのでしょうか?」
⇒2mm以上であれば仕方が無いとは思います。(この辺りは施設間で差が有りますが一般的には)
ただし、術前同意書で「どのようにするのか、事前に」合意されていたと思います。
「術前は放射線治療なしとの事でしたが術後、リンパ節の転移があったので追加になりました。1個7㎜あれば、放射線をするべきでしょうか?」
⇒4個以上でないので不要と思います。(郭清追加をしていないのであれば、話は別ですが)
「Ki-67が高すぎる今はまだ、目に見えての転移はしてないが・・・と、言われ不安になっております。私の癌は、そんなにやっかいなんでしょうか?再発転移の可能性は高いでしょうか?根治は難しいのでしょうか?」
⇒こういう無意味で余計なことを言う医師の気がしれません。
Ki67は、あくまでも「細胞分裂期にある細胞の割合=増殖スピード」と関連しては
いますが、「増殖」と「転移能力」は全く別次元の話です。
Ki67は予後因子ではなく、「化学療法の判断」のために用いましょう。
「先生でしたら、どのような治療をされますでしょうか?大学病院の先生と同じお考えでしょうか?」
⇒違います。
TC+タモキシフェンを行い(放射線照射はしません)
その後「化学療法閉経から回復したら」LH-RHアゴニストを併用します。