[管理番号:6614]
性別:女性
年齢:31歳
初めまして、お忙しい中失礼致します。
不安な事がありますので相談させて下さい。
半年ほど前から左胸の乳房の一部が硬くなった感じのしこり、生理と関係ない痛みも続いたため先月クリニックでマンモとエコー、その後の針生検で先月末浸潤性乳管癌が確定し、専門の大病院へ紹介状をもらい週明けに診察して頂きました。
サブタイプなど数値はまだ結果待ちです。
現在PET MRI済み、次回CT+脇の細胞診を行い、それらの結果を踏まえた診察が二週間後なのですが、不安なのが2日ほど前から突然乳輪部分(しこりの上層)に1センチ弱程のボコッとしたしこりが出来、それがズキズキと痛いです。
全く触れなかったものがここ2日ほどで突然出てきたので、これはがんが皮膚に浸潤してきたのでしょうか?こんなに早くしこりができることはあるのでしょうか?
中から突き破ってきそうで怖くて寝返りも打てません。
皮膚表面には特に異常はありませんが、しこりのできた乳輪部分はぼこぼことなって乳首が少し陥没してしまった感じです。
これは直ぐにどうこうということはあるのでしょうか?大きな病院なので連絡してもすぐに見てもらえるか分かりません。
また、現在左乳房外側上下に渡り5センチ以上のしこり、脇にも石灰化が見られ腫れている?状態です。
主治医によるとリンパ転移の可能性があり手術の際は郭清が必要になるだろうということですが、CTなどの結果も出ていない段階でその見解ということはかなりひどい状態なのでしょうか?
私は全摘の手術先行を希望していますが主治医によると希望はなるべく聞くがこの状態だと術前化学療法も視野に入れるべきとのことでした。
サブタイプなどデータがない状態で難しいとは思いますが…先生なら今の段階で考えられる進行度や今後の治療方針などどうお考えになるでしょうか?
次回診察の際の参考にさせて頂きたいです。
この不安な状態のままあと二週間待たなければならないのがとても辛いです。
お忙しいとは思いますが、ご回答頂ければ幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
31歳の女性に、「何の躊躇いもなく」PETやCTを撮影していることに憤りを感じます。(個人的感想です)
「全く触れなかったものがここ2日ほどで突然出てきたので、これはがんが皮膚に浸潤してきたのでしょうか?こんなに早くしこりができることはあるのでしょうか?」
→それはありません。
ご安心を。
「これは直ぐにどうこうということはあるのでしょうか?」
→それもありません。
ご安心を。
「CTなどの結果も出ていない段階でその見解ということはかなりひどい状態なのでしょうか?」
→そんなことはありません。(そもそも、リンパ節は超音波で判断します。)
PETを撮っているのに(PET自体そもそも不要ですが)、更にCTを撮影するのは何故??
「この状態だと術前化学療法も視野に入れるべきとのこと」
→???
「リンパ節転移がある=術前抗がん剤」だと考えているなら、困ったものです。(そんなことでは、まともな手術ができなくなってしまうことでしょう)
「サブタイプなどデータがない状態で難しいとは思いますが…先生なら今の段階で考えられる進行度や今後の治療方針などどうお考えになるでしょうか?次回診察の際の参考にさせて頂きたいです。」
→「小さくして温存」という希望がないようなので、当然「手術先行すべき」です。(患者さんが「全摘、手術先行」を希望しているのにリンパ節転移を理由に術前抗がん剤を強制するなど、とんでもないことです)
サブタイプはこの場合無関係であり、(あくまでも)術後にどのような薬物療法をやるべきか?のためにあるのです。
☆「手術(全摘)」→術後(サブタイプに応じた)薬物療法(リンパ節転移4個以上なら放射線も適応あり)となるのです。
物事はシンプルに考えましょう。
○進行度(ステージ)は主治医に聞いていないのですか?
「腫瘍の大きさ」と「リンパ節転移の個数(画像上)」が解らないと判断できません。
「5cm以上のしこり」と「リンパ節転移あり」から判断すると
cT3, cN1(リンパ節転移3個以下), cStageⅢA もしくはcT3、cN2(リンパ節転移4個以上9個以下), cStageⅢA
上記どちらでもステージは同じです。