［管理番号:915］
性別:女性
年齢:53歳
今日は。
いつも勉強させて頂いてます。
お忙しいところ、申し訳ありませんがまた質問させて下さい。
私の場合の10年生存率と10年無再発率はどの位になりますでしょうか？
55歳
ER　80%
PGR　陰性
Her2　陰性
核グレード２
ki67　45%
リンパ節転移　1個
腫瘍径　28×10×10（mm）
〇無治療の場合
〇タモキシフェン5年継続のみした場合
〇FEC+タキサン系のみした場合
〇タモキシフェン+化学療法の両方をした場合
で、教えて頂けると助かります。
 

田澤先生からの回答

　こんにちは。田澤です。
　pT2(28mm), pN1, luminal Bの「術後療法」による効果についてですね。

回答

「10年生存率と10年無再発率はどの位になりますでしょうか？」
⇒「10年生存率」は
〇無治療の場合：61.1%
〇タモキシフェン5年継続のみした場合:70.2%
〇FEC+タキサン系のみした場合:70.6%
〇タモキシフェン+化学療法の両方をした場合:77.3%
⇒「10年無再発率」は
〇無治療の場合:39.4%
〇タモキシフェン5年継続のみした場合:56.2%
〇FEC+タキサン系のみした場合:55.7%
〇タモキシフェン+化学療法の両方をした場合:68.6%
 
 

 

質問者様から　【質問２　訂正事項あり　及び追加質問
】

先生
お忙しいところ大変恐縮なのですが、前回送りましたメール内容に間違いが
ありました。
改めて教えて頂けないでしょうか？
訂正事項：
年齢55歳→53歳
ki67　45%→19%
また、ノルバデックスの副作用についてですが、年齢を考慮して、抗ホルモンの提案は無く、ノルバデックスの服用だけだったのですが、この場合、血中エストロゲンの値が高くなる（2～3倍に跳ね上がる）人がいるとの事。
なる人とならない人との原因は明らかになってますか？
また、血中エストロゲンが高くなる事で２次的に乳がんを促進することはないんでしょうか？
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から　【回答２】

　こんにちは。田澤です。
訂正事項：
年齢55歳→53歳
ki67　45%→19%
ですね。
　Adjuvant!Onlineでは「Ki67の値は用いない」ので、それ程前回と変化ありませんが、下に数値を出します。
 
「10年生存率と10年無再発率はどの位になりますでしょうか？」
⇒「10年生存率」は
〇無治療の場合：61.1%⇒61.7
〇タモキシフェン5年継続のみした場合:70.2%⇒70.9%
〇FEC+タキサン系のみした場合:70.6%⇒71.3%
〇タモキシフェン+化学療法の両方をした場合:77.3%⇒78.1%
⇒「10年無再発率」は
〇無治療の場合:39.4%⇒39.8%
〇タモキシフェン5年継続のみした場合:56.2%⇒56.7%
〇FEC+タキサン系のみした場合:55.7%⇒56.2%
〇タモキシフェン+化学療法の両方をした場合:68.6%⇒69.3%

回答

「血中エストロゲンの値が高くなる（2～3倍に跳ね上がる）人がいる」
⇒その通りです。
 　
「なる人とならない人との原因は明らかになってますか？」
⇒タモキシフェンによる卵巣への直接作用によると言われています。
　つまり、「卵巣の反応性の違い」だと思います。
 
「血中エストロゲンが高くなる事で２次的に乳がんを促進することはないんでしょうか？」
⇒「血中エストロゲンの上昇」しても、（それ以上の効果で）エストロゲンをブロックしていることは間違いありません。
　実際に、「強力に対側乳癌の発生を予防」していることにより、それは明らかです。