[管理番号:1535]
性別:女性
年齢:31歳
ネットで心配を解消しようと探していると私の気になることが分かりやすく載っており、的確な回答がいただけると思い、質問をさせていただきます。
文章が分かりにいことあるかもしれませんがよろしくお願いします。
職場で30歳、31歳と乳ガン検診を受けました。
去年は、9か月のこどもの授乳中だったのですが、両乳頭周囲のかゆみがかなりあったため、触診とエコーを受け、乳汁分泌中とのみ書かれ、異常は言われませんでした。
今年は、妊娠中だったのですが、脇の痛みをよく感じていたため、8月に触診とエコーを念のためしました。
結果は、左乳腺線維腺腫疑いで、2~3か月後に乳腺外来受診し再検査をするよう書かれていました。
このとき、触診では、固いものはないねと言われてはおり、その後エコーしていたら、違う機械のある部屋に移ることになり、固さか何かを測ると言われ、気にはなっていました。
2か月後、産休にも入り、妊娠35週で出産が近いのもあり、乳腺外来を少し早めに受診しました。
3月末まで授乳してたのと、妊娠中だからか、両乳房からは透明~白や黄色っぽい多孔性分泌物があります。
分泌物の細胞診と癌胎児性抗原を調べました。
あとは、触診とエコーをし、1週間後の結果を聞きました。
エコー上、左外側に2箇所、9ミリと11ミリの腫瘤があり、細胞診はクラス3と左側だけに出たといわれました。
そのため、再度、針生検することになりました。
癌胎児性抗原のことは結果を聞いてないのと、以前のエコーで測った固さはそんなに固くはないみたいと言われています。
1.今、現在考えられるとは何でしょうか。
2.指摘された2箇所以外にも脇や乳房にしこりのようなものを感じる気がします。先生やエコーの技師さんに言っても、妊娠中はよくあることといわれますが、これは、病変ではないのでしょうか。
3.針生検の結果を聞くのがさらに一週間後としてももう出産間際(実は38週帝王切開予定)なので、心配でたまりません。過去二人とも完全母乳で1年以上飲ませていたので、3人目はどうなるのだろうとも思います。
長文て申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず気づいたのは「妊娠中の多孔性分泌の分泌液検査をしている」ことです。
全く「無意味な検査」です。 何のために行っているのか「担当医自身」理解してやっているのでしょうか?(分泌液=分泌液細胞診、CEAみたいな五郎丸的ルーティーンでしょうか?)
分泌液は本来、「乳管内病変の有無」の手掛かりです。それ以外の意味はありません。
「乳管内病変は単孔性でのみ」意味を持つのです。
回答
「今、現在考えられるとは何でしょうか」
⇒全く手掛かりがありません。
唯一の手掛かりは「最初のエコーでの線維腺腫疑い」ということです。
そうすると、「線維腺腫」が最も疑われると言えます。
♯分泌液のクラス3は全く無意味です。
「指摘された2箇所以外にも脇や乳房にしこりのようなものを感じる気がします。先生やエコーの技師さんに言っても、妊娠中はよくあることといわれますが、これは、病変ではないのでしょうか」
⇒エコーで出ていないと言う事は「心配無い」と思います。
ただ、「技師さんのエコー」だったのですね。残念です。
★もしも「医師自ら」質問者の「気になるしこり」を確認しながら、「その場で超音
波をしていたら」質問者がそんな不安を感じなくても済んだ話ですが…
「針生検の結果を聞くのがさらに一週間後としてももう出産間際」
⇒癌の可能性は低いと思いますが…(線維腺腫疑いだった訳ですから)
万が一、乳癌と言う事になれば、「当然、出産後に治療」となります。
「乳癌の治療には」それほどの影響はありません。
質問者様から 【質問2】
お忙しいところ、申し訳ありませんが、再質問させてください。
以前の質問の回答で、妊娠中の多孔性分泌物の細胞診は、全く意味がないと、言われておりました。
指摘病変の左のみにクラス3が出たから、針生検と言われましたが、クラス3は気にせずいたらいいん
ですよね。
直接細い針等での細胞診でクラス3だったら、やや問題であったということですか。
とりあえず、29日に針生検をうけますが、これは、組織診をするのでしょうか。
診断確定される検査なので、不安です。
というのも、8月の乳ガン検診時は、エコーで乳腺線維腺腫の疑いであったのですが、先日の乳腺外
来でのエコー画像は、2つのうち一つは横長扁平にみえましたが、もう1つは、横長扁平だが、上
に鏡餅のようにのった凸上の形にみえました。
境界は素人目にですが、はっきりしてる感じには思いました。
先生の紹介されていたエコーの浸潤画像のようで怖いです。
先生の見解をいただいて、心を落ち着かせて、29日の検査に行きたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「指摘病変の左のみにクラス3が出たから、針生検と言われましたが、クラス3は気にせずいたらいいんですよね」
⇒その通りです。
「直接細い針等での細胞診でクラス3だったら、やや問題であったというこですか」
⇒そうなります。
その場合には「増殖性の乳頭状病変」であることが多いのです。癌の可能性もでてきます。
「29日に針生検をうけますが、これは、組織診をするのでしょうか。」
⇒その通りです。
組織診を行うやり方として
①(バネ式)針生検…一般的に針生検というとこれを指します。
②(吸引式)針生検…いわゆる「マンモトーム生検」です。
③外科的生検…手術して「腫瘍の部分を摘出」することです。
「横長扁平だが、上に鏡餅のようにのった凸状の形にみえました。境界は素人目にですが、はっきりしてる感じ」
⇒「境界明瞭」が最も重要な所見といえます。
形は「余程、不整形でもない限り」心配は無さそうに思います。
質問者様から 【質問3】
以前、妊娠中の腫瘤で、線維腺腫疑いにて質問させていただきました。
針生検の組織診結果聞いてきましたが、分か
らないことがあり、質問させてください。
二つの腫瘤の組織診して、無意味な検査と言われていましたが、その際、ついでにと、以前クラス3であった左側の多孔性浸出液の細胞診もしました(無意味なのでは…と言えませんでした)
それぞれ結果は、細胞診はクラス1になっており、組織診は、線維腺腫ではなく、授乳性腺腫といわれました。
線維腺腫とは、別物なんでしょうか。
組織診結果もらいたかったのですが、もらえず、診断名のみ書いてくれました。
読み取れたのが、悪性所見はみられない、分葉状とか妊娠中とのことで、授乳性腺腫としても考えられるなどでした。
ただ、先生は、腫瘤の内部変化が妊娠中にて増殖したものか分からないので、経過を見ましょうと言われました。
分葉状とか何かの変化があやしいものなのか、なにを意味していたのか、その時は、悪性ではないというのを聞くのが精一杯でした。
葉状腫瘍とか、線維腺腫とか授乳性腺腫は組織診でしっかり確定診断としてつくものですか。
もう4日後に出産です。
過去二人とも1年以上完全母乳でしたので、よくでるほうですが、授乳性のものなのに、行ってもいいのでしょうか。
経過は3か月あとにエコーとマンモといわれましたが、妥当でしょうか。
お忙しいところ、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「組織診は、線維腺腫ではなく、授乳性腺腫といわれました。線維腺腫とは、別物なんでしょうか」
⇒別物です。
「授乳期腺腫」は妊娠授乳期に生じる(上皮だけが増殖した)「epithelial tumor
上皮性腫瘍」です。
これに対し「線維腺腫」は(上皮と間質の両方の成分が増殖した)
「fibroepithelial tumor線維上皮性腫瘍」です。
「葉状腫瘍とか、線維腺腫とか授乳性腺腫は組織診でしっかり確定診断としてつくものですか」
⇒有る程度つきます。
「上皮性腫瘍」(授乳期腺腫)か「線維上皮性腫瘍」(線維腺腫や葉状腫瘍)かは「区別できます」
○線維上皮性腫瘍である「線維腺腫」と「葉状腫瘍」の鑑別は「時に困難」とはなります。
「授乳性のものなのに、行ってもいいのでしょうか」
⇒「授乳性腺腫」は良性疾患なので、全く構いません。
「経過は3か月あとにエコーとマンモといわれましたが、妥当でしょうか」
⇒「授乳中にマンモは情報量が少ない」とは思いますが…
良性なので「経過を見るとしても」半年でいいと思います。
質問者様から 【質問4】
以前、質問させていただいておりまして、お世話になりました。
無事、出産を終え、2週間ほど経ちました。
やはり、産後は、乳房も張り、しこりどころか、自己検診もわからないです。
まさしく、乳瘤だなというのは、搾乳後に、消えるのでわかります。
出産前に、組織診で授乳性腺腫と診断されましたが、これは、授乳を続け、母乳が分泌され続けることで、大きくなったり、増えたりするのでしょうか。
そうなることでの弊害はありますか。
授乳自体は乳ガンのリスクが減るのですよね。
このまま、自己検診もままならないまま、授乳を続けていることが少し気になります。
そして、2月の経過観察のときのマンモは意味あるのか、搾乳をしっかりしてから行った方がいいのでしょうか。
また、授乳中に気を付けて、自身で見ておくべきことはありますか。
産休中、仕事してないと考えてしまうことも多く、質問させていただきました。
ご多忙のこととおもいますが、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「母乳が分泌され続けることで、大きくなったり、増えたりするのでしょうか」
⇒良性なので「あまり変化はない」と思います。
「このまま、自己検診もままならないまま、授乳を続けていることが少し気になります」
⇒授乳は無関係です。
「授乳中は自己検診がままならない」ことは誰しも共通です。
だから「定期検診が必要」なのです。
「2月の経過観察のときのマンモは意味あるのか、搾乳をしっかりしてから行った方がいいのでしょうか」
⇒マンモは殆ど無意味だと思います。
超音波で十分です。
「授乳中に気を付けて、自身で見ておくべきことはありますか」
⇒自己検診です。
ただ、「2月に定期検診がある」のだから、それほど神経質になる必要はありません。