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造影MRI

[管理番号:5664]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生、初めまして。
7月の健康診断で要精密検査になり、9月半ばに右の乳がんがわかりました。
今わかっていることは
ルミナルB
HER2陰性
ki-67 39.1%
ステージ1
大きさは13ミリですが、造影MRI検査では別の場所にも広がりがあると言われます。
その造影MRI検査で、対側の左胸の乳頭近くに染まりがありました。
その部分をエコーで確認し、針生検をする予定でしたがエコーでは見つからず(担当医師ではなく技師によるもの)左胸は経過観察となりました。
乳がんと診断されてから乳がんプラザを参考にしているのですが、Q&Aで田澤先生が、ある質問に対し、
MRIで見えたものであれば、エコーで見える筈です。
というコメントを
していたので、
今回の左胸のものがエコーで確認できなかったのは、技師の腕にもよるなのか、小さすぎてエコーに映らなかっただけなのか、心配です。
針生検できないくらい小さいものだったと聞いていますが、針生検ができる大きさはどのくらいなのでしょうか?
術後はホルモン療法+化学療法と言われていますが、化学療法には抵抗があります。
オンコタイプDXをする予定です。
この件でも乳がんプラザを参考にして
いるのですが、術後の病理結果が出てからオンコタイプDXをやるかどう
か決めればよい、と回答されていたのですが、私もそのように選択ができますか?
手術と同時に乳がんの組織を用いて行うと説明されているので、術後の病理結果を見て化学療法をするかしないかを決めることはできないと思っていました。
術後の病理結果を見てオンコタイプDXをやらないと選択することもできますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「今回の左胸のものがエコーで確認できなかったのは、技師の腕にもよるなのか、小さすぎてエコーに映らなかっただけなのか、心配」
⇒画像を見ていない私にコメントできる事は…
 MRIの所見は「それ程大したものではない」のでは?ということです。
 エコーでみて「大したものではない=乳腺症?」であれば、(MRIがどうであれ)問題にする必要はありません。
「針生検できないくらい小さいものだったと聞いていますが、針生検ができる大きさはどのくらいなのでしょうか?」
⇒エコーで見えるもので「針生検ができない」などということは全くありません。
 つまり「2mmでも3mmでも」見えれば、できます。
「術後の病理結果が出てからオンコタイプDXをやるかどうか決めればよい」
⇒それでいいのです。
「手術と同時に乳がんの組織を用いて行うと説明されている」
⇒これは95GCのことだと思います。
 95GCでは「手術時にサンプルを採取」しなくてはならないのです。
 OncotypeDXは「いつでもオーダーできる」のです。
「術後の病理結果を見てオンコタイプDXをやらないと選択することもできますか?」
⇒勿論です。
 通常はそれが普通(つまり、まずは術後のKi67値で判断する)です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

性別:女性
年齢:41歳
田澤先生にまた再度相談です。
よろしくお願いします。
11月末に右胸の温存手術をし、病理結果が出ました。
(術前)
ルミナルB
HER2陰性
ki-67 39.1%
ステージ1
(術後)
浸潤がん
腫瘍の大きさ 10ミリ
組織型 充実腺管がん
グレード 3
リンパ節転移 なし
脈管侵襲 なし
ホルモン受容体 陽性
HER2 陰性
ki67 39%
ルミナルB
ステージ1a
全体を通して見るとホルモン療法単独で良いかもしれないが、ルミナルBタイプになるので化学療法追加になる。
でも抗がん剤をしても効きにくいかな?と言われました。
抗がん剤はできればやりたくないのでオンコタイプDXをしたいと言ってきました。
次回の診察でオンコタイプDXを申し込み、結果が出てから、
抗がん剤治をするとしたら抗がん剤治療を半年間行い、その後にホルモン療法をすると言われました。
抗がん剤が効きにくい??ならホルモン療法単独でオンコタイプDXもせずに治療を早く開始した方が良いのではないかと思ったのですが、対側の造影MRIで染まりがあった部分や目に見えないがんに対して抗がん剤の効果があるのかも?といろいろ考えて悩んでしまいます。
抗がん剤が効きにくいタイプってあるのでしょうか?
オンコタイプDXをしてから治療に入った方が良いでしょうか?
田澤先生でしたらこの病理結果でどのような治療をされますか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT1b=10mm, pN0, pStage1
完璧な早期癌です。
10年前なら、「抗癌剤をしようか?」など言われなかったでしょう。
ただ(化学療法を迷うならば)Ki67=39%はグレーゾーンだからOncotypeDXすべきです。
「全体を通して見るとホルモン療法単独で良いかもしれないが、ルミナルBタイプになるので化学療法追加になる。」
⇒超早期癌だから当然、このようになります。
「でも抗がん剤をしても効きにくいかな?と言われました。」
「抗がん剤が効きにくいタイプってあるのでしょうか?」

⇒一般的に(もしもルミナールBであったとしても)「(たのサブタイプと比べれば)ルミナールタイプは抗癌剤が効きにくい」という意味で言っているようです。
「抗がん剤治療を半年間」
⇒これは「アンスラサイクリン+タキサン」のことのようですね。
 ただ、ルミナールタイプだしTC(3カ月)が妥当な気がしますが…
「抗がん剤が効きにくい??」
⇒これは誤解です。
 もしも「ルミナールBなら、抗癌剤の上乗せはある」のです。
「対側の造影MRIで染まりがあった部分や目に見えないがんに対して抗がん剤の効果があるのかも?」
⇒根拠がありません。
 物事はシンプルに考えましょう。
「オンコタイプDXをしてから治療に入った方が良いでしょうか?田澤先生でしたらこの病理結果でどのような治療をされますか?」
⇒OncotypeDXでいいと思います。