[管理番号:1219]
性別:女性
年齢:54歳
急ぎの質問ではありません。時間があったらお願いします。
先生の患者さんで、リンパ浮腫になってしまった人はどのくらいの割合ですか?
どんな時にリンパ浮腫になったんでしょうか?
皮膚を傷つけない、重い物を持たないなど注意はしていますが、
どのくらい注意したらいいのかわかりません。先日、指を切ってしまって、
リンパ浮腫になるのではないかと思い慌ててしまいました。
わきの下の違和感は少しあります。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
リンパ浮腫についてですね。
腋窩の解剖は「理解するのがやや難しい」ところです。
「腕からのリンパ管」と「乳腺からのリンパ管」がどこで交差して、「リンパ管を極
力保護する手技」ができるかが鍵となります。
研修医やそのレベルの医師が(それらを意識せずに)「一切合財、郭清」してしまう
と、そのリスクは飛躍的に高まると言えます。
これは「手術精度で全く異なる」領域なので参考になるかどうか。
回答
「先生の患者さんで、リンパ浮腫になってしまった人は どのくらいの割合ですか?」
⇒私は2000人以上執刀していますが、「リンパ浮腫となった方」は数人しか思い浮か
びません。
正確なデータとは言えませんが、「1%以下」とは言えます。
「どんな時にリンパ浮腫になったんでしょうか?」
⇒患肢を傷つけて、その後感染をかぶった重度の「蜂窩織炎」となり「患肢浮腫」と
なった方はいらっしゃいます。
「どのくらい注意したらいいのかわかりません」
⇒(手術精度によって異なるので、執刀医への確認が必要です)
因みに私の患者さんには
「センチネルリンパ節生検だけ」の患者さんには「全く注意は不要」としていま
す。
「腋窩郭清」した患者さんには「重いものを長時間持たない(一瞬に持ち上げたり
するのはOK)」「怪我には気を付ける」とはお話しています。