[管理番号:574]
性別:女性
年齢:41歳
先生、質問させて下さい。
田澤先生の今までのご経験上から、リンパ節転移陽性の方で再発される割合は一体どれほどあるのか伺いたいです。(数やサブタイプにもよるのでしょうが)
また因みに、その再発の無かった中で、最も多かった転移数はだいたいいくつでしたでしょうか。私は転移.3つ(タイプはルミナルA、ステージ2b)あったのですが、リンパ節転移陽性=予後不良というキーワードをよく目にするので、少しでも元気付けられるお話をお聞きしたく、質問させて頂きました。お忙しい中恐縮します。
いつでも構いませんので、どうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
リンパ節転移についてですね。
気になる気持ちは良く解ります。
ネットなどで検索すれば「幾らでも悪い情報」はあるでしょう。
私の持っているデータでは10年生存率は「リンパ節転移なしで92%」「リンパ節転移4
個で84%」とあります。
私の経験上は「どちらも、もう少し成績は良い」ように思います。
「リンパ節転移」と「腫瘍径」は予後因子ではありますが、それ程悲観するものでは
ないのです。
回答
「リンパ節転移陽性の方で再発される割合は一体どれほどあるのか伺いたいです」
⇒上記のとおりです。
大雑把に言えば15%程度でしょう。
「その再発の無かった中で、最も多かった転移数はだいたいいくつでしたでしょうか」
⇒私の覚えている中では「10個以上の方も何人もいます」
リンパ節転移については「10個以上でも、節外浸潤が無ければ」意外と予後は悪く
ないと思います。
やはり手術をしていて「リンパ節が周囲に浸潤していてコロッと取れない=節外浸
潤」の場合には「再発高リスク」と思います。
○ステージ2bと言う事は pT2, pN1, pStage2B, luminalA だと思いますが、ホル
モン療法が良く効くタイプであり、悲観するものではありません。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、早速のご回答を読ませて頂きました。大変心強い内容でしたので、今までよりも希望を持つことが出来ました。ありがとうございます。
すみません、さらに質問させてください。腫瘍経2・7cm・ルミナールA(k67-11%)の今後の治療法ですが、ホルモン療法のみでも10年85%の無再発率なのでしょうか。
ホルモン療法でも今あるかもしれない見えないガンが死滅する事が出来るのでしょうか。ルミナールBなら抗がん剤がまだ効いて、予後も良かったのでしょか。
また、全体で「節外浸潤」をしている率はだいたいどれ位でしょうか。(次の外来の時に主治医に私のはどうだったのか聞いてみたいと思います)
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
リンパ節転移の個数だけで「再発率」を想像する事はできませんが、先日のデータは「全ての治療をした上での」ものです。
回答
「ホルモン療法のみでも10年85%の無再発率なのでしょうか」
⇒ホルモン療法+化学療法をした上での値です。
ルミナールAで「化学療法をするべきか」という是非はありますが…
「ホルモン療法でも今あるかもしれない見えないガンが死滅する事が出来るのでしょうか」
⇒現実に「予後を改善」しているわけですから、その効果はある筈です。
「ルミナールBなら抗がん剤がまだ効いて、予後も良かったのでしょか」
⇒確かに「抗癌剤は効き易い」とは思いますが、「ルミナールBの場合には」ベースとなる再発率がルミナールAよりは高いので「予後が良くなる訳ではありません」
『「節外浸潤」をしている率はだいたいどれ位でしょうか。」』
⇒これはかなり低いと思います。
データは持ち合わせていませんが、10%以下でしょう。