[管理番号:5764]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生はじめまして。
母親が8月末にしこりを見つけ通院しはじめてからこのサイトに出会い、何度助けていただいたかわかりません。
いつもありがとうございます。
10月下旬に右胸全摘手術を受けた母の病理の結果が出ましたので初めて質問させていただきます。
stage1 浸潤径 11mm pt1c
リンパ節転移 なし
脈管浸潤 なし
ホルモン受容体 弱陽性(ほぼ陰性というお話でした)
HER2 1+
核グレード 3
ki-67 30-40%
luminal B like
術後の再発予防治療として抗がん剤と様子を見てホルモン剤とのお話でした。
抗がん剤はアンスラサイクリン系のEC療法を4クール+ジーラスタとタキサン系(パクリタキセル、ドセタキセル)を12クール行います。
ここで質問が4点あります。
①母は以前健康診断で洞性不整脈と診断されたことがあります。
アンスラサイクリン系の抗がん剤は心機能が低下するリスクがあり、抗がん剤投与開始前に心エコーをするのですが、これに引っかかり投与ができないということはありますでしょうか?
②田澤先生のたくさんの方に対するお答えを拝見して参りましたが、母のようなケースで抗がん剤とホルモン剤治療をすれば再発リスクが10%程になることは理解しました。
医学的に低リスクということはわかりますが、私からすると10%も高い確率のように思えてしまいます。
実際のところ先生が診られてきた患者さんでこのようなケースの再発の頻度は
どのくらいなのでしょうか?再発はやはり運次第としか言いようがないのでしょうか?
③ホルモン受容体がほぼ陰性ということですが、このような場合でもホルモン剤によって再発リスクを下げることはできるのでしょうか?
④ジーラスタの副作用についてですが色々な方の体験談を見ると痛みがひどいようです。
これはほとんどの方に見られる症状ですか?
ご回答のほどよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「洞性不整脈と診断」「投与開始前に心エコーをするのですが、これに引っかかり投与ができないということはありますでしょうか?」
⇒洞整不整脈は正常範囲です。
心配ありません。
「実際のところ先生が診られてきた患者さんでこのようなケースの再発の頻度はどのくらいなのでしょうか?」
⇒感覚的には「5%未満」に思います。
「再発はやはり運次第としか言いようがないのでしょうか?」
⇒0ではないのですから…
究極的にはそういうことです。
「③ホルモン受容体がほぼ陰性ということですが、このような場合でもホルモン剤によって再発リスクを下げることはできるのでしょうか?」
⇒1%でもあれば、行うべきとなっていますが…
本当のところは解っていません。
「④ジーラスタの副作用についてですが色々な方の体験談を見ると痛みがひどい」
⇒この手の記事は…
「症状が酷い」人がネットに書きこむから、生まれるバイアスです。
実際には(圧倒的に多い)副作用の殆ど無い人達は敢えて、「ジーラスタの副作用はない」などの記事をネットに書きこむと思いますか??
人間の心理として「酷く無いことを、酷く無い」とはわざわざ表明しませんが、
「酷くて大変だった時には、(声を大にして)凄く大変だったよー!!」的に言いたくなるのです。
「これはほとんどの方に見られる症状ですか?」
⇒私はTCの方全てに投与していますが…
ジーラスタの副作用を訴える方は、「ごくごく少数」です。
質問者様から 【質問2 】
肺がん検診にて要経過観察になりました
性別:女性
年齢:54
病名:
症状:
投稿日:2021年11月8日
久しぶりにご質問させていただきます。
あれから母の術後治療も終わり、今は半年に1回のペースで経過観察をしております。
今回母が市の肺がん検診(胸部レントゲン)を受けたところ、要経過観察との診断でした。
結果は詳しく書かれていなかったですが、電話をしたところ怪しいところはあるがすぐ検査するレベルではなく、1年後にまた検査を受けてくださいとのことでした。
毎回の経過観察には胸部レントゲンが含まれていないので前に撮ったのはずいぶん前になります。
この場合、乳がんの転移の可能性は高いでしょうか?
来週ちょうど半年に1回の乳がんの検診があります。
そちらでそのことを伝えてレントゲンを追加で撮ってもらい見ていただいたほうがいいのでしょうか?
また、肺の異常が癌だった場合、乳がんの転移の可能性か肺の原発がんの可能性かどちらが高いでしょうか?
まだ経過観察の段階ですが、4年経ち安心していたので再び不安に襲われています。
どのようにしたら良いかご意見をお伺いしたいです。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「電話をしたところ怪しいところはあるがすぐ検査するレベルではなく、1年後にまた検査を受けてくださいとのこと」
⇒さすがに…
「1年後でOK]と言われた程度で悩むのは辞めましょう。(悪性を疑った場合に「1年後でいい」とはならないと思いませんか?)