[管理番号:1115]
性別:女性
年齢:41歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
田澤先生、
先日はお忙しい中的確なご回答をいただき
ありがとうございました。
先ほど、先日の手術時に行われた検査結果を
入手したので再度ご質問させていただきます。
まず、乳がんの方ですが以下のようなサブタイプとでています。
Estrogen receptor : Positive (3/5, 8, Strong) Progesterone receptor :
Positive (3/5, 8, Strong)
Her-2 (c-erb B2) : Negative (0)
Her-1 (EGFR): Negative (0)
P53 : Positive (1+)
Ki-67: <10%
A. Sentinel lymph node #1 (FS)
B. Non-sentinel lymph node #1 (FS)
C. Non-sentinel lymph node #2 (FS)
D. Resection margin, 3 o'clock (FS)
E. Resection margin, 6 o'clock (FS)
F. Resection margin, 9 o'clock (FS)
G. Resection margin, 12 o'clock (FS)
H. Right breast cancer
Diagnosis:
A-H) Breast, (right), breast conserving operation:
- Invasive ductal carcinoma, nuclear grade 2/3,
histologic grade 2/3, 0.7cm in greatest dimension,
with 1) intraductal component : 15% / EIC(-),
nuclear grade 2/3, without necrosis.
2) lymphovasclar invasion: not identified.
3) tumor infiltrating lymphocytes: <10%.
4) no involvement of resection margins
(2mm from closest 12 o'clock resection margin).
5) metastasis in 1 of 3 lymph nodes (1/3)
(sentinel LN #1, 1/1;
non-sentnel LN #1, 0/1;
non-sentinel LN #2, 0/1)
(metastasis tumor size : 5mm,
without extranodal extension).
- Microcalcification present.
まず、上記が今回施術の組織検査結果です。
微小転移と聞いていましたが、0.5cm ということは
普通の転移と捉えるべきでしょうか。
上記の結果からルミナールAタイプと思いますが、
今後の治療法として抗がん剤は必要でしょうか。
前回、手術直後の担当医の話では抗がん剤が必要かも
言われました。
これは微小転移と言っていたセンチネルリンパ節のせいでしょうか。
あと、6人いた叔母の中で一人が乳がんだったため、
担当医が抗がん剤を進めるのではとも思いました。
大変お忙しいところ、誠に申し訳ないですが
先生のアドバイスを是非とも頂きたいです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(7mm), pN1(5mm), luminal A, NG1
私であれば、化学療法を勧めません。
TAM+RHagosistとします。
明らかなルミナールタイプAであり、浸潤径も小さい(7mm)、リンパ節転移も1個だけ
なので化学療法は不要と思います。
♯St. Gallen 2015では「ルミナールAで1~3個の転移は化学療法はしない」と
votingした専門家が2/3を占めています
回答
「微小転移と聞いていましたが、0.5cm ということは普通の転移と捉えるべきでしょ
うか」
⇒2mm以下が「微小転移」なので、「通常の転移」といえます。
「今後の治療法として抗がん剤は必要でしょうか」
⇒不要です。
冒頭に示した通りです。
「抗がん剤が必要かも言われました。これは微小転移と言っていたセンチネルリンパ
節のせいでしょうか」
⇒担当医の中では以下の3つがあると思います。
①リンパ節転移(5mm)
②若い(41歳)
③異時性両側
①~③どれも私には根拠としては極めて乏しいものです。
①と②という意味では(化学療法ではなく)LH-RHagonistを検討すべきと思いま
す。
「6人いた叔母の中で一人が乳がんだったため、担当医が抗がん剤を進める」
⇒ご本人が両側とは言え、一方は「ルミナール」一方は「非浸潤癌」では「遺伝性乳
癌を強く疑う」ものでは無いと思います。
仮に「遺伝性乳癌と仮定しても」化学療法を勧める根拠にはなりません。