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抗がん剤の必要性

[管理番号:1180]
性別:女性
年齢:31歳
乳癌と診断されてからいつも読ませていただき、勇気を貰っています。
先生は忙しい中回答していて、こんなにすばらしい先生がいることに感激していま
す。
ぜひ先生のアドバイスをいただきたいと思います。お願いします。
今年2月に細胞診、組織診にて乳癌の診断
3月に温存のopeをしました。
病理結果
浸潤性乳菅癌
(充実腺癌>乳頭腺菅癌>硬癌が混ざりあってる)
大きさ 2.3×1.4cm
切除断片陰性
リンパ節転移なし
病期 pT2N0M0, ステージ2A
ホルモン共に陽性
HER2陰性
Ki67 10%程度
核グレード1
以上から放射線、タスオミン、リュープリンをしていますが、主治医より年齢が若い
ため、抗がん剤を強く勧められましたが、子供もまだ小学生と幼稚園児で行事も多く
やりたくなく、断ってしまいました。
でも再発の不安も拭いきれず、自分で決めた事とは言え、心配な日々を送っています。
他の回答を見ても、ルミナールAでは抗がん剤必須ではないと拝見しましたが、私の
ように31歳での方を探せず、忙しいとは思いましたが、質問をさせていただきまし
た。
今若年性乳癌も多くなってきてると聞きますが、31歳でも抗がん剤をしなくてもよ
かったでしょうか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(23mm), pN0, luminalA, NG1
十分な早期乳癌です。
31歳とはいえ、「若年性乳癌だからといって化学療法を勧める」根拠はありません。

回答

「31歳でも抗がん剤をしなくてもよかったでしょうか」
⇒抗がん剤は不要と思います。
 以前は「若年であること」を高リスクとする事がありましたが、今ではそれは誤り
で「比較的高率に遺伝性乳癌を含んでいたから」という解釈がされています。
 遺伝性乳癌では「トリプルネガティブが多く」当然化学療法が必須であるわけで
す。
 但し、質問者は明らかな「ルミナールA」であり、「核グレード1」でもあり抗が
ん剤の上乗せ効果は「限定的」と思います。
○現在行っている「タスオミン、リュープリンをしています」で十分だと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

この度は素早く回答いただき、本当にありがとうございました。
田澤先生からの回答を読み、とっても安心しました。あまり不安にならず、今してい
る治療が最善だと思い、日々を大事に元気に生きて行こうと思います。
田澤先生はとても忙しいとは思いましたが、もう1つだけ質問をさせてください。
リュープリンを今現在の予定では、2年間やる予定ですが、Q&Aで35歳以下では
リュープリンは有効だと記述がありましたが、2年後はまだ33歳なので、35歳まで
やった方がいいのでしょうか?
それとも、タスオミンを5年やるつもりなので、それで大丈夫でしょうか?
もしよろしければ、回答をお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
LH-RHagonistの指摘投与期間に関しては「コンセンサスが得られていない」のが現状
です。
ただ、St.Gallen 2015では「半数以上のvotingが5年間」としていることは注目すべ
きところです。

回答

「2年後はまだ33歳なので、35歳までやった方がいいのでしょうか?」
⇒5年間がいいと思います。
 「指摘投与期間」は不明とはいえSt.Gallen 2015 では「半数以上が、5年投与」と
しているのです。
 30代前半ならば、なおのこと「5年間がいい」と思います。
 
 

 

質問者様から 【感想3】

度重なる質問に回答いただき、本当にありがとうございました。
田澤先生の回答を読み、リュープリンを5年間しようと思います。
知らないことが不安に繋がっていたり、色々な情報に惑わされてしまったりしました
が、このサイトと出会いとっても安心しました。
また乳癌かもしれない…と不安になり、病院に行くのに時間を要しましたが、田澤先
生が早期発見を強くすすめていて、病院に行く勇気も持てました。
田澤先生は診療や日々の勉強(回答を見ていると日々勉強しているのがよくわかりま
す)そしてこのQ&Aの回答で本当に多忙な日々を送っていると思います。どうかお体を
大事にしてください。
この度は本当にありがとうございました。
質問でないのにメールしてしまいすみません。