[管理番号:3245]
性別:女性
年齢:60歳
6月(上旬)日に左乳房温存手術、センチネルリンパ節生検を受けました
浸潤性乳管がん
8×7×3mmの腫瘍
リンパ節転移なし
ステージ1
ホルモンの感受性あり
HER2陰性
癌の増殖能力41%
これからの治療方針は、基本的には、放射線とホルモン剤治療となりますとの話でした
増殖能力が高いので抗がん剤治療検討してくださいとの説明をうけて
抗がん剤治療を受けるか迷っています
抗がん剤を受けるか、受けないか、本人が決めてくださいと言われて迷ってます
保険適用外のオンコタイプDXの説明も受けましたが費用が高額なので決めかねています
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN0, luminal
完璧な早期癌です。
一昔前(5年~10年)であれば「ホルモン療法単独で誰も異存なし」だったわけですが、
「Ki67の概念が導入:Ki67の値でluminal A/Bを分けてBには化学療法を行う」からは「本当に必要かな?」と内心思いながらも患者さんには「抗がん剤の適応はあります」と言わなくてはならないのです。
「抗がん剤を受けるか、受けないか、本人が決めてくださいと言われて迷ってます」
「保険適用外のオンコタイプDXの説明も受けましたが費用が高額なので決めかねています」
⇒上記コメント通りです。
決して「抗がん剤による上乗せ」は大きくは無いと思いますが「適応」はあります。
どうしても迷うならば(高額ですが)「OncotypeDX」で納得することです。
質問者様から 【質問2】
6月上旬左乳房温存手術
浸潤性乳管がん・8×7×3mmの腫瘍・リンパ節転移なし
ホルモンの感受性あり・HER2 陰性 ・Ki67 41%
ステージ1 ・ ルミナールB
現在放射線治療をしています
抗がん剤を上乗せするか迷ったためオンコタイプDXを受けました
ER 11.0
PR 3.4
HER2 9.4
スコアー 29
オンコタイプDXの結果は中リスクなので抗がん剤の上乗せ治療をするか迷ってます
ホルモン治療のみと抗がん剤+ホルモン治療の場合との上乗せ効果はどれ位違いますか?
先生の患者でしたら抗がん剤の使用をすすめますか?
よろしくお願いします
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「オンコタイプDXの結果は中リスクなので抗がん剤の上乗せ治療をするか迷ってます」
⇒中間リスクは「抗ガン剤によるbenefitが小さい」ことは、レポート(貰ってますよね?)にも記載があるのでご確認ください。
「ホルモン治療のみと抗がん剤+ホルモン治療の場合との上乗せ効果はどれ位違いますか?」
⇒これはご自分のレポート(貰ってますよね?)にグラフが入っているので、読み取れる筈です。
「Tam alone」と「Tam+chemo」の差が、すなわち「上乗せ」です。
おそらく5%前後になると思います。
「先生の患者でしたら抗がん剤の使用をすすめますか?」
⇒8mmの時点で(そもそも)抗癌剤は勧めないと思います。
更に(Oncotype DXで)「中間リスク」なのだから抗癌剤は当然しません。