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乳癌術後の抗がん剤について

[管理番号:4570]
性別:女性
年齢:53歳
乳がんの手術後のことで質問いたします。
50代女性です。
一月(下旬)日頃左胸にしこりを発見いたしまして、左内側上部乳癌(紡錐細胞癌)と診断され、
腫瘍サイズが2.3×2.1×1.7cm、リンパ節への転移はなし、他臓器への転移なしで臨床病期ステージⅡといった形で
3月(中旬)日に部分切除の手術をいたしました。
最終的な病理結果はまだ出ておりませんが、ER:0% Pgr:0% HER-2:0 Ki67:10-30% 腫瘍径2cm
リンパ節転移なしとのことです。
主治医の先生は、微小転移の克服のために抗がん剤の治療を進めてきますが、
私としては、抗癌剤の必要性を感じることができず、可能であれば抗癌剤を使用しない方向で考えております。
紡錐細胞癌にはあまり抗癌剤が意味がないということも聞いたりしたものでして…
以上のことを踏まえて先生のお考えをお聞かせいただければと思います。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(2.0cm), pN0, triple negativeですね。
早期癌ですが、トリプルネガティブである以上、抗ガン剤は必須となります。
紡錘細胞癌は抗癌剤が効果が乏しいとは言われていますが、それはあくまでも「術前 抗がん剤で目に見える腫瘍縮小効果が無い」ことが多いというだけのことです。
術後補助療法として「効果が無いことは証明されていません(症例数が少ないので大規模臨床試験は組めない事情)
「以上のことを踏まえて先生のお考えをお聞かせいただければと思います」
⇒乳腺専門医として「化学療法を提案しないわけにはいかない」ことは事実です。
 ただ、「抗癌剤の必要性を感じることができず、可能であれば抗癌剤を使用しない」という考え方ならば、「無治療」は十分選択可能です。