[管理番号:4075]
性別:女性
年齢:46歳
田澤 篤 先生
妻(46歳)が乳がんと診断され先月11月(中旬)日に左乳房全摘手術を受けました。
先週病理診断結果が出て以下の通りでした。
(病理診断)
Invasive ductal carcinoma , scirrhous c
carcinoma , left breast , surgical
浸潤径(最大径) 7.5cm ly1(HE) , v1(EVG) , n
nucler grade 3(atypia 3 ,mitosis 2)
pN1mi(frozen), 断端 0.5mm
4IH : ER(+,75%) , PgR(+,50%) , HER2/neu(2+) ,
Ki-67(+,41.3%) DISH待ち
(所見)
全摘乳腺を7スライス。
外側領域に硬癌が広がっている。
大小の結節状、浸潤性に増殖。
No21(おそらく切除部位)、で神経内分泌性格を思わせる非浸潤癌成分がみられる。
(ア)No21で皮膚側剥離面から0.5mmと
と近接しているが明らかな露出はみられない。
内側方向へ乳管内伸展がみられる。
なお、医師からは口頭で以下のことを告げられました。
・進行度 3A
・センチネルリンパ節へ微小転移1個(郭清はしない)
・HER2の検査結果については12月(上旬)日に連絡
・今後の治療方針について
抗がん剤治療(CEF4回→ドセタキセル4回(HER2陽性の場合は並行してハーセプチン18回)) *将来的にホルモン治療
*12月(上旬)に結果報告と今後の治療方針決定する予定
担当医と話す前に田澤先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。
・所見の(ア)から断端は陽性になるのではないか。
それで
あれば追加切除もしくは放射線治療等の局所療法は必要ないのか。
・「将来的にホルモン治療」に関して、相談の余地があればいつからお願いすればよいか。
お忙しい中大変申し訳ありませんが、上記の件を含め、田澤先生のお考えや診察時に担当医に確認する事をご教示いただきますようお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
Ki67=41.3%であれば「ルミナールBとして化学療法を選択」することに誤りはありません。
ただし、(本当に化学療法による上乗せがあるのか?)少しでも疑問であれば「OncotypeDXすべき」です。
♯もしもDISHでHER2陽性となった場合はOncotypeDXは適応外となります。
「・所見の(ア)から断端は陽性になるのではないか。」
⇒皮膚剥離面は問題ありません。(担当医がきちんと剥離したという認識があれば)全く問題ありません。
「それであれば追加切除もしくは放射線治療等の局所療法は必要ないのか。」
⇒担当医が「自信を持って、必要無し」としているのであれば何ら問題ありません。
「・「将来的にホルモン治療」に関して、相談の余地があればいつからお願いすればよいか。」
⇒抗ガン剤と併用でも構いませんが…
吐き気の副作用など考え「無理せずに、抗ガン剤後開始」するといいでしょう。
「田澤先生のお考えや診察時に担当医に確認する事」
⇒焦点は
①化学療法が本当に必要か?
②化学療法のメニューは?
①に関しては、(冒頭でコメントした通り)Ki67だけで判断するなら、当然「ルミナールBとして抗ガン剤すべき」となります。
ただし、少しでも疑問があれば、OncotypeDXすべきです。
♯もしもHER2陽性ならば、選択の余地はない(抗HER2療法すべき)となります。
②担当医は「アンスラ+タキサン」を提示していますが…
ルミナールタイプでの抗ガン剤にはTCがあります。
治療期間(アンスラ+タキサン:6ヵ月)vs (TC:3カ月)となりますので、ライフスタイルを含めた検討が必要です。