[管理番号:2329]
性別:女性
年齢:39歳
初めまして。
長文ですが、ご相談したくメール致します。
2015/12に針生検後、右胸の乳がんとの告知を受けました。
現実を受け止められず、毎日泣いてばかりです。
告知後PETCT・MRI追加検査済みです。
病理検査は下記の内容が記載されていました。
臨床診断 右AC乳癌疑い
(乳房上内側(A)右/乳房上外側(C)右)
1)papillotubular carcinoma
ER.PgRがほぼ100%陽性
HER2が2+ ki-67が5~10%
臨床診断 右乳腺症疑い
(乳房上外側(C)右)
2)papillotubular carcinoma
ER.PgRがほぼ100%陽性
HER2が1+ ki-67が10~20%
左胸
左乳腺生検では乳管や小葉を豊富に見ますが、異型細胞の増生はありません。
全ての検査結果後担当医より下記の説明を受けました。
ステージ1
しこりの大きさは1.6
DISH・FISHでHER2陰性
現時点ではリンパ節転移は見られない
サブタイプがルミナルAタイプの為ホルモン治療
【全摘】
1)皮下乳腺全摘(乳頭・乳輪温存)/同時再建(インプラントによる一次一期再建または一次二期再建)
センチネルリンパ節生検の有無については説明があったと思いますが覚えていない為次回の診察のときに確認します。
温存で自家再建の話もありましたが、再発のリスクを考えると怖くて全摘、インプラントでの再建を希望。
また、左胸については針生検後乳がんの疑いはないとの病理検査結果でしたが、エコーで見てみるとしこりの形が気になると言うことで、右胸の手術の際に再度しこりの病理検査を受けます。
(MRIでは判断しずらいとのことです)
手術中、乳頭にガンがあれば胸筋を残しての全摘との説明がありましが、この病理診断の範囲内で乳頭・乳輪温存の皮下乳腺全摘は可能なのでしょうか?
また、乳頭にガンがある確率はどのくらいでしょうか?
2箇所ある内の1箇所の乳がんの位置(上内側と上外側のだいたい真ん中ぐらい)も気になり手術・再建方法の決断ができません。
先生ならどのような手術、再建を提案されますでしょうか?
先生のご意見をお伺いしたく、宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
右乳癌(ACとCの同時多発)ということですね。
cT1c(16mm), cN0, luminalA
十分な早期乳癌です。(多発自体はたまたまです)
ただ、「左の確定診断ができていない」というのには困ったものです。
「MRIでは判断しずらいとのこと」
⇒そもそも「MRIで判断すべき」ものではありません。
確実な組織診断(バネ式針生検で確定させられないのならば、最初からマンモトーム生検すべき)が必要なのです。
「手術中、乳頭にガンがあれば胸筋を残しての全摘との説明がありましが、この病理診断の範囲内で乳頭・乳輪温存の皮下乳腺全摘は可能なのでしょうか?」
⇒それは「腫瘍と乳頭との距離」や「MRI」で、ある程度「大丈夫」だという判断がされていると思います。
「また、乳頭にガンがある確率はどのくらいでしょうか?」
⇒「腫瘍の条件」により様々です。
「先生ならどのような手術、再建を提案されますでしょうか?先生のご意見をお伺いしたく、宜しくお願い致します。」
⇒私の考え方としては
「乳房切除は乳腺を残さない事」を意味するので「乳頭乳輪温存乳房切除を乳房切除とは認めていません」
その術式は「形成外科側からのアプローチ」と思います。
つまり、「通常の乳房切除+再建」を推奨します。