[管理番号:706]
性別:女性
年齢:65歳
質問者様の以前の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
田澤先生こんにちわ。
いつもありがとうございます。
前回、母親の病理や抗がん剤についてこちらを利用させてもらった者です。
またもや先生にお伺いしたく、お邪魔しました。
母の病理で、核グレードが2、Ki67の値が20~30
でしたが、これは逆に抗がん剤が効きにくいのでしょうか??
どこかで、ki67が高い方が、抗がん剤が反応?しやすく、効果が見込めるとのようなものを読んだのですが…
私は単純に増殖率が30までで、良かった…のかな。
と思ってたのです。
トリプルネガティブで、この数値は逆に中途半端で効果が見込みにくいのか…と心配になってしまいました。
主治医を頼ればよいものを、来週木曜まで外来では行けず、先生にメールいたしました。
申し訳ありませんが、また見解教えてください。。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
Ki67と「化学療法の奏功や予後」の関係ですね。
Ki67は「luminal typeの化学療法適応」に使われている位ですから、当然「化学療法の奏功」とは関係がありそうですが、『統計的にきちんと証明はされていません』
更に、「Ki67と生命予後」も関係ありそうですが、(いろいろ「報告」レベルでは存在はしますが…)やはり「きちんと統計的には証明はされていません」
回答
「Ki67の値が20~30でしたが、これは逆に抗がん剤が効きにくいのでしょうか??」
⇒その可能性はありますが(きちんと証明はされていません)
「どこかで、ki67が高い方が、抗がん剤が反応?しやすく、効果が見込めるとのようなものを読んだのですが」
⇒そういう報告は散見します。
(統計的に証明はされていませんが)理論的にも関係はあるかもしれません。
「リプルネガティブで、この数値は逆に中途半端で効果が見込みにくいのか…と心配」
⇒気持ちはわかりますが…
良く考えてみてください。
「Ki67は細胞増殖指数なので、予後との関係」もありそうです(これも統計的な証明はありません)
★つまりKi67が低いという事は『抗がん剤の奏効率は低いかもしれませんが、一方で予後良好因子』なのです。
忘れてはいけないのは、乳癌とは
術後の状態として)
①(治療をしなくても)再発しない群
②(治療をすることで)再発を免れる群
③(治療をしても)結局再発する群
質問者(の母親)をあてはめると、Ki67が低いということは、②は低いけど、そのかわり①が高いという事です。結果として①+②が大事なのです。
○数字遊びに見えるかもしれませんが、これが事実です。
上記の①の存在を失念してしまうと全てを見失います。
質問者様から 【感想2】
田澤先生こんにちわ。
Ki値と予後に関しての御返事、ありがとうございます。
値が低いことを始めは、良い因子だな~と勝手に想像して、色々調べていくと、「ちょっと待てよ?低いということは、抗がん剤が効きにくいのか?」と不安がよぎり…
つまらぬ質問にも御返事くださり、感謝です。
予後良好因子と、捉えて前向いて支えていきたいです。
先生、またお邪魔させてください。
先生もどうぞお身体ご自愛下さい。
質問者様から 【質問3 TC中の傷側の痛み】
田澤先生、いつもありがとうございます。
前々回、647、前回706でQandAさせてもらった者です。
8月3日に1クール目のTCが始まりました。
二日目より軽い頭痛と微熱が出始めたようです。
と、同時に、全摘した胸の傷側が、シクシク、チクチク…ズキズキ…のような痛み?違和感がずっとあるようです。
抗がん剤前までは順調に傷は回復して身体の辛さは治ってきていたようですが。
感覚としては、外傷というか、中の細胞が痛むようです。
これは、単に抗がん剤の影響でよろしいですか?
副作用の1つと考えて、辛抱の時ですか?
薬が変に悪さをしているのではないか…と不安になり、質問させていただきました。
後、ドセタキセルは皮膚炎症の副作用があるようで、保湿を意識してますが、術傷の乾燥を防ぐのに、オロナインなどを塗っても大丈夫ですか?
日々、激務の中、申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
術後TCを選択されていますね。
回答
「これは、単に抗がん剤の影響でよろしいですか?副作用の1つと考えて、辛抱の時ですか?」
⇒抗がん剤の副作用で「術後創部痛の増強」はあまりありませんが…
「薬が変に悪さをしているのではないか」とまでは考える必要はありません。
副作用の範囲内でしょう。
「ドセタキセルは皮膚炎症の副作用があるようで、保湿を意識してますが、術傷の乾燥を防ぐのに、オロナインなどを塗っても大丈夫ですか?」
⇒オロナインは辞めましょう。
保湿には「ワセリン」がいいと思います。
また、発疹が出る事も多いので「抗アレルギー剤投与」も検討してください。
○皮膚症状もそうですが、TCで気をつける副作用には「筋肉痛や全身倦怠感」「白血球減少に伴う発熱」があります。
「筋肉痛や全身倦怠感」に対しては ステロイドの持続投与(2週間位)
「白血球減少に伴う発熱」に対してはペグフィルグラスチムの予防投与も有効です。
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |