[管理番号:8869]
性別:女性
年齢:52歳
病名:浸潤性乳癌
症状:
投稿日:2020年9月10日
いつも勉強させて頂いております。
2020年8月右乳房全摘+センチネルリンパ節生検を行いました。
術前の針生検査では、Ki-67値が20~30%となっておりましたが
術後の病理組織診断では、「Ki-67値は浸潤部分でしか測定できなくて、それが少なく測定不能」との事。
主治医の見解は、仮に Oncotype などの追加検査でHigh-Riskとなっても浸潤部が1mmなので抗がん剤不要、ホルモン治療が5年→10年になるだけ、との事です。
そこで疑問なのですが
①Ki-67値が、「術前:20~30%→術後:測定不能」は、針生検査で浸潤している病変を取りすぎてしまったという事でしょうか?こういう事は良くある事なんでしょうか?
②田澤先生も、「浸潤がなければ、抗がん剤治療不要」とお考えでしょうか?
私の浅い浅いネット知識では、「全身に散らばっている微小な癌の元が癌化する悪性度がki-67値」「悪性度が高ければ、癌化する前に抗がん剤で叩く」と思っているので、今回の病理結果(ki-67値が分からない)にスッキリする事が出来ないのです。
お忙しいところ恐縮ですが、田澤先生のご意見をお伺いしたく、よろしくお願いします。
【術前の針生検の結果】
腫瘍サイズ:7mm
ER:TS8, PgR:TS4, HER2:0, Ki-67:20~30%
腺管形成傾向:3, 核異型度:2, 核分裂像:1
【術後の病理組織診断】
Invasive ductal carcinoma with a predominant intraductal component no special type size (invasive)1x1mm size (invasive + noninvasive)15x10mm
g,ly0,v0,ki-67: see description
pT1mi, pNO(Omol)(sn), cMO, pStage 1A
Tubular formation:score2
Nuclear pleomorphism;score2
Mitotic count: score1
B-R score Grade 1
Surgical margin: negative
所見
肉眼的にC領域に灰白色の小結節性病変が認められます。
組織学的に軽度~中程度の異型を示す好酸性の細胞が、
乳管内で増生する像が認められます。
ごくわずか間質に浸潤する部分が見られ、浸潤径は1x1mm程度です。
乳管内病変が有意の浸潤性乳管癌リンパ管浸潤、充実型に相当する病変と考えます。
脈管浸潤は認められません。
底部は断端が近接していますが、明らかな露出はみられません。
小型の病変であり、ki-67免疫染色を施行した切片で
は病変が途絶えてしまい、ki-67陽性率の測定は困難です。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
物事を複雑に考えすぎています。
そもそも浸潤径1mmであれば「微小浸潤癌」であり抗がん剤の適応はありません。
(OncotypeDXも不要だしKi67を気にする理由もありません)
(私なら)ホルモン療法もせず無治療です。
質問者様から 【結果2 】
ki-67値測定不能
性別:女性
年齢:52
病名:浸潤性乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
田澤先生のご意見で、モヤモヤしていた心がスッキリしました。
主治医のすすめるホルモン治療も、副作用がキツければ中止も視野に入れて、受ける事にします。
お忙しい中、誠にありがとうございました。
これからもお身体に気を付けて、頑張って下さい。
<Q&A結果>