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家族から見て

[管理番号:3587]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生
私の妹の事で相談したいので、よろしくお願いいたします。
妹が乳がんになり、抗がん剤→手術→放射線治療まで来ました。
ここまでの治療の道のりを、近くで見てきましたが最近どのように接したら良いのかがわからなくなる時があります。
本人の気分の浮き沈みが激しく、簡単に「大丈夫。治るよ。」と言って良いのか…
本人にしか、わからない辛さ怖さがあると思うと、何て声を掛ければ良いかわかりません。
自暴自棄というか、悲観的な考えを耳にする事が多くなり心配です。
ステージ1でも、再発や転移する人はするし しない人はしない。
ステージが上がっても、元気にしておられる方は いる。
その人が、持っている生命力や運の問題なのでしょうか。
それとも、グレードや組織型が関係してくるのでしょうか。
田澤先生が、ここで答えておられる生存率や再発率と乳がん学会などのデータが随分
違いますが、その違いは何でしょう?
私なりに、調べてみたのですが…
私の、勉強不足でしたら すみません。
ここを見るまでは、乳がん=死や再発、転移と、思って私まで怖くなりましたが そうでは無い事が乳がんプラザでわかりました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
昨今の芸能人の件といい、ネットでも報道でも「過激なことを言えば受ける」とでも言わんばかりの風潮なのでしょう。(私は敢えて、見ていませんが…)
その中で「患者さん本人」ばかりか「その家族」にも無用なストレスとなっていることを悲しく思います。
「田澤先生が、ここで答えておられる生存率や再発率と乳がん学会などのデータが随分違いますが、その違いは何でしょう?」
⇒私が、ここで出している数値は
 NewAdjuvant.comでの数値です。
 もしも、私自身の経験での数値があれば(残念ながら、ありません。 長期間の予後調査をするのは個人では不可能なのです)多分もっといいと思います。
 皆さんが思っている(?)ほど、乳癌の予後は悪くはありません。
 それは、私自身が年間300以上の手術をしてそれらの患者さんを(どこかの病院のように術者と外来担当医が異なることなく)自分自身で診療しているので肌で感じることです。
 「えっ、こんなに早期なのに、この人が再発?」などという場面が殆ど無いのです。
 むしろ、「あれだけのハイリスクだから、再発も覚悟しなくては…」と思うような患者さんでも再発しない方が当然多いわけで「乳癌はやはり予後がいいな」と実感します。
「ここを見るまでは、乳がん=死や再発、転移と、思って私まで怖くなりましたがそうでは無い事が乳がんプラザでわかりました。」
⇒その通り、「情報に踊らされている」ようですね。
 ここ江戸川で一人でやっている私が「手術三昧の日々」を過ごせるのも「再発が殆どない(勿論ゼロではありませんが)から」です。
 想像してみてください。
  もしも、皆さんが思っている程「乳癌が再発する」ならば私は「再発治療で身動きとれなくなっている筈」です。(実際は、通常の外来診療と手術に明け暮れているのです)