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化学療法の必要性について

[管理番号:1479]
性別:女性
年齢:47歳
先日、左乳房部分切除とセンチネルリンパ節生検を行い、病理検査の結果が出て
治療計画を主治医から聞かされました。
手術前の検査(造影MRI、造影CT、太針生検)では、
・1.5cmの腫瘍(近くにもう一つあるが、恐らく繋がっている
だろう)で浸潤性乳管がん
・ER 陽性95%
・PgR 陽性95%
・異型度 グレード1~2
・Ki67 5~10%
・遠隔転移なし
ということで、ステージI期と考えられ、上記の切除術を受けました。
ところが、実際開いた後の病理検査では
・腫瘍は2.5cm(浸潤)と0cm、広がり?5cm(非浸潤)の2箇所(多発性)
・リンパ節転移個数 1/3個
(マイクロ転移)N1mic
※手術中の迅速診断では検出されなかったため、リンパ節郭清省略
・ER、PgR陽性
・HER2 1+ 陰性
・脈管侵襲 なし
・断端 陰性
・Ki67 5~10%
という結果となり、ステージIIb サブタイプはルミナールAでした。
本来なら、放射線治療を開始しホルモン療法で済むところを
抗がん剤治療の追加を言われた次第です。
リンパ節に転移がなければ抗がん剤治療は不要で、追加の意義としては10年後の再発リスクが-5%減る
くらいだと聞き悩んでいます。
抗がん剤治療はTC療法です。
放射線治療とホルモン療法のみなら、仕事をしていく上でそれ程影響はないと考えていたものですから、抗がん剤治療が加わ
ることで今後の仕事や生活に不安を感じています。
色々調べてみると、抗がん剤治療をしてもしなくても再発するときはするということも聞きますし、それで副作用があると分
かってわざわざ苦しい治療を受けるのかということ、治療後は副作用も無くなると言われていますが、正常な細胞を破壊して
しまうというのも気になります。
最終的には患者本人が身体と向き合って治療方針を決定しなければなりませんが、ご意見を頂ければ幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(25mm), pN1mi, luminalA
私であれば、「化学療法の提案」など考えもしませんが…

回答

「本来なら、放射線治療を開始しホルモン療法で済むところを抗がん剤治療の追加を
言われた」
⇒私ならば、「抗がん剤の適応はなし」と思います。
 ルミナールAにおける「化学療法の追加の基準」は「リンパ節転移4個以上」と考えています。St.Gallen 2015より(1-3個では65%で化学療法は選択しないとしています)
  ♯ましてや、質問者は「微小転移」なのに…